August 13, 2011

《ダンスがみたい!13》 上杉満代♥黒沢美香♥堀江進司 『東京ロケット』

8年ぶりの再結成という。セーラー服にうさぎのぬいぐるみを持った上杉、白いブラウスと紺のスカートにラテンの赤いフリフリ袖を付けた黒沢、紅白格子のド派手なジャケットに半ズボン、上履きという堀江がロケットに乗って出発する。と、まずはリコーダーの練習。真剣な黒沢に、やる気のない二人が入って、仕舞には童謡と気の抜けたような『ボレロ』がハモるのが可笑しい。すると黒沢は急に見切りをつけて、そそくさと即興に入る。常にきっかけを出すのは黒沢だ。カイリー・ミノーグの曲に合わせて腰を振ってキレキレに踊ったり、上半身裸でムエタイの選手のような格好の堀江がゴールドに光るコードを床に叩きつけたり、そのコードを輪にした中でチークダンスを踊ったり、吹き出してしまうような場面と即興が交互に現れる。最後にはまた、うさぎのぬいぐるみ、赤いフリフリ袖、紅白ジャケットをそれぞれ身につけると、ロケットは飛んで行ってしまった。
ミステリアスで脱力系の上杉、キリリとしているのが笑える黒沢、見た目はいかついが真面目で気が弱そうな堀江のコンビネーションが絶妙で面白い。昭和の見世物小屋のような、ぎらついたパワーと物悲しさが混在する不思議な空間があった。「先の予定はないし、もう二人にも会えない」と、黒沢は言うが、忘れた頃に不時着してくれるのではと期待している。(吉田香 2011/08/09 19:30日暮里d-倉庫)




jpsplendor at 13:44短評 
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