公演情報

August 02, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、720日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年8月公演】


◆日本バレエ協会創立60周年記念《全国合同バレエの夕べ》

8月3、4日(新国立劇場オペラパレス)

◇協会創立60周年を祝っての《全国合同バレエの夕べ》は、日本全国のバレエの現状を知る上で見逃せない機会だと思う。毎回上演の『卒業舞踏会』では、高岸直樹の老将軍、マシモ・アクリの女校長という配役が用意されている。どのようなラブ・シーンが展開されるのか、これも見逃すわけにはいかない。(山野博大)


◆イデビアン・クルー『排気口』

8月9〜12日(世田谷パブリックシアター)

◇イデビアン・クルーが『排気口』を上演したのは2008年8月だった。それをこんどはどのように改定して見せてくれるのだろうか。安藤洋子、金子あい、斉藤美音子ら、前回踊ったダンサーがまた登場する。10年の時の経過が彼らにどのような変化をもたらしているのかを見るのも楽しみだ。(山野)


◆大和シティバレエ『YAMATO City Ballet Summer Concert2018』

8月10日(大和市文化創造拠点シリウス 芸術文化ホール)

◇国内外で活躍するダンサーたちをゲストに招き、大和市に拠点を置く佐々木三夏バレエアカデミーの在校生たちと共に4演目を上演する。関直人振付の『ゆきひめ』は日本の題材を用いた”バレエ・ブラン(白のバレエ)”。70年代の初演時は女性パートを日本舞踊の踊り手が務めたそうだ。小野絢子は日舞の素養もあり、楽しみだ。新国立劇場で2016年に上演された宝満直也振付の『3匹の子ぶた』の再演も見逃せない。福田圭吾、八幡顕光、池田武志の初演キャストに菅井円加が新たに加わる。もう一つの宝満振付作品は『Evony Ivory』。宝満本人と米沢唯が出演する。鈴木未央振付改訂の『千夜一夜物語』は、五月女遥が主演する。小柄ながら個性と存在感のある五月女の演じるシェヘラザードに期待が高まる。(隅田有)


◆日本舞踊の可能性 vol.1 『展覧会の絵』

8月10日(浅草公会堂)

◇日本舞踊は古典作品を保存、継承するだけでなく創作も盛んに行っている。多ジャンルとのコラボも行われるものの、成功するのは容易ではない。しかし、藤間蘭黄による『信長』は、バレエのファルフ・ルジマトフと岩田守弘を迎えて高い評価を得、再演を繰り返している。それは振付、演出、出演する舞踊家たちがそれぞれの芸術に対して理解と尊敬をいかに深め、コミュニケーションを図るかによるのだろう。その蘭黄が再びバレエとのコラボに挑戦するのが、ムソルグスキーのピアノ組曲『展覧会の絵』だ。2017年にキエフ市内にある「キエフの大門」(『展覧会の絵』の終曲で、同地の観光名所でもある「黄金の門」)でピアノの生演奏によって初演され、バレエダンサーであり現在はキエフ国立バレエ学校芸術監督でもある寺田宣弘と蘭黄が踊った。その後、2018年にはウクライナ国立歌劇場でのガラ公演にも招かれた本作が、東京で初演される。ピアノ演奏は木曽真奈美。そして、『鷺娘』ではプロジェクションマッピングによる映像とのコラボが行われ、蘭黄が映像の中で、祖母(人間国宝の藤間藤子)、母(藤間蘭景)と共演する。日本舞踊に流れる雄大な歴史と舞踊家たちが紡いできた時間の美しさ、愛おしさ、革新を受け入れる度量の広さを感じさせる公演になるだろう。タイトルにあるように「日本舞踊の可能性」がvol.1、2、3…、と続いていくことを願い、また私たちも観客という同伴者になりたいものだ。(稲田奈緒美)


アクラム・カーン カンパニー『チョット・デッシュ』

2018年8月11、12、17、18、22〜25日(ロームシアター京都・ノースホール、金沢21世紀美術館シアター21、横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール)

◇2013年に彩の国さいたま芸術劇場で上演されたアクラム・カーンのソロ公演『DESH-デッシュ』が、子供も鑑賞できるようにリクリエーションされた『チョット・デッシュ(Chotto Desh)』として再び日本に戻ってくる。『DESH』は、カーンがバングラデシュ系イギリス人という自身のルーツや父の人生、子供の頃の思い出を言葉とダンスで紡いでいく構成で、ティム・イップの幻想的な舞台美術と映像の効果もあり、珠玉の作品になっていた。今作の『チョット・デッシュ』は、カーン自身の出演はなく、カンパニーのデニス・アラマノスとニコラス・リッチーニが交代出演し、シーンを再構築して60分程度に短縮している。ダンスに限らず、児童向けの舞台作品は非日常の世界を描いた夢あふれるファンタジーが多いが、カーンは自分の生きているこの世界を、痛みを抱えながら慈しみを持って描いている。この作品に一人でも多くの子供が触れてくれることを願う。(折田 彩)


◆佐々木美智子バレエスタジオ『バフチサライの泉』

8月16日(八尾プリズムホール)

◇創立40周年を記念して5年ぶりに上演される『バフチサライの泉』は、同団の看板演目であり、中でも、佐々木 大のヌラリは当代きっての当たり役だ。そして、今回は、ギレイ汗を演じる山本隆之にも期待が高まる。きっと新境地を見せてくれるに違いない。他にも、瀬島五月、福岡雄大、福田圭吾ら“踊り盛り”の実力派ダンサーや、佐々木夢奈、林高弘など若手の注目株が名を連ねる。豪華キャストによる、暑さを吹き飛ばすような気迫溢れる踊りに酔いしれたい。(宮本珠希)


◆『エコルマ乗っ取り大作戦!』

8月19日(狛江エコルマホール)

◇「エコルマ」とは、東京は狛江市にある狛江エコルマホールのこと。子供たちが、振付家でダンサーの伊藤キムと一緒にダンスをしたり、美術家のTOPPIとオブジェを作ったり、このホールをまるごと使って遊園地のようにしてしまおうという作戦だ。小学2年生〜高校3年生の子供たち30名が10日に渡ってワークショップを行い、最終日には発表を行う。発表公演(ダンス&インスタレーション)の入場は無料で、飛び入り参加も可能とのこと。スキンヘッドに眼帯のおじさん(伊藤キム)との衝撃的な出会いから10日を経て、自分たちの身体、紙、布、そして建物等々を自由に使って、子供たちがどんなパーティーを繰り広げるのか見届けよう!(吉田 香)


◆五耀會《動物で描く日本舞踊》

2018年8月22日(東京芸術劇場・プレイハウス)

◇五耀會は日本舞踊のファンを増やすべく、ビギナー向けの解説付き公演を定期的に行っている。ナビゲーターとして上方落語家の桂吉坊を迎え、時には五耀會のメンバー達もマイクを握り、上演の合間に日本舞踊の決まり事や作品の見どころをわかりやすく教えてくれる。今回は《動物》をテーマに据え、『さるかに合戦』や、蛇と蛙がにらめっこをする『蛙』など、子供も楽しめる作品を揃えている。「日本舞踊に興味はあるけどよくわからなくて…」という人こそぜひ足を運んでほしい。(折田)



◆《花形・名作舞踊鑑賞会》

8月22日(国立劇場小劇場)

◇若手・中堅が歌舞伎舞踊の名作を演じる毎年恒例の国立劇場の夏の公演。今回のメンバーと演目選定もバランスよく、その舞台成果に期待が寄せられる。今年の特徴は、ほとんどの演者がそれぞれもっと若い頃に手がけた経験がある演目だということ。当時は無我夢中で形を追うのに精一杯であったり、歯が立たなかったり、思い入れが強すぎて空回りしてしまったり…という過去から時を重ね、色々なことが見えてきた今、再びその演目にチャレンジするということが意義深く、どれも見逃せないものになるだろう。

12時30分開演の部:『年増』若柳美香康、『身替座禅』尾上菊之丞、若柳吉蔵、花柳寿々彦、藤間蘭翔、藤間翔央、『供奴』市山松扇、16時開演の部:『鷺娘』市川ぼたん、『将門』花柳せいら、花柳典幸、『山帰り』藤間達也。(阿部さとみ)


◆JAPON dance project 2018 x 新国立劇場バレエ団『Summer/Night/Dream』

8月25、26日(新国立劇場中ホール)

◇国際的に活躍する日本人ダンサー、振付家が新国立劇場に集い、2014年に第一回公演『CLOUD/CROWD』、2016年に第二回公演『Move/Still』と、隔年で行われてきたJAPON dance projectが、今年の夏も上演される。今回は、これまでの抽象的なテーマとは異なり、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』を基に創作するという。とはいえ、これまでも高い技術と洗練された構成、振付で毎回観客を魅了してきたメンバーが、単なる物語作品を踊るわけがない。タイトル『Summer/Night/Dream』に込められた「/(スラッシュ)」は、物語をどのように解体、飛躍、発展させるのだろうか。メンバーは遠藤康行、小池ミモザ、柳本雅寛が中心となり、新たに服部有吉(元ハンブルグバレエ団)、津川友利江(元カンパニー・プレルジョカージュ)の海外組を迎え、新国立劇場バレエ団からは米沢唯、渡邊峻郁、池田理沙子ら10名が参戦する。美術の長谷川匠、衣装のミラ・エック、照明の足立恒も加わり、今までにないダンス、見たことのない空間が出現するに違いない。(稲田)




outofnice at 08:17

July 01, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、620日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年7月公演】


◆《印度の魂 日本の心 真夏の宵の競演》

7月3日(国立劇場・小劇場)

◇日本舞踊とインド楽器、インド舞踊のコラボレーション。一昨年、昨年とインド・ニューデリーで好評を得ての凱旋公演。五耀會五人による日本舞踊『新曲浦島』にはじまり、続く『羽衣』はインド楽器(シタール、タブラ)の演奏をベースにした日本舞踊(花柳寿楽)とカタックダンスのコラボ。そして『三番叟』がタブラ演奏での三人(西川箕乃助、花柳基、山村友五郎)の踊り。トリはインドの二大叙事詩の一つ『ラーマヤナ』を題材にした創作舞踊で、日本舞踊、日本の打楽器と笛、インド楽器、カタックダンスがダイナミックに展開するという。古来、繋がりが深いインドと日本。文化的な共通点も多いだけに調和の取れたコラボが期待できそうだ。(阿部さとみ)


◆東京シティバレエ団《ウヴェ・ショルツ・セレクション》

7月7、8日(ティアラこうとう・大ホール)

◇過去の上演で高く評価されている、ウヴェ・ショルツ2作品の再演。『オクテット』はメンデルスゾーンの『弦楽八重奏』に乗って踊る。ダンサーの多様な組み合わせや、弦楽器の掛け合いを視覚化したような、変化に富んだ構成が素晴らしい。作曲家が16歳の時に作られた作品で、曲の持つ瑞々しさを今回も東京シティバレエ団のダンサーたちが余すところなく表現するにちがいない。『ベートーヴェン交響曲第7番』は5年前にバレエ団として初演し、2016年以来2年ぶりの再演。ダンス・タイムズでは「ダンサー月間ベストテン」を毎月発表しており、2016年の上演の際は見事なパフォーマンスに「出演者全員」をベストダンサーとして選出した(「出演者全員」という選出もこの時が初)。見逃せない公演だ。(隅田有)


◆《Triplet in Spiral 「3」を廻る三つの物語》

7月7、8日(スパイラルホール)

◇紫綬褒章を受け、ますます脂が乗っている中村恩恵が、自身の活動やメソッドを共有する人材の育成を目的として立ち上げた企画“Nakamura Megumi Choreographic Center”の第一弾として、新作を発表する。お相手は、中村とは全く個性が異なる近藤良平というから、どんなケミストリーが生まれるか楽しみである。他に首藤康之、加藤美羽、新国立劇場バレエ団の福田紘也と渡邊拓朗も出演する。(吉田 香)

◆花柳茂香舞踊研究会 “えんの会” 花柳茂香先生を偲びて

7月13日(国立劇場小劇場)

◇2016年9月10日に90歳で他界した花柳茂香の追悼公演だ。13年の”えんの会”まで舞台をつとめた。14年は自作の『男舞』を踊ることを予告していたが、当日になって救援が伝えられた。茂香が踊れなかった『男舞』を、今回は西川祐子と花柳あらたが踊る。茂香は若い頃から日本舞踊の動きをとことん抽象化して、作品を仕上げることに専念した。今回はそうして残された『原野』を西川祐子が、『香風』を花柳茂珠が踊る。西川箕乃助の踊る『お多福』は茂香の別の一面を見せる演目であり、これも楽しみのひとつだ。(山野博大)


◆《横浜バレエフェスティバル2018》

7月21日(神奈川県民ホール)

◇2015年からスタートし、今回で4回目。国内外で活躍するダンサーが、持ち味を生かした得意の演目や、彼らの所属カンパニーの名作を披露する。第一回から本公演の芸術監督をつとめる遠藤康行は小池ミモザと組み、再び『半獣』を上演する。将来活躍が期待される若手ダンサーによる“フレッシャーズ・ガラ”も、本フェスティバルの恒例だ。毎年レベルの高さに驚かされるが、今年はどんな新星に会えるだろうか。また例年公演に先立ち出演者のオーディションを開催。今年も2名が選出され、彼らも“フレッシャーズ・ガラ”に出演する。さらに過去のオーディション通過者を中心に結成されたグループ”ジュンヌバレエYOKOHAMA”が、遠藤の新作を踊る。若さ溢れる高い身体性を生かした遠藤の振付が、今年も見られるのが楽しみだ。(隅田)



◆新日本フィルハーモニー交響楽団《すみだサマーコンサート2018–Chance to play-》

7月21日(すみだトリフォニーホール)

◇着実な歩みで、挑戦的な作品を創り続け評価を高めている鈴木ユキオ。その守備範囲は広く、自身のカンパニーへのエッジ―な作品から、障がいの有無を超えたダンスカンパニーやアマチュアの子供たちによる作品など、鋭さと優しさでダンサーを生き生きと踊らせる。今回は、すみだトリフォニーホールという音楽専門ホールと新日本フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズ30周年を記念しての企画で、フルオーケストラと共に踊る。一曲は、J.S.バッハ作曲「管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068」をカンパニーダンサーと。もう一曲は、ストラヴィンスキー作曲によるバレエ音楽「火の鳥」を小学生から60歳代までの“すみだ区公募ダンサー”も含めた総勢30名のダンサーたちと。オケが鳴り響く舞台で、それぞれに個性と歴史を背負ったからだがうごめき、跳ね、語り、歌う、壮観な舞台になることだろう。(稲田奈緒美)


◆第15回世界バレエフェスティバル《全幕特別プロ》『ドン・キホーテ』

7月27、28日(東京文化会館・大ホール)

◇3年に1度開催されるバレエの祭典《世界バレエフェスティバル》。メインは世界中のスターダンサーが集まる8月のガラ公演だが、この全幕特別プロを楽しみにしているファンも多い。今年はフェスティバルの鉄板演目『ドン・キホーテ』に、ミリアム・ウルド=ブラーム&マチアス・エイマン、アリーナ・コジョカル&セザール・コラレスという2組の豪華キャストが日替わりで出演する。脇を固める東京バレエ団の群舞にも注目したい。(折田 彩)


◆《バレエ・アステラス2018〜海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて〜》

7月28日(新国立劇場・オペラパレス)

◇今年で9回目を迎える本公演は、海外カンパニーに所属し、普段日本ではなかなか観ることができない気鋭のダンサーが一同に会する貴重な舞台である。古典から各バレエ団の特色溢れる演目まで、見どころ満載だ。今回は、公募により選出された7組に加えて、特別ゲストに英国ロイヤルバレエ団プリンシパルの高田 茜&平野亮一を迎え、リアム・スカーレット振付『ジュビリー・パ・ド・ドゥ』を上演。また、新国立劇場バレエ団からは米沢 唯&奥村康祐が出演し、『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』を披露する。実力派ダンサーの競演を心待ちにしたい。(宮本珠希)


◆《ダンスがみたい!20 「病める舞姫」を上演する。》

7月24日〜8月5日(d-倉庫)

◇毎回斬新なテーマ設定と、ベテランから若手まで目配りがきいたダンサーのラインナップを揃える「ダンスがみたい!」シリーズ。今回は土方巽の著作『病める舞姫』に7組が挑む。注目は、土方と共に活動した舞踏第一世代の笠井叡、そして舞踏をルーツに持ち、その後コンテンポラリーダンスに活動の場を広げた伊藤キムと鈴木ユキオの参戦であろう。笠井は天使館の男性舞踏手達を率いて土方の『あんま―愛慾を支える劇場の話』(1963年初演)から着想を得た『土方巽幻風景』を、伊藤は土方のテキストを語り、弾き(!?)、踊る『病める舞姫の私』を上演する。彼らが自身の師やルーツとどのように向き合い、どのように昇華するのか、ぜひ目撃してほしい。(折田 彩)


◆ナチュラルダンステアトル・ステージアーツ2018『ねむり姫』

7月31日(渋谷区文化総合センター大和田さくらホール)

◇中村しんじ、川野眞子のコンビが楽しい舞台を作り始めたのは1998年から。『ありす』『孤高のパレード』『ピノッキオ』『さーかす』などのヒットがある。昨年の『どぼん』もおもしろかった。こんどの『ねむり姫』には、酒井はなが登場する。どんなことになるのだろうか。(山野)



outofnice at 18:43

June 01, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、520日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年6月公演】


◆大駱駝艦『みだらな蛙』

6月1〜10日(大駱駝艦・壺中天)

◇田村一行はカンパニーでの活動にとどまらず、地域創造の公共ホール現代ダンス活性化事業(通称ダン活)の登録アーティストとしても全国各地で創作・教育普及活動を行っている。ダン活ではその地域の風土から着想を得た作品や郷土芸能団体との共作など地域資源を活かしたユニークな作品を作っており、この経験が大駱駝艦での創作に還元されて良い循環を産んでいる。今回の新作は、以前ダン活で訪れた福岡県うきは市の古墳からインスピレーションを得たもの。うきは市で『遣召 烏胡跛臣』を見た人は、二作を見比べる楽しみも味わえる。(折田 彩)


◆Kバレエカンパニー『クレオパトラ』

6月8〜10日(東京文化会館大ホール)

6月16、17日(オーチャードホール)

◇昨年10月に初演した熊川哲也振付の『クレオパトラ』に主演した中村祥子に、今年度の橘秋子賞が贈られた。再演でどのようなクレオパトラぶりをみせてくれるのか楽しみだ。またダブル・キャストの浅川紫織のクレオパトラ像の解釈の違いにも注目したい(山野博大)


◆NAPPOS PRODUCE『斜面』

2018年6月9〜17日(東京芸術劇場・シアターウエスト)

◇首藤康之が『シレンシオ』以来5年ぶりに小野寺修二作品に出演する。小野寺と首藤のタッグは、『空白に落ちた男』(2008年初演、2010年再演)、『シレンシオ』(2013年)に続いて3作目だが、いずれも小野寺がバックグラウンドの違うダンサーや役者の持ち味を引き出しながら巧みに構成し、佳作に仕上げていた。今回は首藤以外に、小野寺作品の出演経験豊富な王下貴司、デラシネラのコアメンバーである藤田、そして聾者の舞踏家、雫境が出演する。小野寺は以前聴者と聾者による作品『鑑賞者』を創作しており、「視ること」「聞こえないものを聴くこと」に深い関心を抱いている。雫との出会いが作品にどのような化学反応を産み出すのか楽しみだ。(折田)


◆新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』

6月9〜17日(新国立劇場オペラパレス)

◇2014年の初演以来、今回が3度目の上演となるウエイン・イーグリング版は、第2幕のラストに目覚めのパ・ド・ドゥが挿入されていたり、女性ダンサーによるカラボスがトウ・シューズを履いて踊ったりと、随所に趣向が凝らされている。また、大作ゆえ、プリンシパルを始めとするトップダンサー陣がそれぞれの役で一同に会するのも見どころだ。充実ぶりが伺える4組の主演カップルにも大いに期待!(宮本珠希)


◆O.F.C.合唱舞踊劇:佐多達枝『カルミナ・ブラーナ』

6月16日(東京文化会館)

◇バレエ振付者として日本の舞踊界に大きな足跡を残す佐多達枝が『カルミナ・ブラーナ』の舞踊科に取り組んだのは、1995年12月のことだった。それ以来、長らくこの作品に取り組んできた。毎回新たな人材を集め、新しい振付を行なっているのだ。今回も酒井はな、関口淳子、浅田良和、三木雄馬らトップクラスのダンサーたちが佐多の振付を踊る。こんどはどんな『カルミナ・ブラーナ』が出現するのだろう(山野)


◆NBAバレエ団《ショート・ストーリーズ・9 バレエ・インクレディブル》

6月15〜17日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇芸術監督・久保紘一のもと、独自のレパートリーを築き上げている同団の魅力が凝縮されたガラ公演。日本のバレエ団として全編初演された『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番』『スターズ アンド ストライプス』『ガチョーク賛歌』や、『ロミオとジュリエット』、『海賊』などのクラシック作品のほか、佐藤圭と宝満直也による新作もお目見えする。特に宝満は、新国立劇場バレエ団時代にも『3匹の子ぶた』を創作し好評を博している。今回の『11匹わんちゃん』にもどんな愛らしいキャラクターが登場するのか、とっても楽しみだ。(宮本)


◆東京バレエ団『白鳥の湖』

6月29〜30日(東京文化会館大ホール)

◇2016年に東京バレエ団として初演した、ブルメイステル版『白鳥の湖』の待望の再演。登場人物一人一人が役割を持ち、踊りとストーリー展開が融合して、ドラマチックに展開する。1幕や3幕の舞踏会のセットは中世ドイツというよりもトルストイの描いた19世紀ロシアのようだ。ブルメイステルは本作の約15年後の1967年に、ソビエト映画の超大作『戦争と平和』でも振付を担当しているが、はたしてオデット、ジークフリート、オディール、ロットバルトを、ナターシャ、ピエール、エレン、アナトーリに読み替えることはアリかナシか?!(隅田有)


◆フィリップ・ドゥクフレ/DCA『新作短編集(2017)-Nouvelles Pieces Courtes』

6月29〜7月1日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇ダンス、サーカス、パントマイム、映像等を織り交ぜた独自の世界を展開するフランスの振付家フィリップ・ドゥクフレのカンパニーによる公演。短編5作がオムニバス形式で上演される。見たことありそうで実はどこにもいない部族のダンス、空中で行われるパ・ド・ドゥなどなど、カラフルで不思議、可笑しくて、ときには詩的な舞台に現実を忘れて惹きこまれること間違いなし。日本文化を取り上げた小品も見ものだ。(吉田 香)


◆小林紀子バレエシアター《シアトリカル・ダブルビル》

6月30、7月1日(新国立劇場中劇場)

◇二作品とも小林紀子バレエ団が得意とする演目。『二羽の鳩』は1992年、『チェックメイト』は1991年に、バレエ団として初演している。パリのアトリエで暮らす若い恋人たちが主人公の『二羽の鳩』は2016年の上演が記憶に新しい。今回もアシュトンのスタイルを丁寧に見せる、見応えのあるステージになるだろう。ニネット・ド・ヴァロワ振付『チェックメイト』は1937年の作品。チェスの対局のスタイルを借りているが、ナチス・ドイツの台頭による当時の不穏な情勢が作品の基となっている。言葉を使わないバレエは通常、政治的なテーマを扱うことは得意としていないが、本作は初演から80年以上踊り継がれている稀有な作品だ。(隅田)


◆梅田宏明 somatic field project「1-resonance」

6月30、7月1日(あうるすぽっと)

インスタレーションやCGなどヴィジュアルアートを加えたダンス表現を切り開いてきた梅田宏明が、若いダンサーの育成と自身のメソッドを発展させるために、2014年からSomatic Field Projectという長期のリサーチを続けている。これまでの成果としての新作と、日本では初演という梅田のソロ作品「Intentional Particle」が上演される。プロジェクトに参加しながら身体と向き合ってきた若いダンサーたちの動きと梅田のヴィジュアルアートが、どのように共鳴、呼応、あるいは反発しながら新たなダンスが生まれるか楽しみだ。(稲田奈緒美)



outofnice at 08:26

May 01, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、420日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年5月公演】


◆SPAC:ふじのくに・せかい演劇祭『シミュレイクラム/私の幻影』

5月3、4日(静岡芸術劇場)

◇SPAC制作のアラン・ルシアン・オイエン振付『シミュレイクラム/私の幻影』は、フラメンコの小島章司と、藤間勘三郎から日本舞踊を習ったアルゼンチン生まれのコンテンポラリー・ダンサー、ダニエル・プロイエットの共演だ。異文化の衝突するところにたち顕れてくる新鮮な楽しみを期待する。小島がフラメンコを勉強するために初めてスペインへ向かった頃の情景も見られるということだ。(山野博大)


◆勅使川原三郎ダンス公演『調べ‐笙とダンスによる‐』

2018年5月3〜6日(東京両国・シアターΧ)

◇宮田まゆみの笙の独奏に乗せて勅使川原三郎と佐東利穂子が踊るという、なんとも贅沢な公演が実現した。勅使川原は様々な分野の音楽家とコラボレーションしており、2016年には伶楽舎の演奏会で武満徹作曲『秋庭歌一具』を舞っている。10人以上の楽師が奏でる立体的な調べがホールいっぱいに広がり、勅使川原・佐東の舞は音楽を鮮やかに視覚化してみせた。今回の公演では、伶楽舎メンバーでもある現代雅楽のトップランナー宮田の演奏と、勅使川原、佐東の舞が小劇場の空間を満たす。極上の調べをじっくりと味わってほしい。(折田 彩)


◆静岡ストリートシアターフェス《ストレンジシード》

2018年5月3〜6日(駿府城公園、静岡市役所・葵区役所など静岡市内)

◇ふじのくに⇄せかい演劇祭のフリンジ企画としてスタートしたストレンジシードが、今年もゴールデンウィークに開催される。演劇、ダンス、大道芸など様々なジャンルのアーティストが繰り広げるパフォーマンスを、お酒や食べ物を片手に見ることができる。康本雅子+テニスコーツ、きたまり×Aokidなど、果たしてどんなパフォーマンスになるかワクワクする組み合わせだ。演劇祭とあわせて、世界と日本のパフォーミングアーツをお腹いっぱい楽しもう。(折田)


◆ウィーン国立バレエ団2018《ヌレエフ・ガラ》『海賊』

2018年5月9、10、12、13日(Bunkamuraオーチャードホール)

◇芸術監督であるマニュエル・ルグリが全幕作品として初めて振り付けた『海賊』の日本初演、ウィーンと結びつきが強く、ルグリを見出した伝説のダンサー、ルドルフ・ヌレエフへのオマージュ《ヌレエフ・ガラ》と豪華なプログラムだ。ルグリ版『海賊』はアリが登場しないなど、オリジナリティに溢れている。グルナーラを橋本清香、ビルバントを木本全優と、日本人ダンサーも大活躍。そして、ルグリのラブコールを受けてコンラッドを客演するマリインスキー・バレエ団プリンシパルのキミン・キムも楽しみだ。《ヌレエフ・ガラ》は、バランシン、マクミラン、ノイマイヤーといった巨匠から、同バレエ団の現役ダンサーの作品まで、多岐にわたる演目が魅力。そしてもちろん、ヌレエフが振付けた作品の抜粋を集めたプログラム「ヌレエフ・セレブレーション」も披露される。ノイマイヤーの『シルヴィア』とプティの『ランデヴー』はルグリ自身が踊るという。あらゆる意味で見逃せない公演だ。(吉田 香)


◆英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』『リーズの結婚』

2018年5月11、13、15、18〜20、25〜27日(兵庫県立芸術文化センター・大ホール、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール、日本特殊陶業市民会館 フォレストホール、東京文化会館・大ホール)

◇2015年以来、3年ぶりの来日となる同団が、今回『眠れる森の美女』『リーズの結婚』という珠玉のレパートリーを上演する。『眠れる森の美女』は、リラの精がマイム役として据えられ、第2幕では「目覚めのパ・ド・ドゥ」も挿入されるなど、ピーター・ライト版ならではの演出が見どころ。ゴールドを基調とした重厚な舞台装置や壮麗な衣裳にも目を奪われる。『リーズの結婚』は、ユーモラスな中に技巧的な要素も盛り込まれた巨匠フレデリック・アシュトンの代表作。愛らしい個性があふれるキャラクターたちの掛け合いを存分に楽しみたい。(宮本珠希)


◆スターダンサーズ・バレエ団 バレエ『ドラゴンクエスト』2018

2018年5月12、13日(テアトロ・ジーリオ・ショウワ)

◇スターダンサーズ・バレエ団初のオリジナル全幕作品として、1995年に本作が初演されて以来20年以上が経つ。鈴木稔振付の本作は、再演を重ねカンパニーの代表作になった。主人公が冒険の仲間を探しに酒場に行ったり、武器商人から武器を手に入れたりと、ゲームのフレームを守りながら、妖精や王宮の場面ではバレエの得意とする様式美を使い、ファンタジーの世界を描く。誰もが知るテーマソングと、ドラクエのロゴがバーンと表示される冒頭は、シビれること間違いなし!(隅田有)


◆スペイン ロンダ国際コンクール 優勝記念公演『SIROCO FLAMENCO 熱風のフラメンコ』

2018年5月13、15〜17、20日(大阪・Tablao Mivida、東京・アルハムブラ、名古屋・Bar rabano、京都府立陶板名画の庭・野外特設ステージ)

◇日本には、本場スペインに劣らない数のフラメンコ教室があるそうだ。大地を踏むステップが共通するからなのか、哀愁漂う音楽のためか、日本でフラメンコを愛する人は少なくない。そんな中から海外でも活躍するダンサーが現れているが、圧倒的に多いのは女性たち。近年ようやく男性ダンサーが活躍する場も増えてきた。SIROCOこと黒田紘登は、昨年スペインのロンダで開催された国際コンクールで日本人男性舞踊手として初めて優勝し、今後の展開が期待されるダンサー。コンクール当日に彼を支えたミュージシャンをスペインから招聘し、優勝記念公演を国内4か所で開催する。熱い舞台が再び現れ、本場の風を感じられそうだ。(稲田奈緒美)


◆談ス・シリーズ第三弾『凸し凹る』

2018年5月15〜6月11日(なかのZERO・小ホール、町田市民ホール、埼玉会館・大ホール、よみうり大手町ホール他)

◇大植真太郎、森山未來、平原慎太郎のダンサー三人が、「談ス・シリーズ」第三弾として『凸し凹る』全国ツアーを行う。それぞれに優れた身体能力を持つ男三人が、じゃれ合うように、喧嘩するように、探し求めるように身体でぶつかりあいながら動きが生まれ、シーンが立ち上がり、感情が沸き上がり、劇場空間にそれぞれの思いが広がっていく。観客に自由に見てほしいとの思いが、今回のタイトルにも表れている。凸凹な彼ら、意味不明の動き、ハチャメチャなシーン。でもそこに厳然としてある三つの身体は、確固とした関係性を瞬間瞬間に築き、言葉にならない肉体言語で雄弁に会話をし、観客の身体の回路を開いていくだろう。北は札幌から、南は福岡まで、あなたの近くにやってくる。(稲田)


◆堀内充バレエコレクション2018

5月25日(めぐろパーシモン大ホール)

◇堀内充振付『チャイコフスキー組曲』『アルルの女』などのほかに、堀内完の原案を息子の彼が舞台化したという作品が上演さrせる。はじめ堀内完は貝谷バレエ団で踊っていた。同団の『くるみ割り人形』全幕日本初演ではトレパックだった。2016年5月20日に亡くなった彼の元気だった頃の姿を思い出したい。(山野博大)


◆国立劇場5月舞踊公演《変化舞踊》

2018年5月26日(国立劇場・大劇場)

◇毎年、様々に工夫を凝らした企画公演。今回は「変化舞踊(へんげぶよう)」がテーマ。変化とは妖怪変化のことで、1人の役者が何役にも扮して踊ることから名付けられたという。それが時代とともに意味が拡大し、レビュー式の組合せ舞踊も変化舞踊と呼ばれるようになり今日に至っている。

本公演では、四季の情緒に因む名作を取り合わせた『染分四季彩(そめわけてしきのいろどり)』と172年ぶりの復活となる七変化(しちへんげ)『七重咲浪花土産(ななえざきなにわのいえづと)』を上演。前者は『雪傾城』『賤機帯』『夕月船頭』『俄獅子』の構成で藤蔭静枝、藤間恵都子、五條詠佳、若柳薫子、花柳笹公のベテランから若手までの5人の実力派が腕を競う。後者は西川箕乃助、花柳基がそれぞれ5役を踊り分けるのが見どころ。桃太郎をベースにした内容で、鬼(花柳寿太一郎、若柳里次朗)、犬(西川佳、尚)、イヌ(西川扇重郎)、サル(西川扇衛仁)、キジ(西川扇左衛門)が加わり、エネルギッシュに展開することだろう。(阿部さとみ)




outofnice at 21:52

March 31, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、320日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年4月公演】


◆NHKバレエの饗宴2018 

2018年4月7日(NHKホール)

◇国内有数のバレエ団や世界で活躍中のダンサー陣が競演する同公演。今回は、新国立劇場バレエ団のウエイン・イーグリング版『くるみ割り人形』第2幕、東京バレエ団によるナタリア・マカロワ版『ラ・バヤデール』から“影の王国”、吉田 都&マティアス・ディングマン&スターダンサーズ・バレエ団のデヴィッド・ビントレー振付『Flowers of the Forest』、そして平山素子の新作初演作品『Chimaira』を、同人と小尻健太、鈴木 竜、堀田千晶が踊る。各カンパニーの“個性”や“旬”を一度に堪能できる貴重な舞台は見逃せない!(宮本珠希)


◆井上バレエ団《アネックスシアター 次世代への架け橋 vol.5》 

2018年4月7、8日(世田谷パブリックシアター)

◇個性が異なる創作バレエ4作を上演する。芸術監督の関直人が振り付けた『風のコンチェルト』からの抜粋『春風』、キミホ・ハルバート振付けの『Garden of Visions–Version♀』(初演は2004年)は、今回は9人の女性バージョンに作り変えられた。『班女』は同名の能の作品に石井竜一がインスパイアされ、プーランクの音楽に乗せて創ったという和洋折衷の新作。そして、ベテランダンサーである堀登による『弦楽セレナード』の再演と、多彩なラインアップを楽しめる。(吉田 香)


◆アンサンブル・ゾネ『緑のテーブル』 

2018年4月7、8日(愛知県芸術劇場小ホール)

◇『緑のテーブル』は、クルト・ヨースが1932年にパリのシャンゼリゼー劇場で上演したバレエだ。それを岡登志子が、独自によみがえらせようという企画。岡は、これを昨年大野慶人の監修により地元の神戸でやっており、その進化した形が見られるはずだ。(山野博大)


◆『和栗由紀夫 魂の旅』 

2018年4月21日(ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター)

◇暗黒舞踏の創始者である土方巽から直接教えを受け、いくつもの作品に出演した和栗由紀夫。土方の舞踏譜や振付方を集大成したCD-ROM『舞踏花伝』を出版し、国内外で舞踏の普及や公演活動を続けていたが、昨年10月に急逝した。和栗と親交のあった舞踏家、和栗から舞踏を学んだダンサーたちによるパフォーマンスと、舞台衣装や写真の展示、生前最後の公演記録映像によって、彼の足跡を振り返る催しが開かれる。和栗の功績からその人柄と舞踏を偲び、また彼らが舞踏という新たな様式を創造し、格闘続けた熱い時代を知る機会になるだろう。(稲田奈緒美)


◆《REJOICE》第1回公演

2018年4月27日(きゅりあん)

◇遠藤康行の『--Les Mots de Silence—』、中村恩恵の『Black Tulip』などの創作の上演が予定されている。注目株の最新動向は見ておきたい。(山野)


◆CHAiroiPLIN+三鷹市芸術文化センターpresents『ERROR』 

2018年4月21〜30日(三鷹市芸術文化センター・星のホール)

◇若手コンテンポラリーダンスの振付家・演出家・ダンサーとして快進撃を続けるスズキ拓朗と、彼が率いるダンスカンパニーCHAiroiPLIN(チャイロイプリン)。これまで「踊る戯曲」「踊る小説」などと称して、様々なストーリーをダンス、セリフ、歌、生演奏などを軽妙ときに濃密に用いて描き、観客を驚かせ、大いに楽しませてきた。今回「踊る小説4」として太宰治の『人間失格』『失敗園』を取り上げるという。タイトルの「ERROR」がほのめかすように、個性豊かなメンバーたちが物語をそのまま表現するわけはない。いったい何に変身して物語を踊り、歌い、演じ、新たな世界を作りあげるのか、楽しみに待つとしよう。(稲田)


◆国立劇場4月舞踊・邦楽公演《明日をになう新進の舞踊・邦楽鑑賞会》 

2018年4月21日(国立劇場・小劇場)

◇みずみずしい若葉の季節に相応しい新進の舞踊家、邦楽家による公演。舞踊の演目は、花柳基はるなの『外記猿』と若柳吉優亮の『傀儡師』。『外記猿』は基はるなの師・花柳基の大切な演目で、基が名手二代目花柳壽楽から教えを受けたものを、基はるなに継承。若柳吉優亮は国立劇場主催公演には、今まで兄との共演が主だったが、今回は一人立で様々な人物を踊り分ける『傀儡師』に挑戦。文字通り「明日をになう」若手がそれぞれ憧れの曲に挑戦する意欲的な公演だ。(阿部さとみ)


◆《上野の森バレエホリデイ2018》Noism1特別公演『Mirroring Memories−それは尊き光のごとく』

2018年4月28〜30日(東京文化会館・小ホール)

◇日本舞台芸術振興会が、昨年初開催したバレエのフェスティバル、上野の森バレエホリデイを今年も行う。昨年の公演や無料イベントは子供向けのものがほとんどだったが、今年は大人のバレエファン、ダンスファンが楽しめる企画が増えた。なかでも注目は、金森穣がこのフェスティバルのために創作する新作『Mirroring Memories』。彼がこれまでに創作した代表作10作品と新たな小品によるオムニバスとのこと。Noismを長年追ってきたファンにとっては懐かしい作品群を楽しめる、嬉しいアソートギフトになることだろう。(折田 彩)


◆チャイコフスキー記念東京バレエ団『真夏の夜の夢』『セレナーデ』

2018年4月28、30日(東京文化会館・大ホール)

◇20世紀の巨匠、アシュトンとバランシン作品の二本立て。東京バレエ団は『真夏の夜の夢』を2005年と2007年に上演しているが、今回は約10年ぶりの再演となる。戯曲さながら、まるで賑やかなセリフが聞こえてくるような名作だ。『セレナーデ』はバレエ団として初演。シェイクスピア作品とは対照的に、ソリストとアンサンブルの幻想的で詩情豊かな舞台が見られるだろう。また、本公演に先立ち、12時からは《上野の森バレエホリデイ2018》の一環として『真夏の夜の夢』が上演される。4歳以上から入場できて、子供は半額。オーケストラ付きの本格的な公演に、ぜひ一家でお出かけを!(隅田有)


◆新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』 

2018年4月30、5月1、3〜6日(新国立劇場・オペラパレス)

◇今年前半、東京は『白鳥の湖』の公演ラッシュだ。各バレエ団が工夫を凝らし独自のカラーを出しているが、新国立劇場は比較的オーソドックスな演出。ゆえに出演者たちの技量をじっくりと堪能できる愉しみがある。実力派と若手ホープの4キャストで、誰で見るか悩むところ。(隅田)




outofnice at 11:33

February 27, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、220日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年3月公演】


◆2018都民芸術フェスティバル参加公演 東京シティ・バレエ団創立50周年記念公演『白鳥の湖〜大いなる愛の讃歌〜』

2018年3月3〜6日(東京文化会館・大ホール)

◇石田種生版『白鳥の湖』は、東京シティ・バレエ団が大切に受け継いできた、バレエ団の魂と言える作品である。愛に生きるオデットとジークフリード、そして二人を守ろうとする白鳥たちのエネルギーがクライマックスに向けて高まり、ラストに強いカタルシスが生まれる。石田版の4幕は、日本人振付家の手による同作改訂振付の中で、最も独創性に優れた幕であろう。今回本作が、藤田嗣治の同作日本初演時の美術スケッチを元にした新製作の舞台美術で上演される。藤田の淡い色彩と柔らかなタッチで描かれた美術が作品世界をどのように引き立てるか、期待が高まる。主役はベルリン国立バレエ団のヤーナ・サレンコとディヌ・タマズラカル、バレエ団の中森理恵とキム・セジョンが務める。(折田 彩)


◆2018都民芸術フェスティバル参加公演 現代舞踊公演《魂のDance in Tokyo》

2018年3月15、16日(東京芸術劇場・プレイハウス)

◇今年の都民芸術フェスティバルの現代舞踊公演は、今が盛りの菊地尚子とベテランの野坂公夫・坂本信子の現代舞踊二本に、石井智子のフラメンコの取り合わせ。菊地の絶妙の間合いの良さを組合せた動きのおもしろさ、野坂・坂本のスケールの大きな舞台づくりの奥深さに石井のはなやかなフラメンコの饗宴が並ぶ。多彩な舞台を比較しつつ気楽に楽しみたい。(山野博大)


◆カンパニーデラシネラ『椿姫』『分身』

2018年3月16〜21日(世田谷パブリックシアター)

◇カンパニーデラシネラが2014年に3年間限定で始めた、若手育成プロジェクト「白い劇場シリーズ」。今回の公演はその集大成となるもので、過去発表した『分身』(2015年初演)と『椿姫』(2016年初演)を、一部キャストを変えて再演する。筆者は3年間白い劇場シリーズ公演を追ってきたが、公演ごとに若手の成長に目をみはった。小野寺のマイムをベースとした演出・振付は、高いボディコントロールの技術と明晰な発声、巧みな間の取り方を演者に要求するが、彼らは皆、小野寺の振付言語をどんどん吸収して自分のモノとしていっていた。果たして初演時からどのように変わっているのか楽しみだ。(折田)


◆国立劇場主催舞踊公演「素踊りの会」

2018年3月17日(国立劇場小劇場)

◇国立劇場が長年続けている「素踊りの会」。素踊りは舞台美術や衣装などの助けを借りず、シンプルな衣裳や小道具でその作品世界を描く、究極の表現方法。日本舞踊家の目指すところでもある。13時、16時開演の2回公演。今回はそれぞれのはじめに日本大学教授丸茂祐佳氏の「対談 素踊りの魅力」〈花柳壽應氏(13時)尾上墨雪氏(16時)〉がつくのが新しい試み。ラインナップは、坂東三津映『俳諧師』、吾妻徳穂、花柳寿楽『時雨西行』、花柳寿美『新曲浦島』、西川扇藏『玉屋』/中村梅彌『梅』、若柳吉蔵、吉金吾『吉原雀』、藤間勘左『長生』、尾上墨雪、紫『二人椀久』。歌舞伎舞踊や演奏用の曲に振りをつけたものなど、多様な世界の素踊りが、選りすぐりの演者によって一度に見られる好企画だ。(阿部さとみ)


◆大駱駝艦・天賦典式 「罪と罰」

2018年3月17、18日(新国立劇場中劇場)

◇新国立劇場が開場20周年を記念して上演する「舞踏の今」シリーズの第二弾。あの大駱駝艦が、ついに新国立劇場に初登場する。主催者である麿赤兒が“宿命”という壮大なテーマのもと、ドストエフスキーの『罪と罰』に着想を得て、新作を発表する。舞踏が国立の劇場に進出するという事実に並々ならぬ気合いが入っているというから、期待せずにはいられない。(吉田 香)


◆NBAバレエ団 『海賊』 

2018年3月17、18日(東京文化会館・大ホール)

◇『海賊』はバイロン卿の同名の詩が原案となっているが、登場人物の名前を借りている程度で、ストーリーは華やかな踊りの添え物といったところ。しかし今回初演されるNBA版は、詩には登場しないがバレエ版の人気者のアリを残しつつ、原作の要素を増やしている。ギュリナーラがコンラッドに惚れるのは、原作の重要な設定だ。そして音楽は新垣隆が担当する。耳馴染みのある楽曲は残しつつ、新たに作曲された部分もあるという。NBAバレエ団は久保綋一体制になって以来、エンターテイメント性を特色として打ち出しており、本作もきっと観客の期待に応えてくれるだろう。(隅田有)


◆熊川哲也 K-BALLET COMPANY Spring 2018『白鳥の湖』 

2018年3月21〜25日(Bunkamuraオーチャードホール)

◇熊川哲也版『白鳥の湖』は、ドラマティックな演出や豪華な衣裳・装置と、見どころが満載。コアなファンはもちろんのこと、初めてバレエを鑑賞する観客にも推薦したい決定版だ。今回は、浅川紫織&宮尾俊太郎、中村祥子&遅沢佑介、矢内千夏&栗山廉の3組が主演。いずれも見逃せない充実のキャスティングに期待したい。(宮本珠希)


◆《バレエ・ローズ・イン・ラブストーリーズ バラで綴るバレエの恋の物語 一夜限りのおしゃれなロマンティック・ファンタジー》

2018年3月26日(新宿文化センター・大ホール)

◇チャコットが伊藤範子の振付を使って舞台を創るのは、2016年と2017年の《バレエの世界のお姫様たち》に次いで三回目となる。今回はグラン・パ・ド・ドゥの豪華競演だ。『ドン・キホーテ』を小野絢子・福岡雄大、『白鳥の湖』の「黒鳥」を池田理沙子・井澤駿、『ジゼル』第2幕を佐々部佳代・清水健太、『ロミオとジュリエット』のバルコニー・シーンを永橋あゆみ・三木雄馬、『眠れる森の美女』第3幕を織山万梨子・キム・セジョンが踊る。これだけの顔ぶれをいっぺんに見られる機会は、そうそうあるものではない。(山野)


◆近藤良平×永積崇《great journey 2nd》

2018年3月27日-4月1日(横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール)

◇2016年10月に上演された《great journey》は、ごきげんなパフォーマンスだった。近藤良平と永積崇(ハナレグミ)が見知らぬ国を巡っていくように、ダンスと音楽で会場を満たしてくれたのだ。近藤がまるで遊ぶようにアイデアを次々と動きや音に変えて永積を誘うと、永積は楽し気に反応したり、無茶ぶりに振り回されたりしながら、形のないところから実に愉快なダンスと音楽が生まれていく。相手の個性を引き出しながら、自由に大らかに想像力と創造力を膨らませてダンスを創ることは、近藤の面目躍如。シンプルだけど豊かなパフォーマンスに観客まで楽しくなって、終演後の会場は穏やかな笑顔が溢れていた。その公演の第二弾。何が起こるかわからないからこそ、見に行きたくなるのだ。(稲田奈緒美)


◆Office A/B 北村明子・アジア国際共同制作プロジェクトcross Transit《vox soil》

2018年3月28−30日(せんがわ劇場)

◇かつてダンスカンパニーのレニバッソを主宰し、エッジの効いたダンスを創り、踊っていた北村明子が、《To Belong》というインドネシアとの4年に渡る共同制作プロジェクトを始めたとき、目指す着地点が筆者にはなかなか見えなかった。その後、さらにカンボジア、ミャンマー、インドを回りながら《Cross Transit》のプロジェクトを始め、ワークイン・プログレスのショーイングを3年間続けて、ようやくゴールが見えてきた。9月に見たショーイングでは、旅と試行錯誤の中で出会い、選り抜かれた各国のアーティストに初めて日本のミュージシャンが加わり、北村の振付を身体に落とし込んだダンサーたちが踊ることによって、どこの国ともわからないがコスモポリタン、普遍的で現代的な作品が生まれようとしていた。それは単発でエキゾティシズムを狙ったり、短期間に終わる国際共同制作では成しえないもの。他者と異文化に出会うところから自らの足で始め、迷いながら見極め、時間をかけて信頼関係を構築することで、初めて融合して生まれたダンスと音楽があったのだ。本公演がこのプロジェクトの最終章。どのような新しい世界が開けるのか、是非目撃したい。(稲田)




outofnice at 06:14

January 02, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1220日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年1月公演】


◆2018年新春公演 小松原庸子スペイン舞踊団『大地と炎 Tierra y Fuego』

2018年1月5日(国立劇場・小劇場)

◇日本のスペイン舞踊の第一人者として、半世紀以上舞台に立ち続ける小松原庸子。舞台への熱意と創作意欲は、まったく衰えることなく続いている。今回の舞台は、2002年に初演された神話的な世界を壮大に描く『大地と炎』の再演だが、なんと麿赤児が主宰する大駱駝艦の舞踏手たちと初めて共演するという。小松原の描く洗練された熱いスペイン舞踊と、異形の舞踏手たちがいかに融合し、化学反応を起こしながら新たな舞台を作りあげるか楽しみだ(稲田奈緒美)


◆KARAS《アップデイト・ダンスNo.50》『ピグマリオン‐人形愛』

2018年1月5〜11日(カラス・アパラタス)

◇2017年は、フランス芸術文化勲章受章やパリオペラ座バレエ団への新作の振付、オペラ『魔笛』の総合演出、ニューヨークのリンカーンセンターでの公演等々、世界を股にかけて躍進を遂げた一年だったが、勅使川原自身が常に言っているように、拠点はやはり荻窪にある自身のスタジオ「アパラタス」だ。年はじめのダンスもやはりここから。『ピグマリオン‐人形愛』はバーナード・ショーの戯曲(『マイ・フェア・レディ』の原作)やギリシャ神話に基づくものでなく、「人形愛」「両性具有」「自動筆記」等をテーマとした彼ら独自のものになるという。正月早々こうしたテーマを取り上げるとは実に彼ららしく、捻じれた美しい世界が繰り広げられることだろう。この公演が終わるとヨーロッパで活動し、5月まで日本での公演はないというから、その意味でも是非観ておきたい。(吉田 香)


◆Co.山田うん 2018 3都市ツアー『モナカ』

2018年1月5〜8、21、26日(スパイラルホール、福岡市立東市民センターなみきホール、ロームシアター京都・サウスホール)

◇東京一極集中、ソロやデュオなどの少人数中心、新作中心の傾向が強い日本のコンテンポラリー・ダンス界において、山田うんは稀有な存在である。カンパニー制とレパートリー制を採用して、常時10名を超える若手ダンサーを育成しながら、作品を再演してブラッシュアップしている。発表の場も首都圏にとどまらず、全国や海外でのツアー公演、全国の公共ホールでのワークショップ、海外のアーティストとの共同制作など、意識的に外へ、外へと活動を開いている。そんなCo.山田うんが新年早々、エンジン全開でツアー公演を行う。初演時は、聴衆の感覚をざわつかせるようなヲノサトルの音楽と有機的に展開していく振付、そして抜群に動けるダンサー達の群舞の迫力に圧倒された。新年の観劇初めにふさわしい舞台となるだろう。(折田彩)


◆『PLUTO プルートゥ』

2018年1月6〜28日(Bunkamuraシアターコクーン)

◇シディ・ラルビ・シェルカウイ演出・振付、森山未來主演の『PLUTO』が3年ぶりに再演される。しかしただの再演ではない。モダンダンスを長年続け、ダンサーとしても活動する土屋太鳳がメインキャストに入り、シェルカウイのカンパニー「EASTMAN」のメンバーで彼の舞踊言語を良く知る湯浅永麻も加わる。大植真太郎、上月一臣ら継続して参加するシェルカウイ組のダンサー達と共に、彼らがどんな風に言葉と動きで作品世界を紡ぎ上げるのか、期待が高まる。(折田)


◆新国立劇場《開場20周年記念特別公演 ニューイヤー・バレエ》

2018年1月6、7日(新国立劇場オペラパレス)

◇一昨年から始まった年始めのガラ公演。バランシン振付の『シンフォニー・イン・C』が楽しみだ。磨きのかかったテクニックと、スタイリッシュな軽快さで、振付の面白みを引き出し、昨年の『ヴァレンタイン・バレエ』で披露した『テーマとヴァリエーション』と同様に、今回も素晴らしい舞台になるだろう。ロマンティック・バレエの代表作『パ・ド・カトル』は、本島美和、寺田亜沙子、木村優里、細田千晶が出演。タリオーニ、グリジ、チェリート、グラーンのそれぞれのパートを誰が踊るのか楽しみだ。他に『チャイコフスキーのパ・ド・ドゥ』(米沢唯、奥村康祐)と、『グラン・パ・クラシック』(小野絢子、福岡雄大)が予定されている。全幕作品からの抜粋はなく、全てガラ公演でしか見られない演目を揃えてくるところがニクイ。(隅田有)

◆ピアジェpresents《ル・グラン・ガラ2018》

2018年1月11〜13日(東急シアターオーブ)

◇パリ・オペラ座バレエ団のスターダンサーによる共演は、いずれもジョルジオ・マンチーニの全幕日本初演『トリスタンとイゾルデ』(ドロテ・ジルベール&マチュー・ガニオ)、世界初演『ヴェーゼンドンク歌曲集』(ジェルマン・ルーヴェ&ユーゴ・マルシャン&オニール八菜)と、意欲的なプログラムが並ぶ。衣裳や映像にも世界的なクリエイターを起用するなど、一年の始まりにふさわしい華やかな公演になること間違いなし!だ。(宮本珠希)


◆谷桃子バレエ団 新春公演『白鳥の湖』(全幕)

2018年1月13、14日(東京文化会館・大ホール)

◇谷桃子バレエ団が『白鳥の湖』の全幕に本格的に取り組むのは、2012年4月の新国立劇場での創立60周年記念公演以来のことであり、6年ぶり。2017年5月に芸術監督に就任した高部尚子が最初に取り組む古典の舞台だ。2015年4月26日に94歳で亡くなった谷桃子の名演技が今でも話題になる『白鳥の湖』だが、これが谷桃子のいない谷桃子バレエ団による最初の『白鳥の湖』全幕上演ということになる。高部尚子は谷桃子バレエ団で『白鳥の湖』の全幕を数多く踊ってきたが、最後に踊ったのは2002年1月のことで、その時の相手役は熊川哲也だった。経験豊富な高部が、すっかり若返った竹内菜那子、馳麻弥、植田綾乃、山口緋奈子の主役陣をどう使いこなすかに注目しよう。(山野博大)


◆ジェローム・ベル『GALA-ガラ』

2018年1月20、21日(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール)

◇「ダンスではない」との批判を常に浴びながら実験的な作品を発表し続けるフランスの振付家・ジェローム・ベルが、6年ぶりに埼玉にやってくる。前作の『ショー・マスト・ゴー・オン』同様、世界中(すでに50都市以上で上演されている)その土地土地で選ばれた人々が出演する。年齢も性別も職業も様々で、舞台はまさに社会の縮図。いわゆる“ダンサー”という概念を覆す風貌や動きを前に「ダンスとは何か」を考えることになるだろう。しかし、ベル特有のユーモアが畳みかけてくるから、そんな問いかけも堅苦しいものじゃない。リラックスして楽しもう。(吉田)


◆在研会《DANCE FLAME》

2018年1月24、25日(東京・両国シアターΧ)

◇文化庁が若手芸術家の海外での研修にお金を出すようになったのは、1967年からであり、すでに半世紀が経つ。舞踊会でも、主だった者のほとんどが在外研修員の経験者だ。その中で現代舞踊系の人たちが集まって行う公演が《在研会 DANCE FLAME》だ。今回は、石原完二、中西優子、仲野恵子、能美健志、松山善弘、山元美代子、渡辺福代、折田克子、高瀬多佳子というベテランたちが、その後の研鑽の成果を披露する。(山野)


◆東京ゲゲゲイ《東京ゲゲゲイ歌劇団 キテレツメンタルワールドvol.2》

2018年1月17‐21日(東京・よみうり大手町ホール)

◇マイキーこと牧宗孝率いる東京ゲゲゲイは、近年舞台やテレビなどで注目を集めるダンスチーム。ストリートダンサー、パフォーマー、振付師、演出家、音楽家として活躍するマイキーのポップでシュールで、グロテスクで可愛い独特の世界と個性的なダンサーたちは、一度見たら忘れられない。ダンスと音楽と芝居が混然として、何がどうなることやらわからない。だからこそ、こわごわ、ワクワクしつつ覗いてみたいの公演だ(稲田)




outofnice at 11:36

December 01, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1120日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年12月公演】


◆ベートーヴェン交響曲第5番『運命』全楽章を踊る

2017年12月1〜3日(森下スタジオ)

◇いまやコンテンポラリーダンス界を背負って立つ存在となった森下真樹によるソロ公演。テーマは、ベートーヴェンのあの『運命』だ。振り付けるのは、楽章ごとに、笠井叡、森山未來、そして、Perfumeや恋ダンス、五輪関連等々、幅広く振付と演出を手掛けるMIKIKO、写真家で探検家の石川直樹というなんとも面白い顔ぶれだ。森下の身体を通して、それぞれがどのような“運命”を描くのだろうか。(吉田 香)


◆岩渕貞太ソロ・ダンス2017『missing link』

2017年12月1日〜5日(こまばアゴラ劇場)

◇2000年代初頭、コンテンポラリーダンサーとして踊り始めて間もない岩渕貞太は、ニブロールや山田うんらの作品に登場して軽やかなイメージを残した。ところがその後、故室伏鴻のカンパニーメンバーとして活動を始めると、一転して深く硬質な身体で佇み、あるいは怪しげな刃物のように踊る身体へと変わっていく。近年では振り付けることも通して、ダンスと身体に向き合う姿が独特の吸引力を発している。その彼が生物進化の失われた環である「missing link」という、ある不在をソロとして現前させる作品に挑む。今の彼がどのような姿で立ち現れるのか、しっかり見届けたい(稲田奈緒美)


◆井上バレエ団12月公演ピーター・ファーマー美術による『くるみ割り人形』

2017年12月9、10日(文京シビックホール・大ホール)

◇12月は各地で『くるみ割り人形』が上演され、様々な演出がファンを楽しませる。井上バレエ団は子供のクララが全幕を通して出演し、王子様は一幕で雪の精、二幕で金平糖の精をパートナーにパ・ド・ドゥを披露する。源小織と宮嵜万央里がダブルキャストで金平糖の精を踊り、浅田良和と江本拓が、昨年に引き続き王子役でゲスト出演。さらにねずみの王様の大倉現生も見逃せない。着ぐるみ姿は一見コミカルだが、年々役に深みが増して、格好よさはもはや他の追従を許さない。大倉のねずみの王様は、クララを脅かすというよりも、ダークサイドに誘うのが特色だ。真っ白の衣装のくるみ割り人形と舞台中央に並び立つと、善と悪の対決が強調されて盛り上がる。こっそりねずみ軍を応援してしまうのは筆者だけではないはず?!(隅田有)


◆伝統と創造シリーズvol.9『老松』

2017年12月10〜12日(セルリアンタワー能楽堂)

◇セルリアンタワー能楽堂主宰の《伝統と創造シリーズ》の9回目に、コンテンポラリー・ダンスの黒田育世が登場して、常連の酒井はな、津村禮次郎と共に世阿弥の夢幻能『老松』に挑戦する。バレリーナの酒井も度を履き能舞台で舞うそうだ。どんなことになるのか、見ておきたい。(山野博大)


◆映画『新世紀、パリ・オペラ座』

2017年12月9日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

パリ・オペラ座のドキュメンタリー映画はこれまでにも製作され、舞台裏のバレエダンサーの姿などを垣間見せてくれた。しかしこの映画では、舞台裏のダンサーやオペラ歌手よりむしろ、オペラ座という組織が巨大な生き物のように描かれている。日頃のレッスン風景や作品リハーサルだけでなく、就任間もない総裁ステファン・リスナーら運営側から舞台の技術スタッフ、掃除係までが悩みながら、衝突しながら、それでも幕を開けて観客からの喝采を得るために一丸となって進んでいく様子は、ときに滑稽であり、スリリングだ。バレエファンにとってのクライマックスは、バレエ団芸術監督がバンジャマン・ミルピエからオレリー・デュポンへと変わるところだろうか。映画監督ジャン=ステファヌ・ブロンが2015年から約1年半をかけて撮影した、パリ・オペラ座という素敵な生き物を堪能してほしい(稲田奈緒美)


◆新国立劇場開場20周年記念 新国立劇場バレエ団『シンデレラ』

2017年12月16〜24日(新国立劇場・オペラパレス)

◇新国立劇場の十八番と言ってもよいだろう。開場2年目の1999年から本作を上演し、2006年からは偶数年の年末の定番のレパートリーだった。しかし今年は奇数年恒例の『くるみ割り人形』を10から11月にかけて一足早く上演。二年連続で『シンデレラ』が観られるのは嬉しい。運命を見方につけて自分で幸せを掴みに行くアシュトン版のシンデレラは、バレエの主人公の中でも独特な存在だ。舞踏会の出席を助ける仙女とシンデレラの関係が興味深く、登場のシーンで二人は鏡合わせのように踊る。プロコフィエフの物語性の高い音楽と見事にマッチし、様々な深読みができる演出が、観れば観るほど面白い。今年は5人のシンデレラと王子様が登場。どのキャストで観るかも悩むところ。(隅田)


◆チャイコフスキー記念東京バレエ団・ベジャールの『くるみ割り人形』」

2017年12月16、17日(東京文化会館・大ホール)

◇ベジャール版『くるみ割り人形』の主人公ピムは、少年時代のベジャールの分身だ。7歳のピム(16日・岡崎準也、17日・高橋慈生)が、母親にクリスマス・プレゼントを貰うところからバレエは始まる。そのヴィーナスの像が舞台の上で巨大化し、ピムはそれによじ登って唇にキスをする。像が半回転して、その背中の聖母像の中から彼の母親(16日・渡辺理恵、17日・崔美実)が現れる。1999年の取りのでの初演時にはなかった、日本版特別のマジック・キューピーのキャラクターを今回も飯田宗孝が楽しげに演じて、舞台の空気を和ませることだろう。ベジャール没後10年目に観る『くるみ割り人形』はこれだ。(山野)


◆熊川哲也Kバレエカンパニー『くるみ割り人形』赤坂Sacasバージョン10周年記念 

2017年12月21〜24、26日(赤坂ACTシアター、とうほう・みんなの文化センター)

◇熊川哲也がてがけた『くるみ割り人形』は、E.T.Aホフマンによる原作のエッセンスを散りばめ、ドラマティックに昇華させた決定版。人形の国とネズミの対立、クララのめくるめく旅路とそこに見られる内面的な成長など、重層的な構成が大きな魅力である。また、他の版に比べ、ドロッセルマイヤーの踊りの見せ場が多いのも特徴だ。ヨランダ・ソナベントによる息を呑むほどの美しい舞台美術・衣裳も必見!今回をもって赤坂Sacasでの上演は最後となるが、丹念に紡がれたファンタジーの世界を臨場感溢れる空間で堪能したい。(宮本珠希)


◆泉樹会・華継会 藤間清継リサイタル《大和の風景》

2017年12月24日日(国立劇場・小劇場)

「大和の風景」と冠した三本立てのうち、清継は清元『大和風月』、長唄『二人静』を上演。とりわけフラメンコと日本舞踊のコラボレーションの『二人静』に期待が寄せられる(振付・佐藤浩希、藤間清継)。『道成寺』など和物を題材にした作でも高い評価を得ている鍵田真由美。日本舞踊の世界では若手の範疇に入るが、確かな技術力を持ち、新派風の女形を得意とする清継。静御前の世界を昭和初期に移し、静御前の霊(鍵田)と年季明けの遊女(清継)が出会う。二人の女の交錯と舞踊の融合が楽しみなクリスマス・イブである。(阿部さとみ)


◆創立150周年記念ウクライナ国立歌劇場来日公演フェスティバル キエフ・バレエ公演/

《オール・オブ・クラシックプレミアムコンサート〜オペラ&オーケストラ&バレエ》

2017年12月24、26、27、28、1月3〜8日(東京国際フォーラム・ホールA、東京文化会館・大ホール、アクトシティ浜松・大ホール、千葉県文化会館・大ホール、Bunkamuraオーチャードホール)

◇年末年始にかけて、ウクライナ国立歌劇場がバレエ団、指揮者、歌手、オーケストラ、合唱団すべてを引き連れた豪華な引っ越し公演を行う。オペラ、バレエ、オーケストラそれぞれの公演が催されるが、一番の注目は全部門が一堂に会する12月27日のガラ公演だろう。オーケストラとオペラ・アリアの名曲集、そしてアロンソ版『カルメン』が披露される。アロンソ版をオーケストラ演奏で見られる滅多に無いチャンスであり、かつフィリピエワがカルメンを演じるという豪華さだ。キエフ・バレエ公演では、12月26日の《150周年バレエ・ガラ》に注目したい。バレエ団のソ連時代の代表作である『森の詩』(第3幕のみ)が40年ぶりに日本で上演される。バレエ団の過去と現在を感じられる貴重な一夜になるだろう。(折田彩)



outofnice at 10:43

October 31, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1020日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年11月公演】


◆日本バレエ協会《バレエ・クレアシオン》

2017年11月11日(メルパルク)

◇今回は、田中祐子の『くびちりどぅし』、近藤良平の『ねこ背』、中村恩恵の『7つの短編』という3本の新作を上演する。田中は沖縄の題材をトー・シューズのダンサーを使ってどう処理するのか、近藤がバレエ・ダンサーに運動靴を履かせてどんな舞台を作るのか興味津津。中村の舞台では、ジョン・ケージの音楽を中村、首藤康之、山本隆之と日本バレエ協会のダンサーたちが踊る。新たな名作誕生への期待が高まる。(山野博大)


◆黒沢美香追悼企画《美香さんありがとう》

2017年11月12、25日『一人に一曲』18日『lonely woman』(大倉山記念館ホール)

◇2016年12月に旅立った黒沢美香の追悼企画。彼女と共に歩んできた黒沢美香&ダンサーズ有志によるダンス公演と上映会が、月をまたいで12月まで行われる。一人ずつランダムに選ばれた曲を即興で踊り切る『一人に一曲』、1991年に日本代表となりフランスでバニョレ国際振付コンクール本選に参加するも、その即興性ゆえに上演を拒まれたという『Lonely Woman』は、いずれも黒沢の伝説のシリーズ「偶然の果実」から生まれたもの。年末には、24名の歴代のダンサーズが黒沢の小品を次々と踊る[黒沢美香 振付作品集「ダンス☆ショー」より]が上演される。上演会は、渋谷のアップリンクにて、作品やドキュメンタリーを集めた5つのプログラム編成となっている。その他、トークあり、ギャラリー展示あり、黒沢の清廉且つギラギラしたダンスワールドにどっぷり浸かれるという企画である。寂しいが、このイベントが黒沢美香&ダンサーズとって最後の活動となるという。今年の締めくくりには、黒沢を偲びつつ、カンパニーメンバーの前途をともに祝したい。(吉田 香)


◆STスポット《30th アニバーサーリー ダンスセレクション》

vol.2 ダンスショーケース(Aokid、岩淵貞太、岡田智代、モモンガ・コンプレックス)2017年11月9 – 12日(STスポット)

Vol.3 山田うん×楠田健造『生えてくる』2017年11月17-19日(STスポット)

◇ST Spotは横浜駅近くのビルの地下にある、さほど大きくはないスペース。でも、ここは新しいコンテンポラリーダンスが生まれる場であり、同時にそれを創る振付家、ダンサー、スタッフが育つ場である。30周年を迎えて、これまでST Spotに関わってきたダンサーたちが集う企画が行われている。既にvol.1は10月に終わり、伊藤キムと山下残が踊った。11月はvol.2 ダンスショーケースでAokid、岩淵貞太、岡田智代、モモンガ・コンプレックスの4組の作品が、vol.3 で山田うん×楠田健造の『生えてくる』が上演される。特に後者は、初めての振付作品をここで発表した山田と、その公演に出演し現在はオランダを拠点に活動している楠田が、21年ぶりに出会ってデュオを踊るという。多様なダンスとダンサーと、それらが織りなす場の歴史を味わい、30周年を祝いたい。(稲田奈緒美)


◆SPAC『変身』

2017年11月18日〜12月10日(静岡芸術劇場)

◇不条理文学の傑作を小野寺修二が演出した本作の初演(2014年)は、小野寺の鮮やかな作品解釈と緻密な演出、俳優達の明晰な身体表現、音楽の阿部海太郎や美術の深沢襟らのセンス溢れるスタッフワークが高度に嚙み合い、『変身』の一つの完成形とも言える素晴らしい舞台となった。この傑作が3年ぶりに再演される。今回は、初演に出演したカンパニー・デラシネラの大庭裕介が抜けてオールSPACキャストとなるが、スズキ・メソッドを習得しているSPACの俳優陣はみな驚くほど体のコントロールに優れ、小野寺の複雑な振付をモノにしている。ダンスファンにこそ見てほしい、珠玉の演劇公演である。(折田 彩)


◆モーリス・ベジャールバレエ団Aプロ『魔笛』、Bプロ『ボレロ』『ピアフ』『アニマ・ブルース』『兄弟』、東京バレエ団合同ガラ《ベジャール・セレブレーション》
Aプロ 2017年11月17〜19日(東京文化会館)
Bプロ 2017年11月25、26日(東京文化会館)
特別合同ガラ 2017年11月22、23日(東京文化会館)

◇ベジャール没後10年の記念シリーズ。モーリス・ベジャールバレエ団の来日公演としてAとBの二つのプログラムを上演し、その合間に東京バレエ団との合同公演《ベジャール・セレブレーション》を披露する。この合同公演はベジャールの命日である11月22日とその翌日の23日に開催され、ベジャールを偲ぶ舞台映像を公開するなど特別企画が実施される。会場には遺品も展示されるそうだ。バレエ団の来日公演では『ボレロ』(Bプロ)を始めとする人気演目に加え、現芸術監督ジル・ロマンの振付作品も予定されており、カンパニーの今が感じられるプログラム。ベジャール亡き後も力強く前進するモーリス・ベジャールバレエ団を、しっかりと目に焼き付けたい。(隅田有)


◆KARAS《アップデイトダンス No.49》『顔』

2017年11月18日〜26日(カラス・アパラタス)

◇勅使川原が自前のスタジオで自作を上演するアップデイトダンスシリーズ。2013年のスタジオ開設当初からコンスタントに創作を重ね、4年で48本もの作品が生み出された。今年最後のスタジオ公演は、カンパニーの看板ダンサー、佐東利穂子のソロ公演。最近の佐東のソロは神がかった輝きを放っており、一作毎ごとに深化しているように見える。濃密な空間のなかでぜひ彼女を堪能してほしい。(折田)


◆イワキ・バレエ・カンパニー《バレエ・ガラ2017》

2017年11月23日(新宿文化会館)

◇今回で3度目となるガラ公演は、菅野英男、芳賀 望米沢 唯を始めとする豪華ゲスト陣を迎え、昨年初演された高橋竜太振付『D/CARMEN』、青木尚哉が演出・振付を手がける『互ヒニ素』など、とても多彩で興味深いラインアップだ。また、米沢と芳賀の『ダイアナとアクティオン』も、磐石のテクニックを誇る米沢と、安定した踊りを見せる芳賀との化学反応に期待が高まる。(宮本珠希)


◆NBAバレエ団『くるみ割り人形』

2017年11月23日(所沢市民文化センターミューズ マーキーホール)

◇12月の東京公演より一足早く、所沢で上演される。久保紘一版は、クリスマスツリーが伸びる場面にプロジェクションマッピングを使ったり、戦いに敗れたネズミの残党が毒入りケーキのテロを仕掛けたりと、観客を楽しませる仕掛けが盛りだくさん。一幕には疾走感、二幕にはアクロバティックな華やかさがある。NBAらしさが感じられる、エンターテイメント性の高い演目だ。(隅田)


◆《舞の会―京阪の座敷舞−》

2017年11月23日(国立劇場)

毎年恒例の舞の会。凝縮された日本の美学を楽しめること必至の公演。座敷舞は、シンプルな扮装、装飾を削ぎ落とした中に、風景や人の心といった情緒を紡ぎ出す。いわば引き算の美学がそこにある。上方を代表する四流(井上・楳茂都・山村・吉村)を中心とした布陣で、1時、4時の二回公演、各々6演目が並ぶ。ますますの充実をみせる人間国宝・井上八千代の『蓬生』。吉村輝章、真ゆうによるのどかな『たぬき』。山村友五郎の端然とした『新道成寺』などなど、多種多様な舞の世界を堪能できるだろう。(阿部さとみ)


◆新国立劇場《舞踏の今・その1》山海塾『海の賑わい 陸の静寂 〜めぐり』

2017年11月25、26日(新国立劇場中ホール)

◇新国立劇場の舞台に舞踏の山海塾と大駱駝艦が登場する。その第一弾が山海塾だ。彼らが東京で公演を行うのは2015年以来、2年半ぶりのこと。『海の賑わい陸の静寂〜めぐり』は新国立劇場中劇場の奥の深い舞台に似合いそう。久しぶりに彼らの宇宙感覚漂う静謐な舞踏空間をじっくりと楽しみたい。(山野)





outofnice at 08:47

October 01, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、920日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年10月公演】


◆芸術祭十月大歌舞伎夜の部より『秋の色種』

2017年10月1〜25日(歌舞伎座)

◇今の季節に相応しいこの演目はその名の通り秋の草花を詠み込み込んだもの。解釈の幅も多様で、一人立、二人立…と、日本舞踊の各流派で様々な振付、演出がなされている。日本舞踊の公演ではしばしば上演されてきたが、歌舞伎興行では珍しく、今回は歌舞伎座での初上演。昨年初めて同曲を手がけた坂東玉三郎。今回は中村梅枝、中村児太郎と共に三人立の趣向で踊り、秋の風情に、松虫の声…、そこに重ねられる女の恋心…と、その独特の美学が織りなす舞台に期待が高まる。(阿部さとみ)


◆篠原聖一バレエ・リサイタル《DANCE for Life 2017》『ロミオとジュリエット』全2幕

2017年10月1日(メルパルクホール・東京)

◇2001年から始まるシリーズの第10回目。篠原聖一が振付家としてキーポイントとなったという作品を3作上演する。『グラズノフ・パ・ド・ドゥ』は下村由理恵と森田健太郎のために振り付けられた作品で、奥田花純、浅田良和が初役で挑む。『Out』は今回男性3人を加えて上演。豪華キャストに目がくらむ『ロミオとジュリエット』全幕と合わせて一挙上演に期待が膨らむ。(隅田有)


◆Kバレエカンパニー『クレオパトラ』

2017年10月6〜9、12、14、20〜22、28〜29日(Bunkamuraオーチャードホール、愛知県芸術劇場・大ホール、フェスティバルホール、東京文化会館・大ホール)

◇前作『カルメン』から3年の時を経て、熊川哲也の手がける大作がまたひとつ誕生する。『クレオパトラ』は、同氏の完全オリジナル作品であり、史実を基に古代エジプト絶世の美女を巡るドラマが展開される。世界初演のタイトル・ロールは中村祥子と浅川紫織。伝説的な美の化身をどのように演じ、我々を魅了してくれるのか期待は高まるばかりである。また、公演プロモーションのビジュアルも鮮烈であり、映像で流れている印象的なカール・ニールセンの音楽も堪能したい。さらには、前田文子デザインの絢爛たる衣裳、ダニエル・オストリングによる洗練された舞台美術も大きな見どころだ。これまで数々のクラシック作品を、独自の解釈や美意識でドラマティックかつ壮麗に昇華させてきた熊川の新境地に立ち会いたい。(宮本珠希)


◆牧阿佐美バレエ団『眠れる森の美女』

2017年10月7、8日(文京シビックホール)

◇牧阿佐美バレヱ団『眠れる森の美女』はテリー・ウェストモーランドの振付。きりっと引き締まった展開は、長大なバレエを飽きさせずに見せてくれる。1982年の初演で川口ゆり子、ゆうきみほ、清水洋子、矢都木みつる、森下洋子という5人が競演して以来、多くのオーロラ姫を生み出してきた。今回はヌーツァ・チェクラシヴィリと中川郁のダブルキャストだ。どちらを見ようか。(山野博大)


◆TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2016 受賞者公演 平原慎太郎 OrganWorks『聖獣〜live with a Sun〜』吉田

2017年10月12〜15日(シアタートラム)

◇2016年にトヨタ コレオグラフィ―アワードで「次代を担う振付家賞」と「オーディエンス賞」を同時受賞した平原慎太郎。他に大差をつけて受賞した圧倒的なパフォーマンスが記憶に新しい。その副賞として与えられたのが、今作の創作と公演に対する助成である。聖書の“聖獣=リヴァイアサン”や日本文学における“虫”から着想を得たという。Noismやコンドルズでダンサーや振付家として活躍する一方、国内外のアーティストと多数共演し、飛ぶ鳥を落とす勢いの平原が、自身のカンパニーOrganWorksを率いてどう報いるのか、楽しみだ。(吉田 香)


◆法村友井バレエ団創立80周年公演『赤き死の舞踏』『騎兵隊の休息』『未来へ』

2017年10月15日(フェスティバルホール)

◇バレエ団創立80周年を記念して、法村・友井バレエ団が異なる趣向の三作品を上演する。メインは、エドガー・アラン・ポー原作『赤き死の仮面』をバレエ化した「赤き死の舞踏」。1956年に創作初演されたが、長らく上演されていなかった作品だ。戸田邦雄が作曲した楽譜が見つかったことから、振付を新たに篠原聖一に依頼して、まったく新しい作品として蘇る。赤死病(ポーの創作)が蔓延する領地を見捨てて城内に閉じこもるプロスペロ公を法村圭緒、赤死病の精を法村珠里が踊る。ポーの怪奇小説のバレエ化という珍しい試みに興味が募る。ほかは、同団が得意とするロシアバレエ「騎兵隊の休息」(原振付マリウス・プティパ)、創立80周年を祝い法村圭緒が振り付ける「未来へ」(音楽はスメタナの「モルダウ」)。80年の過去と未来をつなぐ、挑戦的かつ新鮮な公演が楽しみだ。(稲田奈緒美)


◆芸劇dance イデビアン・クルー『肩書ジャンクション』

2017年10月20〜22日(東京芸術劇場・シアターイースト)

◇毎年秋に先鋭的なコンテンポラリー・ダンス作品を上演している「芸劇dance」企画に、今年は初めてイデビアン・クルーが登場する。毎回無駄に豪華な装置と小芝居や小ネタ満載の動きで我々を驚かせるイデビアンだが、今回は「最小限の美術と研ぎすまされた人の動きに満ちた作品」を目指すらしい。え?イデビアンが?今までとは違う新たなイデビアンを発見できるかもしれない。(折田 彩)



◆現代舞踊協会《2017時代を創る現代舞踊公演》

2017年10月28、29日(渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール)

◇この公演は、日本の現代舞踊の今を背負って立つ舞踊家たちの競演の場だ。彼らが、石井漠、高田せい子、江口隆哉らが培ってきた財産を、今の時代にどのようになじませているかを確かめてみよう。その他に「名作の再演」として芙二三枝子が1973年に日生劇場で初演した壮大な群舞『巨木』の再現上演もある。(山野)


◆バットシェバ舞踊団/オハッド・ナハリン『Last Work−ラスト・ワーク』

2017年10月28、29、31日、11月3、5日(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール、北九州芸術劇場・中劇場、愛知県芸術劇場・大ホール、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール・中ホール)

◇10月は文句なくバットシェバ舞踊団の月であろう。2年ぶりの来日公演を行うだけでなく、主宰のオハッド・ナハリンが考案したオリジナルのダンス・メソッド「GAGA」を体験できるワークショップ、ナハリンのドキュメンタリー映画『ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス』の日本公開も時を同じくして行われる。目と体でバットシェバを感じることができる贅沢な機会である。肝心の『Last Work』は、短いトレーラーを見ただけでも作品の強度に驚嘆させられた。どうかこの傑作を見逃さないでほしい。(折田)


◆新国立劇場『くるみ割り人形』

2017年10月29日〜11月15日(新国立劇場オペラパレス)

◇新国立劇場の『くるみ割り人形』としては3つ目のプロダクション。1997年から10年間はほぼ隔年でマリインスキー劇場の装置と衣装を使ったワイノーネン版を、そして2009年からは牧阿佐美版を上演してきた。そして今年、ウエイン・イーグリング版が新制作される。『くるみ割り人形』は古典でありながら、振付・演出ともプロダクションによってさまざま。オランダ国立バレエやイングリッシュ・ナショナル・バレエで既に本作を手がけてきたイーグリングの、新国立劇場版に期待したい。(隅田)





outofnice at 09:52
記事検索