March 20, 2020

熊川哲也 Kバレエカンパニー『白鳥の湖』


熊川哲也版の『白鳥の湖』の初演は2003年、神奈川県民ホールだった。序曲でオデットが、ロットバルトに白鳥に変えられるシーンがあり、以後のドラマティックな展開を予測させる。第3幕では、花嫁候補と王子の出会いをていねいに見せ、その後にオディールを登場させて王子の心の揺れを示す。スペイン舞踊とオディール、ロットバルトが一体になり、王子の判断力を奪う。そして第4幕では、コール・ド・バレエがオデットを懸命に守るシーンがあり、その後に絶望したオデットと王子が崖から身を投げる。その死により、ロットバルトは閃光と共に消滅。紗幕の向うに、オデットと王子のつれ添う姿を見せて幕を下ろす。

初役ながら、成田紗弥はオデット、オディールをみごとに演じ分けた。彼女はすでに『シンデレラ』『マダム・バタフライ』『くるみ割り人形』を踊り、熊川の創るドラマの世界で十分に通用することを示してきた。今後が期待できる新進バレリーナだ。

カーテンコールに熊川が登場し、山本雅也のプリンシパル昇格を観客に伝えた。山本は2014年の入団。『ドン・キホーテ』『ロミオとジュリエット』『コッペリア』『ジゼル』『ラ・バヤデール』『くるみ割り人形』『シンデレラ』『マダム・バタフライ』のタイトル・ロールを踊り、シャープなテクニックと的確な演技を印象付けてきた。3月に踊るプティの『若者と死』では、どのような役作りをするのだろうか。

(山野博大 2020/1/30 オーチャードホール)

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