January 02, 2019

【ダンス・タイムズがお勧めする 2019年1月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演やイベントをご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1220日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2019年1月公演】


◆Co.山田うん『十三夜』

2019年1月4〜6日(スパイラルホール)

◇2014年に福岡で初演されたカンパニーの傑作小品が4年ぶりに再演される。初演時は、男女13名のダンサーが次々とフォーメーションを変えて織りなす群舞の美しさとソロを踊った伊藤知奈美の存在感、ヲノサトルの音楽と藤田雅彦の照明の妙に息を呑んだ。今回の再演も、カンパニーの充実ぶりを見せつける質の高い舞台になることと大いに期待している。(折田 彩)


◆《ダンスがみたい!新人シリーズ17》

2019年1月4〜15日(d-倉庫)

◇コンテンポラリーダンスの登竜門の一つで、回を重ねて今年は17回目になった。ここへの出演や受賞でキャリアを本格的に始めたり、飛躍の機会とした振付家、ダンサーは少なくないだろう。今年も、9日間にわたり毎日4組、計36組が自分たちの思い、表現、蓄積をからだでぶつけてくる。最終日の15日には新人賞審査委員が選出する「新人賞」と観客投票による「オーディエンス賞」が発表され、受賞者は2019、2020年にフェスティバルで受賞公演を行うチャンスが与えられる。コンテンポラリーダンスの芽が様々に吹き出すのを見てみよう。(稲田奈緒美)


◆《新進舞踊家海外研修員による現代舞踊公演》

2019年1月9、10日(横浜赤レンガ倉庫1号館ホール)

◇池田素子の『Do not fear.』、内田香の『note』、加松あすかの『みち』と、今の日本の現代舞踊の分野で注目すべき舞踊作家3人の新作が並ぶ。(山野博大)


◆笠井叡迷宮ダンス公演『高丘親王航海記』

2019年1月11、12日、24〜27日(ロームシアター京都・サウスホール、世田谷パブリックシアター)

◇澁澤龍彦の遺作にして最高傑作とも言われる『高丘親王航海記』をダンス作品化する。笠井叡が高丘親王を演じるのをはじめ、酒井はな(東京公演のみ)、寺田みさこ(京都公演のみ)、近藤良平、黒田育世、笠井瑞丈、上村なおか他、総勢20名の豪華な布陣には、並々ならぬ意気込みが感じられる。澁澤と親交が深かった笠井が、満を持して挑む幻想譚は是非とも観ておきたい。(吉田 香)


◆新国立劇場バレエ団《ニューイヤー・バレエ》

2019年1月12日〜14日(新国立劇場・オペラパレス)

◇新国立劇場が年明けにガラを上演するようになり4年目。全幕公演では観られない演目が並ぶのが嬉しい。今年はバレエ・リュスの代表作『レ・シルフィード』と『ペトルーシュカ』、そして中村恩恵の新作『火の鳥』の三演目。ペトルーシュカはダンサーを選ぶ個性的な役柄で、奥村康祐が初役で挑む。新年にふさわしい見応えのあるトリプル・ビルになりそうだ。(隅田有)


◆スターダンサーズ・バレエ団《リラックス・パフォーマンス》『白鳥の湖』&『迷子の青虫さん』

2019年1月12、18日(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール、東海市芸術劇場・大ホール)

◇劇場で公演を観るということは、たとえ慣れている人であっても「咳が止まらなくなったら周りの人に迷惑だろうな」「お腹が空いて鳴っちゃったらどうしよう」等々、何かと緊張を強いられるものである。ましてや初めて観る人、障害がある人にとっては敷居が高いと感じるだろう。そうした人の為に、上演の内容は通常通りでも、途中で席を立てたり、音のボリュームが配慮されていたり、劇場が真っ暗にならなかったりすることで、少しでもリラックスした環境で観劇を楽しんでもらおうというのが《リラックス・パフォーマンス》である。スターダンサーズ・バレエ団では2018年2月よりこの取り組みを始めて、回を重ねている。バレエは観てみたいけど、障害などの理由で躊躇して来たという人には、この機会に是非、一歩踏み出して、生で観る公演の醍醐味に触れてみて欲しい。(吉田)


◆石神井バレエ・アカデミー公演《バレリーナ吉田都からのメッセージ》

2019年1月25日(文京シビックホール・大ホール)

◇外崎芳昭と山崎敬子が主宰する石神井バレエ・アカデミーの公演。吉田都がタリオーニを務めた『パ・ド・カトル』の上演から約一年半、今回も吉田を中心とした豪華キャストの舞台が予定されている。今もっとも脂ののったダンサーたちの競演や、ベテラン勢の魅力を堪能したい。(隅田)


◆KAAT神奈川芸術劇場プロデュース公演『出口なし』

2019年1月25〜2月3日(KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ)

◇J.P.サルトルの『出口なし』は、窓と鏡のない室内を舞台にした、登場人物3人(演出によっては案内役を含めた4人)のみの不条理な会話劇だ。設定やセットがシンプルであるがゆえに演出家と役者の力量が試される戯曲で、首藤は2014年にセルフプロデュース公演《DEDICATED》シリーズで、白井晃を演出に迎え、中村恩恵、女優のりょうとこの作品に挑んでいる。この時も、台詞と身体表現のバランス、シャープな動き、三人の張り詰めた空気感が印象的な、上質の作品に仕上がっていた。今回は白井、中村が続投し、新たに女優の秋山菜津子がメンバーに加わる。どのような「他人という地獄」が繰り広げられるのか楽しみだ。(折田)


◆ラ・ダンスカンパニー・カレイドスコープ《カレイドスコープの世界》

2019年1月26、27日(全労済ホール/スペース・ゼロ)

◇二見一幸が主催するラ・ダンスカンパニー・カレイドスコープのダンサーたちのスピーディーな動きと二見の緻密な振付は、スペース・ゼロの天井の高い大きく開かれた空間でもっとも威力を発揮する。(山野)

◆K-BALLET COMPANY 『ベートーヴェン 第九』『アルルの女』

2019年1月31日〜2月3日(Bunkamuraオーチャードホール)

◇2008年に初演された大作を、今回は6年ぶりに再演。第4楽章を、熊川哲也と中村祥子が日替わりで踊る。また、全編上演がカンパニー初となる『アルルの女』は、遅沢佑介&中村祥子、宮尾俊太郎&荒井祐子、益子 倭&毛利実沙子のトリプルキャストだ。ベテランから若手まで、それぞれのペアの作り上げる世界に期待が高まる。(宮本珠希)



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