公演情報

May 31, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、520日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年6月公演】


◆世田谷パブリックシアター開場20周年記念公演 勅使川原三郎『ABSOLUTE ZERO 絶対零度 2017』

2017年6月1〜4日(世田谷パブリックシアター)

◇創造型公共劇場のフロントランナーとして、伝統芸能、演劇、コンテンポラリー・ダンスの各分野で革新的な作品を生み出し続けてきた世田谷パブリックシアターが、今年開場20周年を迎える。この開場20周年記念公演として、19年前のオープニングシリーズで上演された勅使川原の作品が再演されることとなった。この20年間、日本と世界の舞台シーンで活躍し続けてきた劇場とダンサーが再びタッグを組み、伝説的な作品の再演に挑む。単なる再演ではなく新たな趣向を織り交ぜた改定上演となるとのこと。初演を見た方も見ていない方も、新たな20年の始まりに立ち合おう。(折田 彩)


◆歌舞伎座《六月大歌舞伎》昼の部より『澤瀉十種の内 浮世風呂』

2017年6月2〜26日(歌舞伎座)

◇市川猿之助家の得意とする芸「澤瀉十種」の一つ。風呂屋の男三助となめくじが織りなすユーモラスな踊りだ。三助は湯を沸かしたり、客の背中を流すなどのサービスをする職。本作では、そのキビキビと働く三助に惚れたのがなめくじで、女の姿になって現れて、クドキにかかるが、三助は気味悪がって塩をかけてしまう…。四代目市川猿之助は今回で二度目の三助。かつて三代目猿之助を相手になめくじを勤めたこともあり、それらの経験が活かされ、要所を押さえた舞踊が楽しめることだろう。なめくじの中村種之助は初役。若手の実力派の踊りも大いに期待がもてる。江戸の風呂屋の風俗とユーモアが洒落た一曲。なめくじが踊るという趣向は、古今東西珍しいのではないだろうか。(阿部さとみ)


◆ボリショイ・バレエ『ジゼル』『白鳥の湖』『パリの炎』

2017年6月2〜18日(東京文化会館・大ホール、広島文化学園HBGホール、びわ湖ホール・大ホール、仙台・イズミティ21大ホール、フェスティバルホール)

◇今年は、1957年のボリショイ・バレエ初来日からちょうど60年という節目にあたる。これぞロシアというクラシック、『ジゼル』と『白鳥の湖』(ともにユーリー・グリゴローヴィチ版)は言わずもがな、観ておきたいのはアレクセイ・ラトマンスキー版の『パリの炎』だ。超絶技巧のパ・ド・ドゥはガラ公演でおなじみだが、全幕を観られるのは貴重である。フランス革命へと進む民衆のエネルギーとそれとは対照的に富を貪る貴族の優雅さという時代背景をダイナミックに魅せるだけでなく、個々の登場人物に寄り添ったドラマをきちんと描くのがラトマンスキーならではで、ボリショイ・バレエのキャラクターにぴったりの作品だ。あのパ・ド・ドゥは全幕で観てこそ、感慨深い。観客全体を巻き込んで高揚感で満たすラトマンスキーの世界を味わいたい。アレクサンドロワ、ルンキナ、オシポア等々、次々と看板ダンサーが去って寂しさが拭えない布陣だが、昨年舞踊監督に就任したマハールベク・ワジーエフの新体制に期待したい。(吉田 香)


◆法村友井バレエ団創立80周年公演 第16回アルカイック定期公演『ジゼル』『グランドホテル』

2017年6月4日(尼崎市総合文化センターあましんアルカイックホール)

◇法村友井バレエ団が『ジゼル』を上演するのは5年ぶり。前回に引き続き、今回も法村珠里がジゼルを踊る。2015年の『アンナ・カレーニナ』で芸術祭優秀賞を受賞した法村珠里の演技に注目。また『グランドホテル』は、1979年にジャン・ブラバンの振付によりベルギーで初演されたもの。1932年封切りのグレタ・ガルボ、クラーク・ゲープル主演の映画『グランド・ホテル』が元になっている。法村友井パレエ団は、2004年の日本初演以来、3 回目の上演だ。 (山野博大)


◆バレエ鑑賞普及啓発公演〜ようこそ素晴らしきバレエの世界へ〜《バレエ・プリンセス〜バレエの世界のお姫様たち〜》

2017年6月4日、7月20日(本多の森ホール、新宿文化センター・大ホール)

◇『白雪姫』『シンデレラ』『眠れる森の美女』という3大プリンセス物語をひとつの作品として描いた同作は、昨年に引き続き今回が2度目の上演となる。伊藤範子の巧みな演出・振付や、新国立劇場バレエ団プリンシパルの米沢 唯、同団ソリストの池田理沙子、木村優里を始めとする豪華キャスト陣の共演は大きな見どころだ。バレエ鑑賞初心者からコアなファンまで楽しめる充実の舞台を期待したい。(宮本珠希)


◆《横浜バレエフェスティバル2017》

2017年6月9、10日(神奈川県民ホール・大ホール)

◇このフェスティバルは海外で活躍する日本人ダンサーをメインに据えたガラ公演だが、芸術監督の遠藤康行の卓抜したディレクションにより、他の数多あるガラ公演とは一線を画す内容となっている。今年の目玉は何と言っても、マッツ・エック振付『ジュリエットとロミオ』のバルコニーのパ・ド・ドゥだろう。この日本初演となる作品を、長年ネザーランド・ダンス・シアターで活躍し、エックの舞踊言語を熟知している湯浅永麻が披露する。他にもシディ・ラルビ・シェルカウイ、ジョゼ・マルティネズらの作品が上演される。横浜で世界の今を感じてほしい。(折田)


◆熊川哲也K-BALLET COMPANY Spring 2017『ジゼル』

2017年6月23〜25日(東京文化会館・大ホール)

◇この6 月は『ジゼル』が多い。ポリショイ ・バレエ、新国立劇場バレエ、法村友井パレエ団、そして熊川哲也K バレエカンパニーと続く。熊川哲也K バレエカンパニーは、2013 年 6 月以来の上演。今回は、ジゼルを荒井祐子と中村祥子が踊る。ベテラン荒井の出演は急きょ決まったもの。中村の『ジゼル』全幕はたぶん初めてだと思う。どちらも見たい。(山野)


◆新国立劇場『ジゼル』

2017年6月24日〜7月1日(新国立劇場・オペラパレス)

◇今月は『ジゼル』の当たり月。出演者によって大きく印象の異なる作品だけに、それぞれの公演でダンサーの魅力を見比べたい。演出に目を向けると、新国立劇場版は照明に特色がある。一幕はジゼルの心情と日暮れが重なり、ジゼルが狂気に転じた瞬間、照明もまた変化する。まるでジゼルの見ている世界を体験するような、不思議な照明マジックだ。劇場芸術ならではの面白みに溢れる舞台をご堪能あれ。(隅田有)


◆チャイコフスキー記念東京バレエ団『ラ・バヤデール』

2017年6月30日〜7月2日(東京文化会館・大ホール)

◇マカロワ版はテンポが良く、ラストの屋台崩しまでしっかりと描く。クラシック・バレエとしての見せ場に加え、三幕の結婚式がドラマチックで面白い。おもわくの異なる主要キャラクターたちが同時に踊る場面は、さながらオペラの多重唱のように盛り上がる。昨年夏に開催された《バレエの王子さま》で色気たっぷりのソロを踊った、ダニエル・カマルゴがソロル役にゲスト出演。ストーリーに絡む重要な役が多く、演技力の求められる作品ゆえに、東京バレエ団らしい息の合ったステージが見られるだろう。(隅田)


◆映画『ザ・ダンサー』

2017年6月3日より公開

◇アメリカから19世紀末に現れた3人の女性が、モダンダンスの礎となった。3名のうち、イサドラ・ダンカン(1877-1927)はバレエ作品や映画にもなって大きく名を遺し、ルース・セント・デニス(1879-1968)はデニショーン舞踊団として国内外で公演を行っており(1925年には来日公演)、おおよその様子はわかる。一方、ロイ・フラー(1862-1928)は衣装の布を大きく振り回して踊る写真や、フォリー・ベルジュールのポスター、衣装に投影する色彩照明を発明したことなど、断片的に知られるのみ。そのロイ・フラーの伝記を基に映画化したのが本作だ。映画としてのエンターテイメント性を高めるために、フィクションも多く加えられているが、彼女のダンスと人生を美しく、時に苛酷に描きながら、モダンダンスという新しい芸術を切り拓いていった女性の生きざまを描いている。ロイ(ミュージシャン・女優のソーコ)とイサドラ(美貌のリリー=ローズ・デップ)の確執も興味深い。監督・脚本のステファニー・ディ・ジューストが女性ならではの鋭く繊細、かつ大胆で残酷な描き方でロイとイサドラを蘇らせた。(稲田奈緒美)




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May 01, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、420日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年5月公演】


◆芸劇dance ローザス『ファーズ‐Fase』/ローザス&イクトゥス『時の渦-Vortex Temporum(ヴォルテックス・テンポラム)』

2017年5月2〜13日(東京芸術劇場プレイハウス、名古屋市芸術創造センター、愛知県芸術劇場大ホール)

◇ヨーロッパのコンテンポラリーダンス界の第一線を走り続けるローザスが来日し、二作品を上演する。一作はローザスが1983年に設立される前年に、主宰者のアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルによって発表された『ファーズ-Fase』。スティーヴ・ライヒのミニマル音楽を視覚化する構成とムーヴメントを淡々と反復しながら、徐々に微かな差異やうねりが積み重なり、理知的かつ陶酔的なダンスが出現する。ローザスの原点ともいうべき作品で、日本では15年ぶりの上演。ケースマイケル自身が踊る。もう一作は、フランスの作曲家ジェラール・グリゼーが1996年に発表した『時の渦-Vortex Temporum』にケースマイケルが振り付けた同名曲。舞台上で演奏する現代音楽のアンサンブル・イクトゥスのミュージシャン7名にダンサー7名が呼応し、音とダンスによって“時の渦”が現出する。(稲田奈緒美)


◆歌舞伎座《団菊祭五月大歌舞伎》より『弥生の花浅草祭』

2017年5月3〜27日(歌舞伎座)

◇今回の『弥生花浅草祭』は坂東亀寿改め坂東亀蔵の襲名披露の演目。尾上松緑と亀蔵、充実する年頃を迎える二人の競演に期待が高まる。同作は三段返しの舞踊で、「神功皇后と武内宿彌」「三社祭」「通人と野暮大尽」「石橋」と展開する。中でも「三社祭」は単独でも上演される人気曲。二人の漁師が踊って踊って踊り抜く、歌舞伎舞踊には珍しく一曲を通じて、躍動感がある楽しい作品だ。体力と技術とが要求されるこの曲を、息の合った二人がエネルギッシュに見せてくれることだろう。(阿部さとみ)


◆ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017《ラ・ダンス 舞曲の祭典》

2017年5月4〜6日(東京国際フォーラム)

◇ゴールデン・ウィーク恒例の、大人気音楽イベント。今年のテーマは"舞曲の祭典"。主要6会場には"ニジンスキー""パヴロワ""ダンカン""バランシン""ガデス""ヌレエフ"と、馴染み深い名前が付けられている。バレエファンに親しみのある作曲家で名を連ねるのはチャイコフスキー、ストラヴィンスキー、ショパン、ラヴェルなど。アダンやミンクスがいないのは(悲しいけれど)諦めるとして、プロコフィエフやペルトもいないなぁ。演目は多様で、タンゴやパッサカリアなどなど、舞踊にまつわる様々なプログラムが上演される。なお既に売り切れているコンサートもあるのでご注意を。(隅田有)


◆シアターχレパートリー劇場《TRY TO THE IDTF》

2017年5月4,6,7日(東京・両国 シアターχ)

◇シアターχの自主プロデュースで1994年より隔年に開催している下町の小さな国際芸術祭(International Dance & Theater Festival: IDTF)。今回は開催年には当たらないが、これまでに発表してきた作品を再構築したり、過去に取り上げたテーマに改めて取り組んだりして、今迄のIDTFにTRYしようという試みで、11作品が上演される。ダンス、演劇とジャンルを問わず、きらりと光る作品を生み出してきた劇場の歴史を見られる三日間とも言えるだろう。(吉田 香)


◆静岡ストリートシアターフェス《ストレンジシード》

2017年5月5〜7日(静岡市・駿府城公園、静岡市街地)

◇《ストレンジシード》は、日本を代表する演劇祭のひとつである《ふじのくに⇄せかい演劇祭》のフリンジ企画としてスタートした野外芸術祭である。昨年もカンパニーデラシネラ、東京ELECTROCK STAIRSら豪華な顔ぶれだったが、今年も森山開次×ひびのこづえ×川瀬浩介、off-Nibroll、康本雅子+ミウラ1号等々、選りすぐりのラインナップを揃えてきた。しかも観覧はすべて無料。アルコールやジェラートを手に晴れた駿府城公園で観るパフォーマンス。控えめに言っても最高の休日だと思わない?(折田 彩)


◆新国立劇場バレエ団公演『眠れる森の美女』

2017年5月5〜13日(新国立劇場・オペラパレス)

◇バレエの役に「披く」という概念があるとすれば、クラシックバレエのスタイルの体得と、主役としての存在感が求められるという点で、オーロラ姫は間違いなくそのような役の一つだろう。本作は2014年に続く、ウエイン・イーグリング版。指揮はアレクセイ・バクラン。東京フィルハーモニー交響楽団の動物の鳴きまねは絶品で、本公演でも三幕で見事な「ニャオ」や「ガオー」が聞けるだろう。(隅田)


◆笠井叡『花粉革命』

2017年5月5〜7日(シアタートラム)

◇2002年のシアタートラムで笠井叡が『花粉革命』を踊った。前年に亡くなった中村歌右衛門へのオマージュだと語っていたように記憶しているが、「娘道成寺」の鬘と着物で昭和の名女形をからだに乗りうつらせ、しかし笠井流の自在な即興で踊り客席を圧倒した。その後、海外での上演機会も多かったそうだが、それを今回は息子の笠井瑞丈が踊る。近年、ダンサー、振付家として進境著しい瑞丈が父と、父の作品を乗り移らせ、そこから自身の世界を創りあげるのだ。舞踊家と作品がいかに変化(へんげ)するか、大いに期待したい。(稲田)


◆国立劇場5月舞踊公演《名作歌舞伎舞踊》

2017年5月27日(国立劇場・大劇場)

◇中堅実力派が顔を揃え、歌舞伎舞踊の名作を披露する。隈取をした化粧やキマリを誇張した見得など、いかにも歌舞伎!といった要素が詰まった『根元草摺引』(西川箕乃助と市川ぼたん)。続く『流星』と『雷船頭』は雷つながり。『流星』(若柳吉蔵)は流星が雷夫婦の喧嘩を物語り、夫、妻、子ども、婆の四役を演じ分けるのが眼目。続く『雷船頭』は雷つながり。雷が落ちて、船頭(市山松扇)と色模様などを繰り広げる。野暮な雷と粋な船頭の対比にユーモアが漂う。『積恋雪関扉』は天明時代の舞踊の大らかさのある名作。逢坂山の関守関兵衛は実は天下を狙う大悪人大伴黒主。関兵衛に恋をしかける傾城(位の高い遊女)は実は黒主に恨みを持つ桜の精という奇想天外な内容ながら、長年歌舞伎ファンに愛されてきた作品だ。国立劇場主催公演では七年ぶりの上演。それだけに日本舞踊家が手がけるのが難しい曲だが、花柳基の黒主、水木佑歌の墨染桜の精、花柳寿楽の良岑少将宗貞、藤間恵都子の小野小町姫と、花も実もある演者の競演により、見応え十分の舞台となることだろう。(阿部)



◆大駱駝艦壷中天公演『宮崎奴』

2017年5月27〜6月4日(壷中天)

◇今、大駱駝艦は女性舞踏手がアツイ。ベテランの我妻恵美子と鉾久奈緒美が続けて優れた作品を発表し、出演した女性陣は麿の作品で見せる以上に生き生きとした輝きを放っていた。これらの作品でもコケティッシュな魅力を見せた齋門由奈が、今回初の振鋳に挑む。先輩達の胸を借りて自分なりの世界を作ってくれると期待している。(折田)


◆ダンスワークス設立40周年記念 Dance Works Dance Collection 2017

2017年5月28日(杜のホールはしもと)

◇野坂公夫と坂本信子が主催するダンスワークスの設立40周年の記念公演では、1981年初演の『寝る』、1991年初演の彼らの代表作『闇のなかの祝祭』、2016年初演の『runway』の再演が行なわれる。彼らの創るダンスは、自ら《ソフトクラシカル》と名付けた軽快な群舞の展開であることが多い。2011年に上演した『Romances sans paroles 無言歌』は、その頂点に位置する一本だった。今回は、他に新作の『光の丘〜降りてきた星たち〜』が上演される。野坂・坂本の「今」を見届けようと思う。(山野博大)



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March 31, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、320日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年4月公演】


◆ダンス専科2017

2017年4月1日(セッションハウス)

◇セッションハウス主催のこの公演は、野和田恵里花、松本大樹、伊藤直子、JOU、平原慎太郎、坂東扇菊、笠井瑞丈、上村なおか、太田ゆかりら、気になる人たちの作品を見せてきたダンス・シリーズ。今回は、太田ゆかり、笠井瑞丈、平原慎太郎、坂東扇菊の4作品が並ぶ。彼らの最近の動向をまとめて見ておきたいという人向きの便利な公演だ。(山野博大)


◆歌舞伎座《四月大歌舞伎》夜の部より『三代猿之助四十八撰の内 奴道成寺』

2017年4月2〜26日(歌舞伎座)

◇『奴道成寺』は『京鹿子娘道成寺』のパロディで、男性の狂言師が主人公。『京鹿子娘道成寺』の歌詞をほとんどそのままに、彩り豊かに展開する。三代目猿之助が得意としたこの作品を、当代の猿之助が継承。見どころは、おかめ(遊女)大尽(客)、ひょっとこ(太鼓持)の三つの面を使い分けて、廓の恋模様を見せる場面で、猿之助の鮮やかな踊り分けに期待が高まる(阿部さとみ)


◆『SINGIN’IN THE RAIN 〜雨に唄えば〜』

2017年4月3〜30日(東急シアターオーブ)

◇アダム・クーパーとウェストエンドの実力派達が繰り広げる極上のエンターテインメント作品、『SINGIN’IN THE RAIN』が帰ってくる!原作の映画の世界観を丁寧に再現したジョナサン・チャーチの演出と、立体的かつスピード感溢れるアンドリュー・ライトの振付、そしてアダム・クーパーの軽やかなステップを堪能してほしい。きっと晴れやかな心で劇場を後にするはずだ。(折田 彩)


◆NHKバレエの響宴 2017 

2017年4月8日(NHKホール)

◇国内バレエ団が勢揃いし、それぞれの特色を存分に堪能できるラインアップが魅力の豪華な公演。2014年以降は毎年新作も上演されており、今回は、ドイツ・レーゲンスブルク歌劇場ダンスカンパニー芸術監督の森優貴による『死の島-Die Toteninsel(仮)』を貞松・浜田バレエ団が初演する。他にも、井上バレエ団による『ナポリ』、牧 阿佐美バレエ団の『眠れる森の美女』、新国立劇場バレエ団による『テーマとバリエーション』と、ロマンティック・バレエから現代作品に至るまでの歴史を紐解くかのような演目構成に期待もいっそう高まる。(宮本珠希)


◆イゴール&モレーノ『イディオット・シンクラシー』

◇4月19−20日(渋谷区文化総合センター大和田伝承ホール)

イゴール&モレーノが『イディオット・シンクラシー』という公演を行うらしい。チラシ、ウェブから入手できる情報はごくわずかで、筆者も未見。でもなんだか気になる。スペイン、バスク出身の元俳優・歌手のイゴールと、北イタリア出身の元社交ダンサーのモレーノが、なにやら人を食った、でもいつの間にか楽しくなって飛び跳ねたくなるような、不思議な作品を披露してくれるようだ。ロンドンのコンテンポラリーダンス界は、このように世界中から集まったユニークな才能が出会い、新たな作品が生まれる場所。ここ数年で頭角を現した彼らの日本初公演を見てみたい(稲田奈緒美)


◆国立劇場舞踊・邦楽公演《明日をになう新進の舞踊・邦楽鑑賞会》

2017年4月22日(国立劇場・小劇場)

◇毎年恒例の「明日をになう」新進による公演の舞踊は『藤娘』と『保名』。ともに古くからあった舞踊を、昭和と大正に六代目尾上菊五郎が、時代の好みを取り入れ近代に蘇らせた。『藤娘』は藤蔭静寿が女性ならではの美しい身体のラインをもって娘の恋心を綴り、『保名』は昨年、日本舞踊協会新春舞踊大会で最優秀層を受賞した花柳寿美藏が、青年の恋の喪失を描く。フレッシュな二人があこがれの演目に挑み、絵のような舞踊を見せてくれることだろう(阿部)


◆フィンランド国立バレエ団『たのしいムーミン一家〜ムーミンと魔法使いの帽子〜』《北欧バレエ・ガラ》

2017年4月22〜25 日(Bunkamuraオーチャードホール)

◇フィンランド国立バレエ団が、世界中で話題のムーミンシリーズの最新作を携えて初来日を果たす。公演は二部構成で、第一部は『たのしいムーミン一家〜ムーミンと魔法使いの帽子〜』、第二部はバレエ団のレパートリーから厳選した《北欧バレエ・ガラ》が上演される。『たのしいムーミン一家』を振り付けた芸術監督のケネス・グレーヴはデンマーク人で、同国出身の童話作家、アンデルセンの『人魚姫』や『雪の女王』等、童話のバレエ化を多く手掛けている。彼の手によりムーミンの世界が生き生きと舞台上に表れることに期待したい。(折田)


◆勅使川原三郎/KARAS『トリスタンとイゾルデ』

2017年4月26〜30日(東京・両国シアターΧ)

◇昨年6月は荻窪のカラス・アパラタスから次々と上質な作品が生まれた。そのうち『白痴』は昨年12月にシアターχで再演され、今回は待望の『トリスタンとイゾルデ』である。初演の好評を表すように、イタリアでの上演も決定したという。あの小さなスペースから生まれたスケールの大きい愛の物語が、どのようにパワーアップして蘇るのだろうか。(吉田 香)


◆谷桃子バレエ団『師の命日に贈る〜過去・現在・未来

4月26日(洗足学園大学・前田ホール)

◇戦後の日本バレエ界を代表するバレリーナだった谷桃子が94歳で亡くなったのは、2015年4月26日のことだった。その命日に、弟子たちが彼女の《過去・現在・未来》を舞台の上に蘇らせようという公演だ。谷桃子が創った『ロマンティック組曲』が再現される。この作品は2014年の《谷桃子バレエ団・創作バレエ・8古典と創作》で、谷桃子自身の目によって確かめられ、再演されたもの。1970年代に創作された舞台を味わいつつ、大バレリーナ谷桃子の在りし日の姿を偲びたい。(山野)


◆東京バレエ団 子どものためのバレエ『ドン・キホーテの夢』(上野の森バレエホリディ)

4月29,30日(東京文化会館)

◇技あり笑いありの『ドン・キ』を子供向けにアレンジした、休憩込みの約90分の作品で、対象は4歳以上。27日から開催される『上野の森バレエホリディ』の一環で、こちらは裏方の仕事が体験できたり、初心者向けのバレエレッスンがあったりと、舞台の魅力が色々な角度から味わえる。GW序盤のお出かけにもってこいの、大人も子供も楽しめる一本だ。(隅田有)



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March 01, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、222日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年3月公演】


◆パリ・オペラ座バレエ団2017年日本公演『ラ・シルフィード』《グラン・ガラ》

2017年3月2〜5、9〜12日(東京文化会館・大ホール)

◇オレリー・デュポンが芸術監督就任から始めてのオペラ座来日公演。全幕作品はラコット版『ラ・シルフィード』が上演される。バレエ作品に妖精はたびたび登場するが、一度死んだ人間が蘇るジゼルのようなタイプとは異なり、シルフィードは生まれながらの(?)妖精だ。優しさと気難しさを兼ね備えた、人間とは全く異なる雰囲気を、オペラ座のダンサーたちはどのように表現するのだろうか。《グラン・ガラ》は前芸術監督ミルピエ振付の『ダフニスとクロエ』他2作品の上演が予定されている。(隅田有)


◆児玉北斗『TRAGEDY 1769』- OPEN SITE 2016-2017 Project A〈公募プログラム〉

2017年3月2〜5日(トーキョーワンダーサイト本郷) 

◇クラシックなバレエダンサーとしてスタートし、スウェーデン王立バレエ団のファーストソリストとして活躍する児玉北斗。現在は休団して、コンテンポラリーダンスの出演、振付、そして音楽まで手掛るなど活動の場を広げている。彼が“コレオグラフィック・パフォーマンス”と称して、大きな額縁舞台とは異なる小スペースでの公演を行う。テーマは「エコロジーとは一体何なのか。節約?それとも自然への愛?」と、ダンサーというより思想家風。一体何が起こるのか、目撃しなくては。(稲田奈緒美)


加藤みや子ダンススペース50周年記念公演『白い壁の家』

2017年3月9、10日(成城ホール) 

◇加藤みや子が1992年6月に上演した『白い壁の家』の再演が行なわれる。これはガルシア・ロルカの三大悲劇のひとつ「ベルナルダ・アルバの家」の舞踊化だ。そこに、加藤の最初の舞踊の先生だった森嘉子が登場する。森はモダンダンスの歴史に名前を残した名ソロダンサー彭城秀子の弟子だった人。加藤みや子はかつて藤井公・利子の舞踊団でトップを踊っていた。森・加藤の師弟饗宴に期待。(山野博大)


◆ 夏木マリ 印象派NEO vol.3『不思議な国の白雪姫』

2017年3月9〜12日

◇女優の夏木マリが主宰する、“コンセプチュアルアートシアター「印象派」”。これまで「赤ずきん」や「シンデレラ」をモチーフに11作品を創り、上演してきた。ところが今回は、「不思議の国の白雪姫」というタイトルで、シンプルな童話とは異なる、ユニークな視点で創作される。振付を任されたのは、イデビアン・クルーの井出茂太、国際的なコンテンポラリーダンサー小㞍健太、DAZZLEの長谷川達也、東京ゲゲゲイの牧宗孝。その名前を見ただけで、舞台を見たくなる面々だ。夏木マリのコンセプトと彼らの個性のぶつかり合いがどんな世界を生み出すか、興味津々だ。(稲田)


◆ ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡〜最後のクラシック・ガラ〜

2017年3月16日〜20日(東京文化会館大ホール)

◇世界中で愛され続けている大プリマ、ニーナ・アナニアシヴィリのクラシック・バレエ最後となるガラ公演。初来日から約30年、日本でも圧倒的な人気を誇り、多くの観客を魅了してきた。今回は、自身が芸術監督を務めるジョージア国立バレエ団を率いてふたつのプログラムを上演。またゲストとしてABTのマルセロ・ゴメスとボリショイ・バレエのアレクサンドル・ヴォルチコフが登場する。人々を惹き付けて止まない大輪の花のような華やかさとダイナミズムを、目に焼き付けたい。(宮本珠希)


◆ 中村恩恵×新国立劇場バレエ団『ベートーヴェン・ソナタ』

2017年3月18、19日(新国立劇場中劇場)

◇2011年に『Shakespeare THE SONNETS』で新国立劇場の舞台に首藤康行と共に登場し、大きなインパクトを与えた中村恩恵だが、こんどはその振付を新国立劇場バレエ団のダンサーたちが踊る。中村が出ない中村作品ははたしてどんなものになるのだろうか。その正解を確認したい。(山野)


◆ カンパニーデラシネラ 白い劇場シリーズ最終年 第3回公演『小品集』

2017年3月24〜31日(浅草九劇)

◇白い劇場シリーズは、小野寺と藤田以外の固定メンバーを持たずに活動を続けてきたカンパニーデラシネラが3年限定で立ち上げた育成型カンパニーである。一昨年発表した『分身』、昨年発表の『椿姫』は共に、大胆に再構成した古典のテキストと立体的なアンサンブル構成、スピード感溢れる密度の高いダンスが合致し、大きな成果を上げていた。3年目の最終年となる今年は、古典ではなくノゾエ征爾や山口茜の手によるオリジナルの短編戯曲に挑む。着実に力をつけてきた若いメンバー達の一層の飛躍に期待したい。(折田 彩)


◆2017都民芸術フェスティバル スターダンサーズ・バレエ団《バランシンからフォーサイスへ 近代・現代バレエ傑作集》

2017年3月25、26日(東京芸術劇場・プレイハウス)

◇都民芸術フェスティバルでは毎年各バレエ団が趣向を凝らした作品を上演するが、今年のスターダンサーズ・バレエ団はバランシンとフォーサイス作品のトリプル・ビルという上質な企画公演を披露する。観客は、バランシンとフォーサイスを続けて見ることで、バランシンがクラシック・バレエのテクニックを拡張し、フォーサイスが更にアップデートしたことを理解できる。ダンサーにとっても、バランシンとフォーサイスのメソッドを習得できるまたとない機会であり、このチャンスを最大限活かしてほしい。(折田)


◆国立劇場開場50周年記念 舞踊名作鑑賞会

2017年3月25、26日(国立劇場小劇場)

◇国立劇場開場五十周年の掉尾を飾る公演。重鎮による流派の伝承曲や得意とする作品などが素踊りや衣裳付で上演される多彩な企画。花柳寿南海『黒髪』、西川扇藏『猿舞』の人間国宝による抑制された動きの中の表現力。市山松翁、松扇の大らかな狂言味ある『子宝三番叟』。椀久の物狂いを一人で描く若柳宗樹の『椀久道行』。坂東勝友『お祭り』の江戸の香り。猿若清方、清三郎のほのぼのとしてちょっと切ない『峠の万歳』。藤間勘左の滋味ある『斧琴草』。市山七十世『うしろ面』は後頭部に狐の面をつけ、前で尼僧を、後ろで狐を演じる趣向の妙味。静御前と知盛を演じ分ける若柳寿延の『静と知盛』。花柳寿美の毅然とした『賤の苧環』。尾上墨雪、菊紫郎のドラマティカルな『綱館』。泉徳右衛門の端正な『菊慈童』、若柳吟、吟寿々師弟が男女の素踊りとして描く『柏の若葉』、五條珠實、藤蔭静枝の美しい恋の夢『二人椀久』。藤間藤太郎、勘太郎、勢之助の格調高い一中節『道成寺』と充実した内容が大いに期待できるラインナップだ。(阿部さとみ)


◆東京シティ・バレエ団《TOKYO CITY BALLET LIVE 2017》

2017年3月30、31日(ティアラこうとう)

◇クラシックから現代舞踊の小品、コンテンポラリーまで幅広いレパートリーが人気の《TOKYO CITY BALLET LIVE》。今年はトリプルビルで行なわれる。クラシックからはプティパ版を芸術監督の安達悦子が再振付した『パキータ』を上演する。コンテンポラリーからは2作品。『譜と風景』は、ベジャールやフォーサイス等のカンパニーでダンサーとして活躍し、現在はフリーの振付家として様々な分野のアートとコラボレートしているアレッシオ・シルヴェストリンによる邦楽にのせたデュオである。注目は、ウヴェ・ショルツによる『Octet』(日本初演)だ。同バレエ団にとって初めてのシュルツの作品であり2013年に日本初演を果たした『ベートーヴェン交響曲第7番』は、ダンサー泣かせの高速で激しい振り付けと徹底した音楽の視覚化で、観客に衝撃を与えた。あれから4年弱、同作の再演を経験し、鍛えられたダンサー達が、新たなショルツ作品にどう挑むのか、楽しみだ。観劇のついでに、劇場近くの猿江恩賜公園や横十間川でのお花見もオススメ。(吉田 香)




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February 01, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、120日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年2月公演】


◆クレア・カニンガム・ダンス公演「Give Me a Reason to Live」

2017年2月4-5日(KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ)

◇2020年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れ、障がいのある方々の芸術文化活動が日本でも徐々に広がっている。クレア・カニンガムは2012年ロンドンオリンピック・パラリンピックの際のパフォーマンスで注目され、その後も世界各国でダンスの創作、上演を続けている。彼女の作品は単に素晴らしい、というだけでなく、障がいのある身体と鋭利な思想から新たな表現や価値を見出し、提示するものである。1月末からワークショップ、トークセッション、ダンス公演が行われる。彼女のダンスは、私たちに新しい身体、ダンス、社会の捉え方を気づかせてくれるだろう。(稲田奈緒美)


◆井上安寿子京舞公演《葉々の会》

2017年2月5日(銕仙会能楽研究所)

◇井上流の次代を担う井上安寿子が東京、青山の能楽堂で舞の会を開催する。気鋭の若手が着実に身に付けた基礎技術の上に表現力を積み重ねていく成果が大いに期待できる。安寿子は地歌「葵上」では高貴な女性の嫉妬と苦しみという内面描写を、「芦刈―笠の段―」では井上流伝承の男舞を披露する。二題共に能を題材にした作品。安寿子の叔父で能楽師の片山九郎右衛門が仕舞(能の一部)「葵上」を、弟の観世淳夫が仕舞「芦刈―笠の段」を舞い、能と京舞を見比べられる貴重な機会でもある。さらに母八千代が地歌「袖香爐」を舞う贅沢な公演。12時半、15時半の二回。(斎藤真帆)


◆福岡ダンスフリンジフェスティバル〜ダンスの発火点〜vol.10

2017年2月11-12日(福岡ぽんプラザホール、他)

◇福岡で試行錯誤を繰り返し、国内外、特にアジアとのネットワークを広げながら発展してきたコンテンポラリーダンスのフェスティバル。今年で10回目を迎える。フェスティバルにはアジアなどのフェスティバル・ディレクターがやってくるため、ここでの上演を機に招聘されるなど、活躍の場を広げるダンサーも増えている。今年も日本の各地から、またソウル、北京、タイ、インドネシア、フランス、イスラエルなどから、新人、中堅、ベテランまで24組のダンサーが集い、ダンスで競い合う。コンテンポラリーダンスの今と未来が見えるフェスティバルになるだろう。(稲田)


◆TPAM2017

2017年2月11〜19日(KAAT神奈川芸術劇場・BankART Studio NYK他)

◇本事業は舞台芸術フェスティバルとは異なり、アジア各国のアーティストによる招聘公演やショーケース、プロデューサー同士の意見交換、シンポジウム等の幅広いプログラムを通じて、アジア舞台芸術界の交流促進と発展を図るものである。プロデューサーによるディレクションプログラム、主催者による国際共同製作、公募によるフリンジプログラムの各分野で今年も多くのダンス公演が上演される。2年前にTPAMや鳥の演劇祭で上演した『Cry Jailolo』で大きなインパクトを残したエコ・スプリヤントの新作と、上演の度に評価を高めている余越保子の『ZERO ONE』は特に注目である。(折田 彩)


◆アンサンブル・ゾネ『霧のようなまなざし』

2017年2月13、14日(d-倉庫)

◇ラバン・センターで学んだ岡登志子が主宰するアンサンブル・ゾネは、1993年にロンドンで結成された舞踊団だ。今は兵庫県芦屋を拠点に神戸、名古屋、東京などで作品を発表している。2015年の『飛ぶ教室は 今』など、おもしろい作品がいろいろとある。こんどの『霧のようなまなざし』には、垣尾優、伊藤愛、糸瀬公二、桑野聖子、文山絵真らずっとここで踊ってきた人たちが出演する。しっとりと落ち着いた舞台が見られるだろう。(山野博大)


◆チャイコフスキー記念東京バレエ団《ウィンター・ガラ》

2017年2月22、23日(Bunkamuraオーチャードホール)

◇ベジャールとロビンズ、20世紀の巨匠の3作品が上演される。木村和夫が主演する『中国の不思議な役人』は今回が見納め。ノーブルな王子からオネーギンやヒラリオンまで幅広い役を当たり役として来たが、わけても不気味な存在感に圧倒される「中国の役人」は必見。ロビンズの『イン・ザ・ナイト』は日本のバレエ団として初演である。かつてのロビンズの手法と同様に、出演者は複数のパートを覚え、ペアを変えてリハーサルしているそうだ。抽象的な3つの愛の物語に踊り手の内面が反映される。直前に発表されるキャストが楽しみ。ボレロは昨年パリ・オペラ座芸術監督に就任したオーレリー・デュポンがメロディを務める。(隅田 有)


新国立劇場バレエ団『コッペリア』

2017年2月24〜26日(新国立劇場オペラパレス)

◇新国立劇場バレエ団が誇る珠玉のレパートリーが8年ぶりに再演される。ローラン・プティの振付は、若い恋人同士とコッペリウスの対比を強調し、コッペリウスの言いようの無い悲哀や孤独を鮮やかに浮かび上がらせる。彼が抱える狂気や孤独は、現代を生きる我々が抱えるものでもあり、それゆえラストシーンは見る者の胸を打つ。19世紀の全幕バレエを単なる時代の置き換えではなく同時代性を持った作品として蘇えらせた稀有な例であると言える。前回の上演から年月が経っているため、スワニルダは小野以外の米沢・池田、フランツは福岡・井澤・奥村の三人全員が初役となった。コッペリウスにゲストのルイジ・ボニーノだけでなく菅野がキャスティングされた意義も大きい。ダンサーは、プティの薫陶を受けたボニーノの指導を受けて、この素晴らしい作品を自分のものとしてほしい。(折田)


◆NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』

2017年2月25、26日(東京文化会館大ホール)

◇元コロラド・バレエ芸術監督のマーティン・フリードマン版は日本初演となる。今回はゲストに迎えるマリインスキー・バレエのウラジーミル・シクリャローフ&プリマの峰岸千晶、数々の主要な役を踊り進境を見せる宮内浩之&竹内 碧というダブルキャスト。それぞれのペアが織り成すドラマに期待したい。また同団は、男性ダンサーの層の厚さも大きな魅力であり、躍動感あふれるエネルギッシュな群舞にも注目だ。(宮本珠希)


◆off-Nibroll : Dance in ASIA in TOKYO

2017年2月25、26日(森下スタジオ)

◇ このところ東洋に軸足を移して活動を続けている矢内原美邦が、台湾の世紀当代舞踊団と舞台を共にする。矢内原の作品は『静かな一日』というデュエット。川田希と松永大輔が踊る。この作品は2013年に吉祥寺シアターでやったものだが、東洋についての理解が深まった今の段階での再演はまた違った味わいのものになるのではないか。(山野)


◆日本・ベルギー友好150周年関連事業 ピーピング・トム『ファーザー』

2017年2月27日〜3月1日(世田谷パブリックシアター)

◇ピーピング・トムは、2000年の創立以来、そのカンパニー名(英語で“覗き魔”を意味する俗語)が表すように、スキャンダラスで衝撃的なイメージが先行しがちだ。しかし、そのテーマやパフォーマンスの独創性もさることながら、ダンサーの実力、総合芸術としての完成度の高さ、そして美しさを兼ね備えており、押しも押されぬ世界のリーディングダンス/シアターカンパニーである。3年ぶりの来日で発表する今作の舞台は老人ホーム。過去と現在、虚と実が入り混じった目眩く世界が展開するという。今回も公募による日本人キャストも出演する。(吉田 香)



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January 01, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1220日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年1月公演】


◆キエフ・バレエ 『新春特別バレエ』『白鳥の湖』『眠りの森の美女』『バヤデルカ』

1月3〜14日(東京国際フォーラム ホールA、東京文化会館大ホール、神奈川県民ホール)

◇定番の全幕3作品と、『パキータ』『白鳥の湖』『眠れる森の美女』の見どころを集めた『新春特別バレエ』の上演が予定されている。賑々しくて何ともお正月向きのプログラムだ。同劇場で20年以上主役を踊るエレーナ・フィリピエワ、ミハイロフスキー劇場バレエからゲスト出演するレオニード・サラファーノフなど、個性豊かな面々が揃う。ウクライナ国立歌劇場管弦楽団の演奏が舞台を更に盛り上げるだろう。(隅田有)


◆『黒塚』市川猿之助《新春大歌舞伎舞伎》

◇1月3〜27日(新橋演舞場)

奥州安達原(福島県二本松あたり)の伝説を扱った昭和の歌舞伎舞踊の傑作。能に取材しながらも歌舞伎のオリジナルの部分が優れ、とりわけ老女の月下の踊りが秀逸。ロシアンバレエの趣を取り入れているといわれているので、洋舞の専門家にも是非ご覧いただきたい。二代目市川猿之助(後の初代猿翁)が初演し生涯の当たり役とし、以降、三代目が練り上げた。当代の四代目猿之助も既に何度も演じ好評を得ているが、定評ある身体能力の高さに加え、老女の悲哀と怒りといった内面のさらなる深化に期待が高まる。(阿部さとみ)


◆森山未來とエラ・チホルド『ユダ、キリスト、ウィズ ソイ〜太宰治「駈込み訴え」より〜』

◇1月4〜6日(横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)

ダンサーとしての評価も高い森山未來が、文化交流使としてイスラエル滞在中にエラ・ホチルドと共に作りあげ、2014年にテルアビブで初演した作品。太宰治の短編「駈込み訴え」を下敷きにした作品は、各地で上演され好評を博してきた。音楽・演奏は蓮沼執太。才能あふれる彼らのスリリングなダンス、音楽、言葉の駆け引きを楽しみたい。(稲田)


◆谷桃子バレエ団新春公演『ドン・キホーテ』全幕

◇1月14、15日(東京文化会館大ホール)

日本における『ドン・キホーテ』上演の歴史は、1965年の谷桃子バレエ団公演に始まっている。今回わざわざ公演名で「『ドン・キホーテ』全幕」と「全幕」を強調していることからも、全幕上演日本初演を行ったことへのバレエ団の矜持が見える。本作はこれまで半世紀にわたってバレエ団で上演が重ねられてきており、初演時から変わらない妹尾河童の舞台美術、緒方規矩子の衣装のクラシカルな美しさが時代の重みを感じさせてくれる。バジルを当たり役としてきた齊藤拓の円熟した演技と、キトリを初役で務める佐藤麻利香、雨宮準、同じくバジルを初めて踊る三木雄馬のフレッシュな踊りに注目したい。(折田 彩)


◆ 現代舞踊協会《新進芸術家海外研修による現代舞踊公演》

1月19日、20日(横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)

◇長谷川まいこ・坂田守が『Coco』、幅田彩加・米沢麻佑子が『跡』を踊る。今、日本の現代舞踊界でもっとも輝いているダンサーたちに注目。(山野博大)


◆ Noism 新作

1月20〜22、27〜29日(りゅーとぴあ スタジオB)

◇金森穣の新作『マッッチ売りの話』『passac aglia』をNoism1が踊る。『ラ・バヤデール〜幻の国』『愛と精霊の家』に続く金森の新作は見逃すわけにはいかない。2月9〜12日に彩の国さいたま芸術劇場で上演した後、さらにりゅーとぴあスタジオBでの再演が予定されている。(山野)


◆日本バレエ協会『ラ・バヤデール』

2017年1月21日〜22日(東京文化会館大ホール)

◇主役だけでなく、キャラクテールもトリプルキャストで、どの回を見るか迷うところ。ベテランの酒井はな、本作が引退公演となる長田佳世、そして貞松・浜田バレエ団の看板ダンサー瀬島五月が、東京の公演に主演する回も貴重だ。改定振付・演出は法村牧緒。省略されることの多い「太鼓の踊り」も見られるようだ。(隅田)


◆《Yokohama Dance Collection》

◇1月26〜2月19日(横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)

今年で22回目を迎える「横浜コレクション」。日本のコンテンポラリーダンスの普及に貢献してきた事業が、今年はアジアのダンスフェスティバルとの協働を強め、また、横浜美術館との連携でジャンルを超えた作品を上演する。そのオープニングを飾るのが、多彩な活動を続ける振付家・ダンサーのダミアン・ジャレと彫刻家の名和晃平による「VESSEL yokohama」。「器・船」を意味するタイトルにダンスの身体と彫刻のモノが挑む。その後も幅広い作品上演やコンペティションが4週間にわたって続き、新たな才能や表現に出会うことができるだろう。(稲田)


◆ 《SUGADAIRO PROJECT vol.2『秘境/魔境』》

1月28日(水戸芸術館エントランスホール・ACM劇場)

◇ジャズピアノの鬼才、スガダイローとダンス界のレジェンド、田中泯が対峙する。「混ぜるなキケン」の劇薬同士を混ぜて爆発的な化学変化を起こさせるような、極めて意欲的、挑戦的な公演である。公演は2部構成で、第1部『秘境』は、エントランスホールでスガとパイプオルガンの近藤岳、エレクトロニクスの有馬純寿がセッションする。水戸芸術館の誇るパイプオルガンとフォルテピアノ、電子音楽という異なる楽器、クラシック、ジャズ、現代音楽という異なる分野で活動する3名の競演が堪能できる。そして第2部『魔境』は、場所をACM劇場に移して、スガと田中がセッションする。踊る場によって変幻自在の顔を見せる田中が、スガという劇薬、ACM劇場という場と出会ってどのような反応を起こすのか、考えるだけで楽しみだ。(折田)


◆東京小牧バレエ団『白鳥の湖』

1月28、29日(新国立劇場中劇場)

◇オデット/オディールを演じるのは、ボストン・バレエ プリンシパルの倉永美沙。これまで数々の作品で主演を重ね、世界中のガラ公演にも度々招かれるなど、まさにワールド・ワイドな活躍で、充実ぶりが伺われる。王子には新国立劇場バレエ団プリンシパルの奥村康祐。ノーブルな魅力を放つ踊りには期待も高まる。ちなみに、倉永と奥村はともに地主 薫のもとで学んだ幼馴染み。互いをよく知るふたりならではのパートナーシップも見どころだ。他にも、家庭教師の夏山周久、王妃の森 理世など、脇を固めるキャストにも注目したい。(宮本珠希)



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December 01, 2016

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1120日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2016年12月公演】



◆《十二月大歌舞伎》

2016年12月2〜26日(歌舞伎座)

◇12月の歌舞伎座第三部は『二人椀久』『京鹿子娘五人道成寺』。どちらにも坂東玉三郎が出演しその美学を見せるおススメの公演。玉三郎は『二人椀久』では椀久の夢の中に現れる全盛の遊女松山を演じる。夢幻の存在といえばこの人をおいてほかにいない。過去の上演では登場シーンの立ち姿だけでジワ(客席から自然と起るざわめき)が来るほどだった。どこからともなく登場し、いつしか消えていく、その風情はまさに幻のように儚く美しい。椀久には中村勘九郎が扮し、優男の恋の切なさを丁寧に描くだろう。『京鹿子娘五人道成寺』は文字通り、『京鹿子娘道成寺』を五人で踊るスペシャル版。玉三郎の他、勘九郎、中村七之助、中村梅枝、中村児太郎といった花形が綴る。通常は一人で一曲を演じるのを、ある時は二人、ある時は五人で…と、様々な趣向をこらして華麗に展開。単に五人の娘ではなく、皆が白拍子花子という役名で、分身のようにも見え、光と影のようでもありという構造も面白い。(阿部さとみ)


◆NBAバレエ団『Stars and Stripes –スターズ&ストライプス-』

2016年12月3、4日(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール)

◇日本中のバレエ公演の演目が『くるみ割り人形』一色になる12月に、NBAバレエ団が意欲的なトリプルビルを上演する。目玉は、何と言っても公演名にもなっているバランシン振付『Stars and Stripes』の日本バレエ団初上演であろう。この作品は華やかでダンサーの見せ場が多いため、よくガラ公演で抜粋版が踊られるが、バランシン・トラストの作品管理が厳しいこともあり、日本ではなかなか踊ることができなかった。今回NBAバレエ団がこの貴重な作品をレパートリーに加えることを高く評価したい。他に、平山素子振付の新作『あやかしと縦糸』と、ダレル・グランド・ムールトリーによる世界初演の新作が上演される。(折田 彩)


◆《東京文化会館開館55周年・日本ベルギー友好150周年記念》オペラ『眠れる美女』

2016年12月10、11日(東京文化会館・大ホール) 

◇川端康成の小説『眠れる美女』をオペラ化した作品が、日本初演される。これは、2009年にヨーロッパの先鋭的なアーティストによって演出、作曲、台本、振付が行われ、ベルギーで初演されたもの。今回、東京文化会館開館55周年と日本ベルギー友好150周年を記念して、日本にお目見えする。川端のエロティックな物語が、歌、演劇、コンテンポラリーダンスによって舞台化されており、老人役と館の女主人役は、歌だけでなく、長塚京三、原田美枝子が演じ、眠れる美女は4名の女性コーラスが歌い、伊藤郁女が踊る。振付は、シディ・ラルビ・シェルカウイ。声と身体が混然となり、どんな世界が出現するか楽しみだ。(稲田奈緒美)


◆KARAS『白痴』

2016年12月14〜18日(両国シアターΧ) 

◇勅使川原三郎/KARASのスタジオ「アパラタス」で続いているアップデイトダンスで、今年も優れた作品が多く生まれた。なかでも、ダンサーの熱気が伝わり、最も筆者の印象に残っている『白痴』が、はやくもシアターχで再演されるという。劇場を変えて、あの秀作がどのようにアップデイトされるのか楽しみでならない。(吉田 香)


◆坂本秀子舞踊公演『花の寺』

2016年12月15、16日(セルリアンタワー能楽堂) 

◇坂本秀子は江口隆哉、金井芙三枝の直系。日本女子体育大学で教えており、その卒業生らによるカンパニーで作品を発表している。江口隆哉の『プロメテの火』再現でも大きな役割を担った。2013年にセルリアンタワー能楽堂で行われた後藤智江、本間祥公と競演の「切戸の奥《三人の秘すれば花》東京公演」では『隠れ里』を発表し、自ら踊った。こんどの高橋純一、玉田光子、小倉藍歌、小俣香織ら現代舞踊界の実力者たちを踊らせる『花の寺』は、どんなことになるのであろうか。(山野博大)


◆東京バレエ団《くるみ割り人形》

2016年12月16〜18日(東京文化会館・大ホール) 

◇東京バレエ団はベジャール版も上演しているが、今回はワイノーネン版。クララが全幕を通して踊り切るストレートな演出で、少女の初恋のときめきが印象深いロマンティックなバージョンだ。バレエ団としての初演は1972年と歴史は長いが、プロジェクション・マッピングを採用するなど、時代と共に進化している。チャーミングでテクニシャンのダニール・シムキンが、東京公演に王子役で出演する。(隅田有)


◆セッションハウス25周年×コンカリーニョ10周年記念ダンス公演

2016年12月17、18日(セッションハウス) 

◇東京神楽坂のセッションハウスの25周年、札幌のコンカリーニョの10周年を共に祝おうという公演だ。伊藤直子振付『東京物語』、渡部倫子振付『Table』と、小劇場で長年鍛えてきた舞踊家同士の対決となる。勝負はいかに。(山野)


◆新国立劇場バレエ団『シンデレラ』

2016年12月17〜19、23〜25日(新国立劇場・オペラパレス)

◇新国立劇場は年末に『くるみ割り人形』と『シンデレラ』を交互に上演しており、今年は『シンデレラ』の年。ヒロインの内面の美しさを捉えたプロコフィエフの音楽は、序曲から観客を魅了し、アシュトンの振付は音楽と見事に調和して、シンデレラの寂しさと芯の強さを描く。カボチャが馬車に変身する瞬間や、ポアントが繊細なガラスの靴を表す場面など、バレエならではの面白みに溢れる演出は何度見ても胸が熱くなる。シンデレラという役はバレエの主人公にしては、あれこれ考える複雑な性格。今回予定されている5キャストはどのように演じるのだろう。2010年に本作で主演デビューした長田佳世は、19日の出演が新国立劇場での引退公演となるので、特に大きなエールを送りたい。(隅田)


◆東京シティ・バレエ団/ティアラくるみの会《くるみ割り人形》

2016年12月23〜25日(ティアラこうとう・大ホール) 

◇『くるみ割り人形』はバレエ団によって様々な工夫が見られるが、わけてもこの石井清子版は美しい振付と愛らしい演出で、見たら幸せになること間違いなし!クララとくるみ割り人形、金平糖の女王と王子の2カップルが登場し、オーディションで選ばれた子供たちが例年大活躍する。夢の世界にお供する小人形からねずみたちまで、若いダンサーがのびのびと才能を発揮する姿は感動的だ。江東区ゆかりの東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の演奏と、江東少年少女合唱団のコーラス、そして地元のお菓子屋さんやパン屋さんがロビーにブースを出店する。会場に溢れるあったかい下町らしさを味わうのも楽しみ。(隅田)


◆井上恵美子ダンスカンパニー公演『ガウディの赤い花壇』

2016年12月24、25日(川崎市アートセンターアルテリオ小劇場) 

◇井上恵美子は、芙二三枝子のところから出て独自の世界を作り上げた現代舞踊界の実力派。今年3月の《成城ダンスフェスティバル2016》で発表した『ガウディの赤い花壇』を津田ゆず香、米沢麻佑子、富士奈津子、木原浩太、大前裕太郎らを使って大きく拡げ、新百合ヶ丘の小劇場で再演する。井上のからだを張った、快(怪?)演がまた見られるはずだ。(山野)



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October 31, 2016

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1020日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2016年11月公演】


◆アーキタンツ2016ダブル・ビル《音楽とダンスの蜜月な関係》

2016年11月1、2日(新国立劇場小劇場)

◇意欲的なダンス作品のプロデュースを続けているアーキタンツが、ダンスと音楽の関係にフォーカスして二作品を上演する。一作は、日本でもおなじみである香港の振付家ユーリ・ンが演出・振り付けする「ヴォイスメール2020」。出演はオーディションで選ばれた日本人ダンサー7名と、香港バレエ団ソリストの高比良洋、そして香港のアカペラ合唱劇団、ヤッポ・シンガーズだ。ヴォイスメール(留守番電話)をキーワードに、ダンスと声(ヴォイス・パーカッション)が日本と香港の人々や社会をいかに生き生きと描いていくか、ミックスされた人々と文化の底力に期待したい。もう一作は、ヴァツラフ・クネシュ振付による「REEN(レーン)」。彼をはじめ、ネザーランド・ダンス・シアターなどヨーロッパのトップカンパニーで活躍してきたダンサーにより、2010年に初演され、2015年にはプロジェクトカンパニーOpto(オプト)によって群馬で上演された。筆者はこの際に拝見しているが、ギターの生演奏(彼も元NDTのダンサー)と共にダンサーそれぞれの個性を際立たせる振付が、スタイリッシュかつ真摯に、ダンスの今と向き合いながら展開されていた。Optoのメンバー、渡辺レイ、小㞍健太、湯浅永麻(三人とも元NDT1)に加え、クネシュ、首藤泉、柳本雅寛という贅沢なダンサーが出演する。(稲田奈緒美)


◆名倉ジャズダンススタジオ《CAN’T STOP DANCIN’ 2016》

2016年11月3〜6日(新国立劇場中ホール) 

◇ジャズダンスの名門、名倉ジャズダンススタジオは、青山劇場で《CAN'T STOP DANCIN'》という公演を隔年でやってきた。青山劇場がなくなってしまった今回は、新国立劇場の中劇場での開催となる。大勢の鍛え抜かれたダンサーたちが勢ぞろいして、強烈なビートに乗ってみごとなダンスを披露するフィナーレがいつも最大の見せ場だ。しかし私は、名倉加代子の独特のリズム感、小粋な身のこなし、繊細でありながら振幅の大きなステップを見るために、欠かすことなく《CAN'T STOP DANCIN'》の会場、青山劇場へと通いつめてきた。それが今回から新国立劇場になる。今年の名倉さんは、はたしてどんな踊りを見せてくれるのだろう。(山野博大)


◆日本バレエ協会《平成28年度バレエ・クレアシオン》

2016年11月5日(メルパルク・ホール東京) 

◇本公演は、前進から数えると50年以上続く、若手振付家の発掘と育成を目的とした公演シリーズである。今回の注目は、何と言っても伊藤範子振付『ホフマンの恋』再演であろう。伊藤は近年オペラとバレエの振り付けを中心に精力的な活動を行っており、中でも物語性の強い題材の扱いに優れたセンスを発揮している。本作も一昨年の初演時に、テキストレジの巧みさやホフマンが恋する三人の女性の描き分け方、タイトルロールを務めた浅田良和の熱演で高い評価を得た。主演のホフマンは初演に続き浅田良和が、ジュリエッタを酒井はな、アントニアを佐藤麻利香、オランピアを宮嵜万央里が務める。他に東京シティ・バレエ団の俊英、中弥智博振付の『Synapse』、下村由理恵振付『氷の精霊』が上演される。(折田 彩)


◆貞松・浜田バレエ団《ロミオとジュリエット》

2016年11月5、6日(あましんアルカイックホール) 

◇貞松・浜田バレエ団の創立50周年記念であり、同団にとっては12年ぶりの全幕新制作となる『ロミオとジュリエット』。演出・振付を貞松正一郎が手がけ、ダブルキャストで上演される。初日は、平成26年度文化庁芸術祭賞舞踊部門新人賞を受賞した川崎麻衣&甘いマスクに端正な踊りが魅力の武藤天華、2日目を看板ペアである瀬島五月&アンドリュー・エルフィンストンが踊る。男性、女性ともダンサー層の厚さを誇るカンパニーならではの芳醇な舞台に期待したい。(宮本珠希)


◆《(花柳)基の会》

2016年11月8日(国立劇場小劇場)

◇三年ぶりのリサイタルは、二世花柳壽楽振付『花折』と四世花柳壽輔振付の『雪の道』の二題。前者は亭主と女房(藤間恵都子)の機微、後者は商家の女房(花柳小三郎)と手代の身分違いの恋を描いている。従来から定評のある身体能力の高さはもちろん、内面描写にも一層の充実が感じられる昨今。二種類の男女の愛の描き分けに期待が高まる。藤間恵都子(女性)と花柳小三郎(男性)といった、相手役の性別の違い、それによる風趣も着目すべきポイントで、どちらもそれぞれの良さを味わえる舞台になるだろう。(斎藤真帆)


◆新国立劇場バレエ団《DANCE to the Future》

2016年11月18〜20日(新国立劇場小劇場)

◇本シリーズは当初、内外の振付家の作品を上演していた。所属ダンサー達による振付の腕試しの場となったのは2013年12月の通算5回目から。貝川鐵夫と宝満直也はこの回からコンスタントに振付を発表し、才能を発揮して来た。貝川の振付は曲とムーヴメントがしっかりと手を結んで説得力があり、宝満はムーヴメントがシークエンスとして立ち上がり音に乗る。今回は彼らの作品が再演を含め2作ずつ、さらに木下嘉人と福田紘也の作品が上演される。第三部は本シリーズ初の即興。出演者はみな振付の経験者で米沢唯が紅一点。音楽は生演奏で、3日とも演奏者が異なるのがなんとも贅沢である。(隅田 有)


◆Kバレエ・カンパニー《ラ・バヤデール》

2016年11月18〜20日(東京文化会館大ホール)

2014年の初演で好評を博した熊川版は、全幕を通して人間ドラマが濃密に描かれており、特に、オリジナリティ溢れるクライマックスシーンは見どころだ。また、主要キャストはもちろんのこと、男性アンサンブルの見せ場もふんだんに盛り込まれているので、華やかで迫力たっぷりの踊りを堪能できる。そして本作は、ニキヤとガムザッディというふたりの女性によって物語が展開されるため、女性スターダンサーの競演が見られるのも醍醐味である。今回も、中村祥子(ニキヤ)&浅川紫織(ガムザッディ)、矢内千夏&中村春奈、白石あゆ美&浅野真由香という豪華なトリプルキャストだ。ソロルには遅沢佑介、山本雅也、伊坂文月の3名がキャスティング。開幕が待ち望まれる。(宮本)


◆京都市芸術文化協会創立35周年記念事業・バレエ合同公演《白鳥の湖》

2016年11月20日(ロームシアター京都メインホール) 

◇京都市の芸術文化協会が創立35周年を祝って『白鳥の湖』を上演する。これに京都在住のバレエ関係の人たちがこぞって参加し、京都市交響楽団がピットに入る。古典の改訂では、いつもひねりの効いたおもしろい舞台を見せてくれる深川秀夫が演出・振付を行う。はたしてどんな『白鳥の湖』になるのであろうか。(山野)


◆国立劇場会場50周年《舞の会〜京阪の座敷舞〜》

2016年11月26日(国立劇場小劇場) 

◇毎年秋恒例の舞踊公演。今回は国立劇場開場五十周年記念の豪華拡大版として、二日間三回公演全十八番。上方を代表する四流(井上・楳茂都・山村・吉村)を中心に豪華な顔ぶれが揃う。山村友五郎の秋の情緒漂う『融』。近年ぐっと深みを増した人間国宝・井上八千代の『きぎす』、吉村輝章が描く、母性愛の究極『珠取海士』など、どの回も充実したラインナップ。異彩を放つのは舞の会初登場の『南地大和屋へらへら踊』。大阪南地の名料亭・大和屋の名物として知られる踊りを山村流の女流舞踊家が綴る。料亭気分を理屈抜きに楽しめる一曲。とにかく舞といっても多種多様なことが肌で感じられるおススメの公演だ。(阿部さとみ)


◆伶楽舎雅楽《秋庭歌一具》

2016年11月30日(東京オペラシティ・コンサートホール タケミツメモリアル)

◇ジャズピアニスト山下洋輔との共演、オペラ≪魔笛≫の総合演出、自身のスタジオ「アパラタス」で次々と新作を発表するなどその活躍にさらなる加速を見せている勅使川原三郎。今回彼が挑むのは雅楽である。武満徹が秋の庭の移ろいをテーマに作曲した現代雅楽《秋庭歌一具》を雅楽の古典、復刻曲、現代作品と、国内外で幅広く演奏活動を行っている伶楽舎(れいがくしゃ)が演奏し、勅使川原と佐東利穂子が踊る。演奏者29名による50分の雅楽の大曲を聴くだけでも貴重な機会だが、そこに二人のダンサーがどうスパイスを加えるのか楽しみだ。伶楽舎の音楽監督である芝祐靖が復曲・構成した「露台乱舞」も同時に演奏される。(吉田 香)




outofnice at 19:00

October 02, 2016

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、920日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする201610月公演】


◆KAAT Dance Series 2016『DEDICATED 2016 "DEATH" ハムレット』

2016年10月1、2日(KAAT神奈川芸術劇場ホール)

◇シェイクスピアが舞台芸術に及ぼした影響は計り知れないが、ダンスの題材としては少々手強い。言葉の力と作品が切っても切れないからである。そんな中、首藤康之と中村恩恵が2011年に共作した『Shakespear THE SONNETS』は、劇作家と舞踊家という区分を超えて、表現者の内面を見事に描いた。さて今回、大作『ハムレット』をどのように見せるのか。期待が高まる。(隅田 有)


◆あいちトリエンナーレ2016参加:塚本洋子テアトル・ド・バレエ・カンパニー公演

『春の祭典』振付=深川秀夫 『夏の夜の夢』振付=井口裕之

2016年10月1日(愛知県芸術劇場大ホール)

◇名古屋を中心に意欲的な公演活動を続けている同バレエ団が、あいちトリエンナーレ2016の公募公演として新たな作品を発表する。一つは、同バレエ団とのコラボレーションも多い深川秀夫振付による「春の祭典」。長くヨーロッパで活躍してきた深川の、優れたダンサーゆえの感性と色気が、バレエ音楽の古典にして難曲をどのように料理するか楽しみである。もう一作は、元新国立劇場バレエ団の井口裕之による「真夏の夜の夢」。現在、同バレエ団の常任振付家兼教師を務める井口はコンテンポラリーダンスの指導も行っており、井口の動きをマスターした団員たちの踊りが期待される。(稲田奈緒美)


◆東京芸術祭2016 芸劇オータムコレクション 芸劇dance 勅使川原三郎×山下洋輔『up』

2016年10月7〜9日(東京芸術劇場プレイハウス) 

◇東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを見据えて、東京都が今年新たに創設した「東京芸術祭」。そのダンス部門の目玉となるのがこのコラボレーション企画である。勅使川原はこれまでもピアニストやヴァイオリニスト、合唱団との共演を数多く行ってきたが、ジャズミュージシャンとの共演は珍しく期待が高まる。ジャズピアノの巨匠、山下とコンテンポラリーダンス界の雄、KARASが繰り広げる、タイトル通りアッパーなセッションを楽しもう。(折田 彩)


◆芸術祭参加(関西)法村友井バレエ団公演『バヤデルカ』

2016年10月7日(フェスティバルホール)

◇ロシア・バレエの正統的で美しいバレエを継承する同バレエ団が、『バヤデルカ』を上演する。従来は影の場面で終わっていた同作品に、今回はミハイロフスキー劇場バレエ・バスターのユーリー・ペトゥホフを招いて、結婚と崩壊の場面を追加した。主演の法村珠里をはじめとするダンサーたちが、端正なメソッドと快活でダイナミックな技術で、新たな『バヤデルカ』を披露してくれることだろう(稲田)


◆チャイコフスキー記念東京バレエ団《佐々木忠次追悼公演》『ザ・カブキ』メモリアル・ガラ

2016年10月13〜16日(新国立劇場中劇場)

◇モーリス・ベジャールが『仮名手本忠臣蔵』を元に制作した本作が初演され、今年で30年。初演当時、海外での評判と比較して、国内では戸惑いの声も聞かれたが、すっかり名作として定着した。同バレエ団の代表で今年4月に亡くなった佐々木忠次氏は、ベルギーのベジャール宅を訪れた際に、本作の構想が決まったと述べていた。本公演は佐々木忠次追悼公演と銘打っており、初日は25歳以下の学生を対象に500円という破格の"ササキ・シート"が発売されている。(隅田)


◆芸術祭主催:国立文楽劇場10月舞踊公演《東西名流舞踊鑑賞会》

昼の部=長唄『島の千歳』吾妻節穂 清元『傀儡師』藤間良太郎 常磐津『そばやの三つ面』若柳吉蔵 一中節『都見物左衛門』吉村輝章 常磐津『山姥』井上八千代

夜の部=地唄『閨の扇』楳茂都梅咲弥 長唄『吉原雀』花柳芳綱・花柳双 義太夫『関寺小町』井上かづ子 常盤図『景清』藤間蘭黄 長唄『葵上』山村友五郎

2016年10月15日(国立文楽劇場) 

文字通りの東西の名手の競演が繰り広げられる、看板に偽りのない優れた企画。井上八千代、山村友五郎、吉村輝章といった家元をはじめ、関西関東の実力者が顔を揃え、流派や家の大事な演目、得意とする演目がずらりと並ぶ。どれにも共通するのは、日本舞踊独特の「人物の踊り分けや風景描写」が、高い技術力の上に、個性や情緒といった妙味を加えて紡がれる面白さ。個々の豊かな表現力の競演が見逃せない。(阿部さとみ)


◆東京芸術祭2016:イデビアン・クルー公演『シカク』

2016年10月21〜24、26〜29日(にしすがも創造舎)

◇ダンス公演だけでなく、CM、ミュージックビデオ、演劇等々幅広く活躍し、最近ではオリンピック開催期間にリオデジャネイロで行われたプロジェクト「東京キャラバン」への出演が記憶に新しいイデビアン・クルー。今年2つ目の新作『シカク』のテーマは日常だ。4人の生活=ダンスが同時進行する実験作になるという。久しぶりにタッグを組むASA-CHANG&巡礼の音楽も楽しみだし、男性4人または女性4人というダブルキャストは珍しく、どちらも見てみたい。(吉田 香) 


◆熊川哲也:K-BALLET COMPANY公演『シンデレラ』

2016年10月27〜30日(オーチャードホール)

◇2012年の初演以来、高い人気を博し、4度目の上演となる同作。今回は、中村祥子、浅川紫織、白石あゆ美、遅沢佑介、宮尾俊太郎のプリンシパル陣に加え、ファーストアーティストの栗山廉が主演を務める。昨年の『白鳥の湖』に続く抜擢に期待も高まるばかりだ。熊川版は、通常四季の精として踊られる役柄を、それぞれ、バラ、トンボ、キャンドル、ティーカップの妖精として登場させるなど、随所にオリジナリティとドラマ性が発揮されている。壮麗な衣裳や舞台装置も圧巻だ。(宮本珠希)


◆文化庁芸術祭主催公演 新国立劇場バレエ団『ロメオとジュリエット』

2016年10月29、30、11月2〜5日(新国立劇場オペラパレス) 

◇ケネス・マクミラン版の『ロメオとジュリエット』(ロミオとジュリエット)は世界中のバレエ団がレパートリーにしている名版だが、意外なことに新国立劇場での上演頻度は高くなく、今回は5年ぶりの上演となる。前回の上演時とはダンサーの顔ぶれも大きく変わっており、米沢唯、井澤駿は初役でタイトルロールを務める。破滅に向かい疾走する若い恋人同士を、初役の二人がどう演じるか、期待したい。(折田)



outofnice at 18:35

August 31, 2016

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、8 31日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする20169月公演】

 

◆コンドルズ《The 20th Anniversary Special Live

20169910日(NHKホール)

◇言わずと知れたコンドルズが結成20周年迎えた。それを記念し、今までに発表した約100作品のスーパーベストを引っ提げて全国ツアー『20thCenturyBoy』を行っている。東京公演は『超特別大感謝公演』というスペシャルなもの。910日の公演分は、発売を開始して瞬時にSold outとなったため、9日の追加公演が決まった。チケットは2016円。3歳以下は大人の膝の上なら無料という。老若男女が集まって、彼らのアニバーサリーを一緒に盛り上げよう!(吉田 香)

 

◆貞松・浜田バレエ団《創作リサイタル28

2016910日(神戸文化中ホール)

◇国内外の振付家による多彩なプログラムが魅力の本公演。大勢のダンサーたちが軽快に、エネルギッシュに、そして優美に踊る貞松正一郎振付『ピアノ・ブギ・ウギ』、サミュエル・ベケットの著作「また終わるために」内の「ある夜」をモチーフに、中村恩恵が手がけた『TWO』、1999年以来の再演となるラリオ・エクソン振付『母の歌』、 2013年に新国立劇場でも上演し好評を博した森 優貴の『Memoryhouse』という充実のラインアップである。今回は、全作品が再演となるが、上演を重ねることで生まれる新境地をぜひとも堪能したい。(宮本珠希)

 

◆ニュー・アドベンチャーズ『マシュー・ボーンの眠れる森の美女』

201691425日(東急シアターオーブ)

◇マシュー・ボーンが、『白鳥の湖』、『くるみ割り人形』に続き、チャイコフスキー三大バレエ最後の一つである『眠れる森の美女』を手がけた。古典作品の大胆な読み替えで知られるボーンだが、本作でも時代を19世紀末から現代までの120年間に設定し、マクミラン版『ロミオとジュリエット』やプティパ版『眠れる森の美女』など古典へのオマージュを盛り込みながら、スピーディーに物語を展開していく。バレエファンなら思わずにやりとしたり「そうくるか」と唸らされたりするシーンが満載である。日本人ダンサーの鎌田真梨がトリプルキャストでオーロラを演じるのも期待したい。(折田 彩)

 

◆あいちトリエンナーレ2016プロデュースオペラ『魔笛』

201691719日(愛知県芸術劇場大ホール)

◇勅使川原三郎が演出を担当し、佐東利穂子と東京バレエ団のメンバーが出演。勅使川原と、数々のコンテンポラリー作品を上演してきた東京バレエ団の、初コラボレーションに期待が高まる。勅使川原はこれまでもオペラの演出を手がけており、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンへの出演をはじめ、音楽家との共演経験も豊富。果たしてどのシーンにどれくらいのダンスが挿入されるのかにも興味津々だ。(隅田 有)

 

◆ミラノ・スカラ座バレエ団『ドン・キホーテ』

201692225日(東京文化会館)

3年ぶりとなる来日公演は豪華トリプル・キャストによるヌレエフ版『ドン・キホーテ』が上演される。シュツットガルト・ガルトバレエのエリサ・バデネス(ポリーナ・セミオノワより変更)&レオニード・サラファーノフ、マリア・コチェトコワ&イワン・ワシーリエフのゲスト陣、そして同団よりニコレッタ・マンニ&クラウディオ・コヴィエッロのペアという3組それぞれの掛け合いや化学反応を楽しみたい。(宮本)

 

◆《三陸国際芸術祭2016

2016723日〜1023  

◇東日本大震災によって多くの被害を受けた東北地方で、人々を再び結び付け、希望をもたらすために民俗芸能は大きな力を発揮した。地域ごとに受け継がれ、それぞれに特徴をもつ虎舞、鹿踊などの民俗芸能を中心に、海外からの民俗芸能団体や現代のコンテンポラリーダンス、コミュニティダンスなどが交流しあい、創造しあう場が三陸国際芸術祭だ。岩手県大船渡市を拠点として2014年に始まり、三回目となる今年は、地元の「北東北三大まつり」や「リアス・ウェーブ・フェスティバル」などとも連携し、より盛大に、多様な人々が集まり、踊り、楽しむプログラムが組まれている。三陸は遠い。だからこそ、行く価値と喜びがある。(稲田奈緒美)

 

◆国立劇場開場50周年記念9月舞踊公演《道成寺の舞踊》
2016910日(国立劇場大劇場)
  国立劇場五十周年記念の幕開け公演は、伝統芸能の三大テーマの一つ「道成寺もの」の特集。どれも見応え十分のラインナップ。4演目づつ、2回公演。
午後1時の部は、祝儀曲『七福神船出勝鬨』(五耀會)の男性群舞で賑やかに幕を開け道成寺三題へ。しっとりとした『鐘の岬』(市川ぼたん)に続く、『切支丹道成寺』は、時代を安土桃山時代に移した昭和の名作。主人公朝子に水木佑歌、朝子が恋い慕う秋月ジョアンを藤間恵都子が演じ、美しい実力派の共演に期待が高まる。トリは『京鹿子娘道成寺』。道成寺ものの決定版であり、歌舞伎舞踊を代表する絢爛豪華な作品だ。演者の中村梅彌は、人間国宝で歌舞伎の名優だった父・中村芝翫からの伝承をきちんと守る人。縁取り確かな描写と華やかさが楽しみな一曲である。
午後5時の部は、華やかな女性群舞『洛中洛外』で開幕。『道成寺昔語』(尾上紫、花柳寿楽ほか)は女の恋の物語を、豊かな表現力を持って描写することだろう。能に基づく一中節『道成寺』は高い演技力で知られる吾妻徳穂による一曲。格調と情感とが味わえそうだ。そしてトリは『京鹿子娘道成寺』を男性バージョンにした『奴道成寺』。花柳基が緩急自在の身体能力で掉尾を飾る。乞うご期待の公演だ。(阿部さとみ)

 

◆北村明子『Cross Transit

2016922日(松本市民芸術館小ホール)

2016929日〜102日(シアタートラム)

◇かつてレニバッソの振付家、ダンサーとして注目を集めた北村明子が、アジアへと視点を移し、日本とアジアのアーティストらとのコラボ―レーションを行っている。インドネシアとの4年間に及ぶ「To Belong」の共同製作プロジェクトを経て、2014年からはカンボジアのアムリタ・パフォーミングアーツ・センターなどと共に、この「 Cross Transit 」プロジェクトを開始した。海外アーティストとのコラボレーションというのは、言うは易く行うは難し。しかし北村は、試行錯誤を続けながら、真摯に、根気強くそして創造性豊かにリサーチを行い、作品を創る。これらのプロジェクト作品は、ワーク・イン・プログレスの段階からほとんど見てきたが、その率直さと変化、発展に毎回驚かされる。今回もまた、進化した作品を見せてくれるだろう。(稲田)

 

谷桃子バレエ団:谷桃子追悼公演《貴女の人生に"Bravo"》

2016年9月23日(めぐろパーシモン大ホール)

2015年4月26日、谷桃子が94年の長きにわたるバレエ人生を全うした。そのすばらしき生涯に、谷桃子バレエ団が"Bravo!"を贈る。谷桃子が得意とした『ジゼル』の第2幕、『瀕死の白鳥』などが団員によって踊られる。また伊藤範子振付の『追憶』などが上演される。谷桃子の輝かしいバレエ人生を共に偲ぼう。(山野博大)

 

◆《第14回西川箕乃助の會》
2016929日(国立劇場小劇場)
  西川箕乃助、三年ぶりのリサイタルは『二人椀久』と新作『彼の岸の花』の二題。『二人椀久』は、豪商の椀屋久兵衛(通称:椀久)が豪遊を尽くしたために、座敷牢に閉じ込められ、ついに発狂して、恋人の遊女松山の面影を探してさまよい歩く…というもの。『彼の岸の花』は、「七年ぶりに妻に会う」というサブタイトルから、切なさやほろ苦さといったものが想像され、どちらの作品も、男のロマンという点で共通するようだ。近年、父の作品や家の作品を継承し、ますますの充実を見せる箕乃助。今回は久しぶりに、自身の構成・振付の作で、一味違った境地を見せてくれることだろう。(阿部)

 



piyopiyotamaki at 22:05
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