February 11, 2025
モーリス・ベジャール版『くるみ割り人形』は1998年に世界初演され、約半年後に東京バレエ団が日本初演を果たした。今回は7年ぶりの再演となる。母を亡くしたばかりの少年ビムの視点を借りて、振付家の原風景となるイメージやエピソードが、郷愁や多幸感をともなって描かれる。天井まで伸びるクリスマスツリーに代わり、巨大なヴィーナス像が姿を現し、その像によじ登ったり、祠のような像の内部に潜り込み、聖母子像の下で、ボッティチェリの絵画のヴィーナスになぞらえた母に抱きついたりと、少年のママンへの愛が炸裂する。本家『くるみ割り人形』ではドロッセルマイヤーが少女クララを夢の世界に導くが、本作のカウンターパートとなる"M..."は、時には少年ビムの父、また時には"クラシック・バレエの父"マリウス・プティパとなり、厳しいながらもビムが現実の世界で居場所を見いだす手助けをする。母を中心とした内的世界と、M...が導くダンスの世界を、猫のフェリックスが自由に行き来する。続きを読む
February 01, 2025
《THE DANCE TIMES》選出月間ベストダンサーは、ダンス・タイムズ編集部で協議して決めています。ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーを重複して選ぶことはしないというルールに則っています。
January 31, 2025
January 16, 2025
ウクライナ国立バレエ団(旧キエフ・バレエ団)が、ウクライナ国立歌劇場管弦楽団とともに、全国12都市をツアー中である。1月5日の東京公演ではロマンティック・バレエの代表作『ジゼル』を上演した。タイトルロールには、キエフ・バレエ学校で学んだアリーナ・コジョカルが出演を予定していたが、怪我で降板したため、ハンブルク・バレエ団プリンシパルの菅井円加が代役で登場した。菅井は、技術力、身体能力、音楽性、パとパを繋ぐセンスなど多方面に優れた、世界を代表するダンサーだが、全幕作品に出演する菅井を国内の舞台で観る機会は少ない。アルブレヒトは当初の予定通り、ウクライナ出身でハンブルク・バレエ団プリンシパルのアレクサンドル・トルーシュが務めた。
続きを読むJanuary 01, 2025
《THE DANCE TIMES》選出月間ベストダンサーは、ダンス・タイムズ編集部で協議して決めています。ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーを重複して選ぶことはしないというルールに則っています。