February 27, 2013

『昭和音楽大学短期大学部音楽科バレエコース平成24年度卒業公演』

幕開けは『白鳥の湖』より第2幕。王子ジークフリードにスターダンサーズ・バレエ団の吉瀬智弘、悪魔ロットバルトに同団の横内国弘を迎えての上演となった。オデット姫の窪田希菜には、儚げな魅力がある。足先や体のポジションなど、改善を要する点も見受けられたものの、癖のない素直な踊りで主役としての役割をしっかりと果たした。吉瀬のサポートにも安定感が見られ、ふたりのバランスも好相性。コールド・バレエも健闘したが、飛ぶパの着地や、ドゥミ・ポアントで走る際の足音が若干気になった。次の『花のワルツ』では、息の合った群舞の動きが、舞台に一層の華やぎをもたらした。続く『パリの炎』グラン・パ・ド・ドゥは、兼城将のパフォーマンスが際立った。柔軟な肢体を活かした、高く、しなるようなラインの跳躍が持ち味で、十分に訓練された足先も美しい。明るくエネルギッシュな躍動に、何度も会場が沸いていた。他にも、『ドン・キホーテ』よりセギディリアでは、キャラクター・ダンス独特のステップや体の使い方を習得した踊り手達が、メリハリの利いた気風のよいダンスを披露。能美健志構成・振付の『from point to point』も、ピアノの生演奏に合わせて、刻々と変化するフォーメーションや動きの緩急を、高い集中力で踊ってみせた。ラストは鈴木稔振付の『卒業舞踏会』。鮮やかな回転を得意とする中村友子を中心に据えながら、ダンサーひとりひとりが、生き生きと等身大で演じていた。2年間の集大成に相応しいプログラムを踊り納めた彼らの飛躍を願う。(宮本珠希 2013/2/17 15:00 テアトロ・ジーリオ・ショウワ)



piyopiyotamaki at 03:00短評 
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