March 06, 2020

勅使川原三郎+KARAS《アップデイトダンスNo.67》『音楽の捧げもの』


白いシャツとズボン姿の勅使川原三郎、佐東利穂子がバッハ(スカルラッティも交じる)を踊った。まずそれぞれのポーズを照明が追う。暗くなったところで立ち位置を変える。灯りをつけたところでは動きはないのだが、闇の中で舞台の二人があちこちを動き回り、壮大な踊りを繰り広げているような興奮を伴うスタートだった。二人のダンスが複雑に織り交ざり、しだいに加速する。そして佐東の早い動きが頂点に来る。

終演後のトークで勅使川原は、「捧げもの」という日本語のニュアンスに特に惚れ込んで『音楽の捧げもの』を創ったことを話す。いつもと変わらない舞台の進行なのだが、たっぷり動く充実感に満ちた舞台は、大きな満足感をもたらすものだった。

(山野博大 2020/1/16 カラス アパラタス)


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