August 05, 2011

バレエスタジオえるどえる:第18回発表会

  狭間裕子が主宰する《バレエスタジオえるどえる》の第18回発表会が『シンデレラ』全幕他のプログラムで行われた。最初は「バレエ・コンサート」の8作品。発表会の多くにありがちな、出演する子どもたちのかわいらしさだけでアピールしようとする見え透いたやり方とは無縁な、きちんと仕上げられた舞台が続いた。それはこのスタジオの指導の確かさの証しだった。
 指導にあたる狭間裕子とその娘の狭間祥子は、共に牧阿佐美バレヱ団の出身なので、バレエのスタイルに一貫性がある。ひとつひとつの踊りを完結させて、観客にその良さを明らかに示すという基本のところがしっかり出来ている。狭間祥子は牧阿佐美バレヱ団で、現役のバレエ・ミストレスという舞台のまとめ役をやっている。そのようなポジションにつける能力、知識は、母親から受け継いだものが大きいと思われる。「バレエ・コンサート」の最後に狭間祥子振付の『ピアノコンツェルト(ラヴェル)』が上演された。富貴塚彩香、京當侑一籠を芯に据え、ソリスト、コール・ド・バレエを配した安定感のある舞台は、ステップの緻密な集積で見せる内容だった。
 『シンデレラ』は狭間裕子の演出、振付で、シンデレラ役は第1幕を遠藤綾佳、第2幕を中村里紗、第3幕を古川京佳が分担して踊るという、いかにも発表会らしい配役での上演。しかし王子の京當侑一籠、継母の大木槙子、義理の姉の宮喜風果と長谷部瑠美が全幕を通して踊ったので、ストーリーは支障なく進んだ。ここでも個別の踊りの仕上がりの良さが印象に残った。《バレエスタジオえるどえる》では、男性のゲストを使えば、全幕ものを上演できるだけの人材を育てている。(山野博大 2011/08/03 17:00 グリーンホール相模大野)



emiko0703 at 08:06短評 
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