舞台評
February 11, 2026
January 25, 2026
新国立劇場は開場から2007年までマリインスキー劇場版の『くるみ割り人形』を、2009年から2015年までは劇場新制作の牧阿佐美版を上演していた。牧版は、牧阿佐美バレヱ団がかつて上演していたジャック・カーター版がベースとなっていて、クリスマス・パーティ終了後の給仕たちのやり取りなど、要所要所に懐かしさを感じさせる演出が見られた。一方で、序盤に現代の新宿の風景を挿入したり、二幕の「アラブ」をアラブ文化成立前の古代エジプトに変更したりと、独特のアプローチも追加されていた。この頃まで年末公演は『くるみ割り人形』と『シンデレラ』を交互に上演していたため、牧版の上演は4シーズンにとどまっている。3作目となるウェイン・イーグリング版(2017〜2024年)は、アシュトン、マクミラン、マイヨー、ロビンスといったネオクラシック以降のボキャブラリーのガイドブックのような作品で、毎年上演されていたこともあり、"新国のくるみ"として定着しつつあった。そうした流れの中で今シーズン、新国立劇場では開場以来4作目となるウィル・タケット版『くるみ割り人形』が新制作された。続きを読む
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January 24, 2026
December 04, 2025
November 30, 2025
1832年にパリ・オペラ座で初演され、1972年にピエール・ラコットが復刻した『ラ・シルフィード』は、1984年に東京バレエ団が国内で初演した。団長の斎藤友佳理は1989年の公演で主役に抜擢されて以来、当たり役として再演を重ねた。斎藤はラコットから信頼を寄せられたリハーサル指導者でもある。東京バレエ団は国内外を通じて、本作の上演に最も適した環境が整っているカンパニーの一つだろう。前回2020年の上演時は、ロマンティック・バレエのスタイルを体現した沖香菜子の名演技に胸を打たれた。その舞台でエフィを踊った秋山瑛が、初役でタイトルロールを踊った3日の舞台を観賞した。続きを読む
outofnice at 17:00
October 12, 2025
September 26, 2025
2003年からヒューストン・バレエの芸術監督を務めるスタントン・ウェルチによる作品のみで構成されたガラが行われた。これまでウェルチが古典の全幕物を改訂した公演はあったが、筆者は彼の作品の魅力はアブストラクトな小品にあると思ってきたので、日本でこのようなガラが上演されたのは嬉しかった。ジョン・ノイマイヤーがハンブルク・バレエ団を去った今、芸術監督自らが振付をするバレエ団は希少である。
ウェルチの振付は、クラシックのボキャブラリーでダンサーを極限まで躍らせて音楽を視覚化するという意味ではウヴェ・ショルツに近いが、胸がキュンとするような叙情性があり、そういう意味ではナチョ・ドュアトを彷彿とさせ、さらにクスッと笑ってしまう動作や軽いキスを用いた愛嬌がある点では、トワイラ・サープの要素もある。続きを読む
ウェルチの振付は、クラシックのボキャブラリーでダンサーを極限まで躍らせて音楽を視覚化するという意味ではウヴェ・ショルツに近いが、胸がキュンとするような叙情性があり、そういう意味ではナチョ・ドュアトを彷彿とさせ、さらにクスッと笑ってしまう動作や軽いキスを用いた愛嬌がある点では、トワイラ・サープの要素もある。続きを読む
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