September 20, 2010

上海万博・上海国際芸術祭記念・日中友好舞踊歌劇『木蘭 ムーラン』

『木蘭』は、中国で1,500年も前から語り継がれてきた物語。美しい娘が男装して祖国のために闘うお話は多くの人たちに知られている。それを日本人にとってもわかりやすい、エンターテイメントに仕立て上げ たのは、上田遥だった。そして木蘭の役は世界的に名前を知られる中国人ダンサー福豆豆が演じた。男性に女性の役をやらせ、それを男装で登場させるという二 重の変わり身のおもしろさをねらったのだ。
木蘭たち兵隊の指揮にあたり、颯爽たる武将ぶりを示す賀延玉には宝塚出身の真琴つばさを 起用し、男装の麗人の妖しい魅力を女性を演ずる黄豆豆の軽やかな動きに対置した。男性ダンサーの新上裕也、上島雪夫、古賀豊、大貫勇輔をはじめ、ストリー ト系のダンサーたちも使い、迫力ある戦闘シーンを作り上げ、大きな見どころとした。また戦場に平和をもたらす鳳凰の役に、寺島ひろみと若生加世子のバレ リーナ二人を起用して、花を添えた。
日中友好作品『木蘭』では、かつて日本で踊り、アクロバチックな演技で注目を集めた顔安が、日中両国の舞踊界に通じていることを生かして、コーディネーターとしての大きな役割を担った。(山野博大 2010/09/04 19:00 東京芸術劇場中ホール)




emiko0703 at 20:57短評 
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