April 06, 2015

第72回全国舞踊コンクール〈バレエパ・ド・ドゥ部〉

バレエパ・ド・ドゥ部には6組がエントリー。全般的に、柔軟性や技術を強調するあまり音に遅れたり、ムーヴメントの軌道がおざなりになったりと、完成度は今一歩。リフト時のもたつきや回転をサポートする際のタイミングのズレなど、パートナリング面での細かいミスも散見され、1位と3位が該当なしという結果に。2位は芳賀 望(審査対象外)を相手に『コッペリア』第3幕よりスワニルダとフランツのグラン・パ・ド・ドゥを踊った永田瑞穂。長身で恵まれたスタイルや強靭なテクニックからは将来性が感じられる。ややスポーティな印象ではあったが、アピール力も十分。アクセントを効かせたダイナミックな踊りに、今後、繊細な音楽性が加われば、更に磨きがかかるであろう。入賞1は『ドン・キホーテ』第4幕よりキトリとバジルのグラン・パ・ド・ドゥを踊った金 兌潤と間瀬愛実子。序盤は動きに硬さが残り、リフトの直前に踊りの流れが途切れてしまう点が気になったが、金の力強いジャンプや間瀬の艶っぽい表現など、互いの持ち味を引き出すことで、好バランスを生み出していた。続く入賞2の内藤亜仁と北原 光も『ドン・キホーテ』を披露。アダジオでは、所々で息が合わず、若干の焦りも見受けられた。しかしながら、内藤の伸びやかなポーズや北原の手堅い演技で後半は盛り返し、各々が見せ場を作った。ちなみに今年は、審査対象外の芳賀を除くすべての出場者が近畿圏からの参加であった。(宮本珠希 2015/4/1 13:30 めぐろパーシモンホール 大ホール)




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