December 05, 2012

文化庁/公益社団法人日本バレエ協会 『平成24年度 Ballet クレアシオン』

「新進バレエ芸術家育成事業」である本公演では、5名の振付家による作品が上演された。
大岩ピレス淑子が手がけた『真紅の風流るる地にありて踏みしむ土の薫黒き』は、ヴァイオリンとパーカッション集団「
BAQUEBA」とのコラボレーションの中、ダンサー達の躍動感に満ちたムーヴメントが繰り広げられた。カーテンコールでの、出演者が客席を通って退場してゆく演出も印象深い。
小林十市の『振付悪夢』からは、彼の師であるモーリス・ベジャールへの深い思慕や、自身のひたむきな生き様が感じられた。ダンサーとしても登場した小林の夢の中で展開してゆくストーリーは明快でテンポが良く、ベジャールの肉声や顔を描いたパネル、椅子などの小道具も効果的に用いられた。小林の存在感や集中力は舞台の空気を変え、ぐいぐいとその世界観に引き込まれてゆく面白さがあった。
中原麻里振付の『
L’instant―ランスタン―』は、「椿姫」をモチーフに作られており、ヴィオレッタの伊藤さよ子とアルフレードの武石光嗣による丁寧な役作りが、作品のドラマ性を更に高めた。
山本康介は、
6曲から成るモーリス・ラヴェルの「クープランの墓」に『L’esprit Blanc―レスプリ・ブラン(白いエスプリ)―』を振り付けた。軽快に連なるステップの中に時折ユーモアのあるニュアンスを交え、踊り手の動きを一層洗練させて見せたのは振付の妙であろう。主に、新国立劇場バレエ団とバレエ シャンブルウエストのメンバーを中心に構成され、「フーガ」を踊った五月女遥のたおやかな上体の使い方や、「メヌエット」での長田佳世と厚地康雄の安定感のある踊りが際立った。長年イギリスで経験を積んできた山本ならではの洒脱さと品の良さが光る作品であった。
ラストを飾ったのは下村由理恵による『
The Scent of Autumn』。粕谷麻美、大長亜希子、平尾麻実を主軸に、アースカラーの衣装を纏った女性舞踊手が、流麗なシークエンスで、豊潤な秋の趣を表現していた。(宮本珠希 2012/11/10 1600 メルパルクホール)



piyopiyotamaki at 04:22短評 
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