April 11, 2017

K-BALLET YOUTH『眠れる森の美女』公開リハーサル

オーディションによって選ばれた22歳以下の若手ダンサーで構成され、リハーサルから本番まで、プロフェッショナルな環境で舞台を作り上げてゆくKバレエ ユース。総監督・熊川哲也による2013年の創設以来、これまでに、同年の第1回記念公 演『白鳥の湖』、第2 回公演『トム・ソーヤの冒険』(2015年・世界初演)を上演してきた。そして、過去2度の舞台で古典とオリジナル作品の双方を経験した彼らが、次回の第3回公演では、大作『眠れる森の美女』に臨む。現在も厳しい練習を重ねる中、先月、ユースとしては初の試みである公開リハーサルが行われ、プロを目指す踊り手たちの成長著しい姿に触れることができた。



_MG_0486_MG_0612まずは、 Kバレエ カンパニー バレエ・ ミストレスの前田真由子指導による、プロローグシーンのリハーサルである。フェアリーが女性5名、カヴァリエの男性6 名、 そして物語の主軸を担うリラの精を務めるのは、前述の『白鳥の湖』でオディールを踊り、現在はカンパニーで活躍中の大井田 百だ。前田は、女性陣がパ・ド・ブレで登場する場面から、「腕を柔らかく使って」「エレガントに歩いて」「男性は見守るように」「マイムには気持ちを込めて」と、細部に至るまで的確な指示を出してゆく。時には、自身が動いて手本を見せながら、どうすれば観客から自分の姿が最も美しく見えるのかを徹底的に意識させ、ひとつひとつの動きを丁寧にブラッシュアップさせていたのが印象的であった。

 

_MG_0841続いては、主演の八木りさと佐伯美帆が、それぞれ第1幕と第3幕のヴァリエーションを披露。指導には、ゲスト・プリンシパルの中村祥子が当たった。中村も、昨年6月の公演でオーロラ姫を演じており、現役プリマから10 代の踊り手に向けてのレクチャーは、この上なく贅沢な経験である。ローズ・アダジオを踊った八木は、劇中の姫と同じ16歳。ポーズのラインが美しく、瑞々しい雰囲気のダンサーである。中村は技術的な注意とともに、表現についても、八木の想像力をかき立てるようなヒントを与えてゆく。ヴァリエーション中盤のパとパのつなぎ部分で、一言「何かがふわりと舞ったように」と伝えると、たちまちその表情やポール・ド・ブラに彩りが加わってゆく様は大変興味深かった。

 


_MG_1090一方の佐伯は、先日の全国舞踊コンクールでも入賞を果たした新鋭。正確かつエレガントな動きが持ち味だ。この第
3 幕のヴァリエーションは「1幕と雰囲気を変えなければいけない」と中村が述べるように、愛らしさとともに姫としての風格が求められる役どころである。中村は彼女にも、体の角度や上体のつけ方を丹念に修正してゆく。「(パッセの)足を下ろすときは、ガラスの上で踊っているように繊細に」「(アームスの動きに関して)結婚指輪を見せているように」など、具体的なイメージを示すと、佐伯の踊りもみるみる変化してゆくのが見て取れた。そして何より、主役を演じるに当たり、周りとのコンタクトや自らが(舞台)空間をつくり上げることの重要性など、数々の主演を果たしてきた中村ならではの教示も、ふたりの心に大きく響いたであろう。

 

本作は、Kバレエ カンパニーからも宮尾俊太郎や堀内將平、杉野 慧らがゲスト出演。 ユースのメンバーは、進境著しいプロダンサーと同じ舞台に立つことで何物にも代えがたい学びや刺激を得るはずだ。芸術監督の小林由明が、見どころは「若さ」と断言するように、真っすぐで吸収力抜群の彼らが8月の本番でどのような進化を遂げるのか、ぜひとも会場で見届けたい。(2017 3281600  彩の国さいたま芸術劇場小ホール 撮影:言美 歩  取材&文 宮本珠希)

 

K-BALLET YOUTH 第3回公演『眠れる森の美女』

201785日、6日 Bunkamura オーチャードホール 

公演詳細 http://k-balletyouth.com

お問い合わせ チケットスペース 03-3234-9999



piyopiyotamaki at 19:25レポート 
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