September 27, 2019

第39回ニムラ舞踊賞授賞式


第39回ニムラ舞踊賞の授賞式が行われた。今回の受賞者は東京シティ・バレエ団の芸術監督の安達悦子だった。授賞式は例年、新村英一の出身地である諏訪市で行われる。
ニムラ舞踊賞を出している諏訪市の関係者、受賞者、選考委員などが集まり、新村英一の眠る頼岳寺での墓参から例年同様一連の行事が始まった。彼は生前、故郷の墓で眠ることを考え、そこに詣でてくれる人が絶えないことを願ってニムラ舞踊賞の制定を目論んだ。そして諏訪湖畔に建つ古い名旅館“ぬのはん”の当主に賞の基金を託した。それを途中から諏訪市が受け継ぎ、ニムラ舞踊賞は現在に至っている。

今まで授賞式は諏訪市の図書館で行われていたが、今回から上諏訪駅前に新しく出来た“テラスすわっチャオ”に変わった。この会場は一般にも開かれた場所であり、通りがかりの諏訪市民にもニムラ舞踊賞の意義がよりいっそう知られるようになった。

式は選考委員の山野博大による選考経過の報告から始まった。ニムラ舞踊賞は、日本の舞踊界で優れた業績をあげた舞踊家、その関係者の中から選ぶ。しかし他の舞踊賞よりもきめ細かく選考の目を配ることで、受賞者の範囲を広げてきた実績を持つ。そして今回は、芸術監督という舞台全体の運営に関わる仕事の果たした業績に着目した。加藤みや子、三谷恭三、稲田奈緒美、長野由紀、山野の5委員が選考にあたり、東京シティ・バレエ団の創立50周年記念公演における『白鳥の湖』再演で藤田嗣治がこのバレエの全幕日本初演のためにデザインした舞台美術の復刻を果たし、ウヴェ・ショルツ作品の上演で古典と現代の有機的統合の成果をあげた安達悦子を選んだのだった。2009年の芸術監督就任以来の日本バレエ界への貢献も選考理由に加味された。

ニムラ舞踊賞に関わるスポンサー企業の紹介があり、運営委員長の金子ゆかり諏訪市長から賞状、賞金、賞牌が贈られた。地元の舞踊家から贈られた花束を抱えた安達の丁重な謝辞があり、式は終了。その後、関係した舞台の映像上映に続き、安達と稲田奈緒美によるトークショーが行われた。この中で安達は、外部に対するバレエ団の働きかけにいっそう力を注ぎ、地元の人たちをはじめ、広く社会全体のためになるよう努力して行くことを約束した。

“ぬのはん”宴会場で、金子市長と受賞者の安達悦子を囲む祝賀会が行われた。ニムラ舞踊賞を諏訪市が引き継ぐ時に力を尽くした山田前市長も出席して、諏訪市醸造の銘酒が行き交うにぎやかな祝宴となり、最後は諏訪湖畔で打ち上げられる花火を見物して散会した。

(山野博大 2019/8/21 上諏訪・テラスすわっチャオ)


jpsplendor at 20:28レポート 
記事検索