April 22, 2024

東京シティ・バレエ団『眠れる森の美女』

東京シティ・バレエ団が2020年2月に新制作した安達悦子版『眠れる森の美女』を再演した。初演から再演まで4年の歳月がかかった背景に、パンデミックの影響の大きさを実感する。今回も振付指導にラリッサ・レジュニナを招き、バレエ団の総力を挙げた舞台が披露された。

主要な役はダブルキャストで、筆者が観た初日(23日)はオーロラ姫に清田カレン、デジレ王子にキム・セジョン、リラの精に植田穂乃香、カラボスに濱本泰然が出演。翌日は斎藤ジュン、浅田良和、且股治奈、杉浦恭太がそれぞれの役に出演した。主役やソリストの見せ場で繋ぐオーソドックスな構成は、個々のダンサーに注目するまたとない機会である。清田や植田、さらにフロリナ姫の飯塚絵莉や、白猫の松本佳織などが、安定した踊りを見せた。古典の大作はまた、バレエ団の特色も明らかにする。東京シティ・バレエ団のダンサーは、音取りがタイトなコンテンポラリー作品で鍛えられているせいか、音楽性に恵まれている。厳密なカウントが求められる妖精たちの踊りでは、とりわけこの強みが生かされ、軽やかさや愛らしさの表現に結びついていた。

本公演では男性ダンサーの活躍も目を引いた。キムはおっとりとしていて仕草に品があり、デジレ王子は当たり役であった。ブルーバードの吉留は正確かつ軽やかな踊りで、連続のブリゼ・ボレでは、ジャンプごとにしっかりと背中を反らし、指先からつま先までなめらかに結ぶ曲線を空中に描いた。キャラクテールでは、カラボス役の濱本が存在感を示した。男性が女性役を演じる際に往往にして観られる滑稽さはなく、目を見開いて呪いをかける仕草には、グラマラスな色気があった。クセの強い役柄だが大げさになりすぎず、濱本の芝居のセンスが光った。

(隅田 有 2024/03/23 新国立劇場中ホール 17:30)


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