December 26, 2020

伊藤キム×森下真樹『マキム』


伊藤キムと森下真樹が太い赤紐を担いで登場。それを結んで舞台中央に置き、シモ手の伊藤、カミ手の森下が、バイオリンの独奏曲を聞きながら一節づつ踊りをつないで行く。さらにバイオリンのメロディーを口ずさみながら踊る。しだいに現れる即興の歌詞が笑いを誘う。どこまで行っても、さらに次を見たくなるみごとなやりとりだった。

休憩の後、伊藤のチーム6人と森下のチーム5人の群舞となる。長い静止の後に少しづつ動きが現れ、しだいに加速する。みごとな群舞展開だ。しかし前半のデュエットと較べると、どこか物足りない。振付はさらに複雑なものとなり、動きの展開はおもしろさを増して行く。しかし、物足りなさは最後まで解消することはなかった。先に伊藤と森下のやりとりがなく、この群舞だけ見たら、十分に満足したと思うのだが…。

(山野博大 2020/11/13 東京芸術劇場 プレイハウス)

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