October 06, 2019

さいたまダンス・ラボラトリ:小㞍健太&湯浅永麻による夏季集中ワークショップ《公開リハーサル》


小㞍健太と湯浅永麻が指導する“さいたまダンス・ラボラトリ”の夏季集中ワークショップ公開リハーサルを見た。このワークショップは昨年8月にもやっており、その時はオーディションで選んだ24名がリハーサルに登場したが、今回は22名。まず小㞍と湯浅が属していたネザーランド・ダンス・シアター(NDT)のイリ・キリアン作品『Whereabouts Unknown』の練習に22名が4組に分かれて取り組んだ。からだの束縛を振り切って思いきり跳んだり、回ったり、走ったりを繰り返す彼らは、元気に遊ぶ開放感を共有していた。さらに小㞍振付の『Inscription』の一部を踊った。これも何組かに分かれて同じ動きを繰り返し、動きと掛け声により場面がいろいろに変わって行くプロセスを追った。

小㞍と湯浅が共に振付けたデュエット『Breakwave』の抜粋を二人が踊った。全力でぶつかり合うところも多くあるのだが、両者の呼吸がぴたりと合ってひとつの緩やかで濃密な流れが現れた。ワークショップ参加者に彼らの遠い到達点を示すデュエットだった。

最後は湯浅の振付けた『妖精の庭』を22名のワークショップ参加者が踊った。しだいに中心のふたりに焦点を合わせて行く流れに、ひとりひとりが自分の持ち場を考えながら懸命に取り組む。このような繊細な場面の変化を力一杯で動きながら、かなりのところまで表現できることを、オーディションで集めた22人に短期間で教えたワークショップの驚くべき成果に、大きな拍手がわいた。

(山野博大 2019/8/31 彩の国さいたま芸術劇場 大稽古場)

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