April 15, 2018

キミホ・ハルバート振付『Garden of Visions–Version♀』は、大きな緑の蔦が垂れ下がる舞台装置の中、9名の女性ダンサーが踊った。時に個性を主張したり、あっという間に集団の中に紛れ込んで調和したりと、みずみずしい”ガーデン”の風景が現れては消える。タンクトップやショートパンツ、短いスカートの衣装をまとったダンサーたちは、本作にふさわしい、生命力を伴ったエロティシズムがあった。井上バレエ団のダンサーはクラシック作品を踊る際、背中や肩の位置を固定して、腕だけを動かしていることが多い。それがバレエ団の「型」であるのだろうが、動きのダイナミズムに物足りなさを感じることがある。しかし本作では、驚くほどしなやかに上半身を動かしていた。昨年の同シリーズで披露した佐多達枝や山崎広太の作品に続き、今年もダンサーたちの持つ表現力のポテンシャルを強く感じさせる公演だった。演目は他に、関直人振付『春風』、石井竜一振付『班女』、堀登振付『弦楽セレナード』が上演された。(隅田有 2018/04/07 19:00 世田谷パブリックシアター)


outofnice at 15:20短評

March 31, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、320日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年4月公演】


◆NHKバレエの饗宴2018 

2018年4月7日(NHKホール)

◇国内有数のバレエ団や世界で活躍中のダンサー陣が競演する同公演。今回は、新国立劇場バレエ団のウエイン・イーグリング版『くるみ割り人形』第2幕、東京バレエ団によるナタリア・マカロワ版『ラ・バヤデール』から“影の王国”、吉田 都&マティアス・ディングマン&スターダンサーズ・バレエ団のデヴィッド・ビントレー振付『Flowers of the Forest』、そして平山素子の新作初演作品『Chimaira』を、同人と小尻健太、鈴木 竜、堀田千晶が踊る。各カンパニーの“個性”や“旬”を一度に堪能できる貴重な舞台は見逃せない!(宮本珠希)


◆井上バレエ団《アネックスシアター 次世代への架け橋 vol.5》 

2018年4月7、8日(世田谷パブリックシアター)

◇個性が異なる創作バレエ4作を上演する。芸術監督の関直人が振り付けた『風のコンチェルト』からの抜粋『春風』、キミホ・ハルバート振付けの『Garden of Visions–Version♀』(初演は2004年)は、今回は9人の女性バージョンに作り変えられた。『班女』は同名の能の作品に石井竜一がインスパイアされ、プーランクの音楽に乗せて創ったという和洋折衷の新作。そして、ベテランダンサーである堀登による『弦楽セレナード』の再演と、多彩なラインアップを楽しめる。(吉田 香)


◆アンサンブル・ゾネ『緑のテーブル』 

2018年4月7、8日(愛知県芸術劇場小ホール)

◇『緑のテーブル』は、クルト・ヨースが1932年にパリのシャンゼリゼー劇場で上演したバレエだ。それを岡登志子が、独自によみがえらせようという企画。岡は、これを昨年大野慶人の監修により地元の神戸でやっており、その進化した形が見られるはずだ。(山野博大)


◆『和栗由紀夫 魂の旅』 

2018年4月21日(ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター)

◇暗黒舞踏の創始者である土方巽から直接教えを受け、いくつもの作品に出演した和栗由紀夫。土方の舞踏譜や振付方を集大成したCD-ROM『舞踏花伝』を出版し、国内外で舞踏の普及や公演活動を続けていたが、昨年10月に急逝した。和栗と親交のあった舞踏家、和栗から舞踏を学んだダンサーたちによるパフォーマンスと、舞台衣装や写真の展示、生前最後の公演記録映像によって、彼の足跡を振り返る催しが開かれる。和栗の功績からその人柄と舞踏を偲び、また彼らが舞踏という新たな様式を創造し、格闘続けた熱い時代を知る機会になるだろう。(稲田奈緒美)


◆《REJOICE》第1回公演

2018年4月27日(きゅりあん)

◇遠藤康行の『--Les Mots de Silence—』、中村恩恵の『Black Tulip』などの創作の上演が予定されている。注目株の最新動向は見ておきたい。(山野)


◆CHAiroiPLIN+三鷹市芸術文化センターpresents『ERROR』 

2018年4月21〜30日(三鷹市芸術文化センター・星のホール)

◇若手コンテンポラリーダンスの振付家・演出家・ダンサーとして快進撃を続けるスズキ拓朗と、彼が率いるダンスカンパニーCHAiroiPLIN(チャイロイプリン)。これまで「踊る戯曲」「踊る小説」などと称して、様々なストーリーをダンス、セリフ、歌、生演奏などを軽妙ときに濃密に用いて描き、観客を驚かせ、大いに楽しませてきた。今回「踊る小説4」として太宰治の『人間失格』『失敗園』を取り上げるという。タイトルの「ERROR」がほのめかすように、個性豊かなメンバーたちが物語をそのまま表現するわけはない。いったい何に変身して物語を踊り、歌い、演じ、新たな世界を作りあげるのか、楽しみに待つとしよう。(稲田)


◆国立劇場4月舞踊・邦楽公演《明日をになう新進の舞踊・邦楽鑑賞会》 

2018年4月21日(国立劇場・小劇場)

◇みずみずしい若葉の季節に相応しい新進の舞踊家、邦楽家による公演。舞踊の演目は、花柳基はるなの『外記猿』と若柳吉優亮の『傀儡師』。『外記猿』は基はるなの師・花柳基の大切な演目で、基が名手二代目花柳壽楽から教えを受けたものを、基はるなに継承。若柳吉優亮は国立劇場主催公演には、今まで兄との共演が主だったが、今回は一人立で様々な人物を踊り分ける『傀儡師』に挑戦。文字通り「明日をになう」若手がそれぞれ憧れの曲に挑戦する意欲的な公演だ。(阿部さとみ)


◆《上野の森バレエホリデイ2018》Noism1特別公演『Mirroring Memories−それは尊き光のごとく』

2018年4月28〜30日(東京文化会館・小ホール)

◇日本舞台芸術振興会が、昨年初開催したバレエのフェスティバル、上野の森バレエホリデイを今年も行う。昨年の公演や無料イベントは子供向けのものがほとんどだったが、今年は大人のバレエファン、ダンスファンが楽しめる企画が増えた。なかでも注目は、金森穣がこのフェスティバルのために創作する新作『Mirroring Memories』。彼がこれまでに創作した代表作10作品と新たな小品によるオムニバスとのこと。Noismを長年追ってきたファンにとっては懐かしい作品群を楽しめる、嬉しいアソートギフトになることだろう。(折田 彩)


◆チャイコフスキー記念東京バレエ団『真夏の夜の夢』『セレナーデ』

2018年4月28、30日(東京文化会館・大ホール)

◇20世紀の巨匠、アシュトンとバランシン作品の二本立て。東京バレエ団は『真夏の夜の夢』を2005年と2007年に上演しているが、今回は約10年ぶりの再演となる。戯曲さながら、まるで賑やかなセリフが聞こえてくるような名作だ。『セレナーデ』はバレエ団として初演。シェイクスピア作品とは対照的に、ソリストとアンサンブルの幻想的で詩情豊かな舞台が見られるだろう。また、本公演に先立ち、12時からは《上野の森バレエホリデイ2018》の一環として『真夏の夜の夢』が上演される。4歳以上から入場できて、子供は半額。オーケストラ付きの本格的な公演に、ぜひ一家でお出かけを!(隅田有)


◆新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』 

2018年4月30、5月1、3〜6日(新国立劇場・オペラパレス)

◇今年前半、東京は『白鳥の湖』の公演ラッシュだ。各バレエ団が工夫を凝らし独自のカラーを出しているが、新国立劇場は比較的オーソドックスな演出。ゆえに出演者たちの技量をじっくりと堪能できる愉しみがある。実力派と若手ホープの4キャストで、誰で見るか悩むところ。(隅田)




outofnice at 11:33公演情報

March 23, 2018

<白神ももこ、北川結、多田智恵、内海正考>
2018年2月1日、《ダンスセレクション30s!!! シアターコレクション》(こまばアゴラ劇場)で、白神構成・演出・振付『ウォールフラワーズ。』を踊る

<上村有紀、鈴木隆司、友野翔太、昇良樹、間瀬奈都美、望月めいり、八木光太郎>
2018年2月2日、Yokohama Dance Collection2018 オープニングプログラム(横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)で、矢内原美邦振付・演出『コーヒー』を踊る

<菅井円加>
2018年2月4日、ハンブルク・バレエ団公演(東京文化会館・大ホール)で、ジョン・ノイマイヤー振付・演出『椿姫』のプリュダンスを踊る

<福岡雄大>
2018年2月9日、新国立劇場バレエ団公演(新国立劇場・オペラパレス)で、ピーター・ダレル振付・台本『ホフマン物語』のタイトルロールを踊る

<飯塚真穂、内田香、中村友紀、松本直子、荒木まなみ、岡野友美子、玉田光子、猪野沙羅、佐々木礼子、本間日向子>
2018年2月14日、新進舞踊家海外研修員による現代舞踊公演(新国立劇場・小劇場)で、飯塚真穂振付『Winter』を踊る

<畦地亜耶加、和田淳子>
2018年2月16日、新国立劇場オペラ公演(新国立劇場・オペラパレス)で、サシャ・ヴァルツ演出・振付『松風』を踊る

<飯田利奈子、梶田留以、金田あゆ子、楠田智沙、近藤美緒、梅澤紘貴、高比良洋、辻本知彦、宝満直也、八幡顕光>
2018年2月17日、ARCHITANZ2018公演(新国立劇場・小劇場)で、ホ・ヨンスン振付『ジ・エッジオブ・ザ・サークル』を踊る

<中川賢、池ヶ谷奏、吉裕哉、浅海侑加、チャン・シャンユー、坂田尚也、井本星那、鳥羽絢美、西岡ひなの、山田勇気>
2018年2月17日、Noism1公演(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール)で、金森穣演出振付『NINA−物質化する生け贄』を踊る

<井上八千代>
2018年2月17日、2018都民芸術フェスティバル第61回日本舞踊協会公演(国立劇場・大劇場)で、地歌『おちやめのと』を舞う

<浅川紫織、堀内將平、石橋奨也>
2018年2月27日、熊川哲也Kバレエカンパニー2018《New Pieces》(Bunkamuraオーチャードホール)で、熊川振付『死霊の恋』を踊る

《THE DANCE TIMES》選出ダンサー月間ベストテンは、仲間の評論家をはじめとする多くの舞踊界の人たちとの劇場のロビーでの噂話などに含まれた本音のところを参考にして、ダンス・タイムズ編集部で協議し、最終的に決めます。ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーをダブって選ぶことはしないというルールでやっています。


ayaorita at 17:57

March 08, 2018

東京シティバレエ団の創立50周年記念公演が、3月3日、4日、6日に東京文化会館で上演された。演出は石田種生で”大いなる愛の讃歌”という副題が付いている。大野和士の指揮で演奏は東京都交響楽団。1946年の『白鳥の湖』日本初演の際に、藤田嗣治によってデザインされた背景画が、本公演で再現された。続きを読む

outofnice at 22:25舞台評

February 27, 2018

<出演者一同>

2018年1月5日、Co.山田うん 2018 3都市ツアー東京公演(スパイラルホール)で、山田振付・演出『モナカ』を踊る

<勅使川原三郎、佐東利穂子>

2018年1月5日、KARAS《アップデイト・ダンスNo.50》公演(カラス・アパラタス)で、勅使川原演出『ピグマリオン‐人形愛』を踊る

<米沢唯、奥村康祐>

2018年1月6日、新国立劇場開場20周年記念特別公演《ニューイヤー・バレエ》で、ジョージ・バランシン振付『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』を踊る

<森山未來、上月一臣、大植真太郎、池島優、大宮大奨、渋谷亘宏、AYUMI、湯浅永麻、森井淳、笹本龍史>

2018年1月6日、『PLUTO プルートゥ』(Bunkamuraシアターコクーン)で、シディ・ラルビ・シェルカウイ演出・振付の同作を踊る

<酒井亜矢、白髭真二>

2018年1月10日、《ダンスがみたい!新人シリーズ16》(d-倉庫)で、自作の『KANYUU』を踊る

<オニール八菜>

2018年1月11日、《ピアジェpresents ル・グラン・ガラ2018〜パリ・オペラ座バレエ団トップダンサーたちによる華麗なる宴〜》(東急シアターオーブ)で、ジョルジオ・マンチーニ振付『ヴェーゼンドンク歌曲集』を、ジェルマン・ルーヴェ、ユーゴ・マルシャンと踊る

<馳麻弥、檜山和久>

2018年1月13日、谷桃子バレエ団新春公演2018(東京文化会館・大ホール)で、マリウス・プティパ=レフ・イワノフ原振付『白鳥の湖』(全幕)を踊る

<東京ゲゲゲイ>

2018年1月17日、キテレツメンタルワールド 東京ゲゲゲイ歌劇団Vol.狂演(よみうり大手町ホール)で、牧宗孝演出・脚本のレビューショーを踊る

<出演者一同>

2018年1月20日、ジェローム・ベル『Gala−ガラ』(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール)で、同作を踊る

<平山素子>

2018年1月26日、愛知県芸術劇場ミニセレ 加藤訓子(パーカッション)×平山素子(ダンス)『DOPE』(愛知県芸術劇場・小ホール)で、自作を踊る


《THE DANCE TIMES》選出ダンサー月間ベストテンは、仲間の評論家をはじめとする多くの舞踊界の人たちとの劇場のロビーでの噂話などに含まれた本音のところを参考にして、ダンス・タイムズ編集部で協議し、最終的に決めます。
ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーをダブって選ぶことはしないというルールでやっています。



ayaorita at 18:57
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