April 26, 2011
まよい句会
舞踊関係の俳句好きが集まる《まよい句会》の久しぶりの句会が、神楽坂の寿司作で行われた。
このところずっと会場として使っていた寿司作さんが、この4月で店を閉めるということを聞き、急きょ集まることにしたのだ。最近の神楽坂は、若者向きの店が多くなり、昔ながらの落ち着いた、しかもお値段も手ごろなお店が、しだいに少なくなってしまうのはまことに残念なことだ。
この日の参加者は、雑誌「舞踊藝術」社長の井上道代氏、バレエの雑賀淑子氏、評論の藤井修治氏、現代舞踊の岡村えり子氏、評論の國吉和子氏、中国現代舞踊の大谷けい子氏、現代舞踊の藤里照子氏、雑賀氏友人の桜町多恵氏と植村ゆか氏、そして小生の10名。欠席だったが句を届けてきたのは、衣裳デザイナーで山口県在住の光尾秀氏と現代舞踊の平岡一路氏の2名だった。
会員には、事前に「山桜」「白子干し(ちりめんじゃこ、ちりめん)」「春の海」という三つの題が出ていて、三句以上を提出することになっており、今回は約40句が集まった。
作者の名前を伏せて句を書き並べた「清記」を出席者に回覧して、ベスト5の「選句」を行った。東日本大震災の後だったせいで「ブッたたくぞお前はバカだ春の海」(雑賀鈴水)、「荒ナマズ里ひと呑みに春の海」(國吉豆猫)といった句も。
厳正な選句の結果、藤里照子氏の「災害(わざわい)を知らぬが如き春の海」が寿司作サヨナラ句会のトップに輝いた。長らくお世話になった寿司作さんへは、会員がその場で作った「花過ぎて一期一会の滋味なりき」等の句を贈り、会を終えた。(山野博大 2011/04/18 神楽坂・寿司作)