March 06, 2020

Noism1+Noism0 森優貴/金森穣 Double Bill


金森穣の《シネマトダンス−3つの小品》から。これは舞踊と映像を対等に出会わせ、新たな感覚を生み出そうという舞台だった。小品の1『クロノスカイロス 1』は、Noism1の10人が踊る。等間隔で舞台を走って横切るダンサーたち。その後方のスクリーンに同様のシーンが映る。途中に時間のデジタル表示が出る。その数字のもたらす緊迫感が、舞台の印象を加速した。小品の2『夏の名残のバラ』では、「庭の千草」の歌をバックに井関佐和子が舞台のためのメークをしている映像でスタート。髪を整え、衣裳をつけて舞台に立つところで幕が上がる。ポーズをとる井関を、カメラマン役の山田勇気が映している。観客は、井関の実像と映像を同時に追うことになり、自分の見る角度が増えたことによる感覚の変化に気付く。小品の3は、金森穣自身が踊るソロ『Fratres供戞淵侫薀肇譽 II)だった。舞台中央で力強い動きをこなす金森の背後に映像が現れる。目をこらして見ると、実像と映像の動きが微妙に違っていることが判る。そのずれが観客に与える感覚は、また新たな体験をもたらした。

2本目の『Farben(ファルベン)』は、ドイツのレーゲンスブルク歌劇場の芸術監督を7年務めて帰国した森優貴が、帰国後最初に創った作品。いくつもテーブルを置いた舞台で、井関佐和子らNoismの12人が踊った。森の激しい動きの質感が彼らにぴたりと合い、緊張感を伴った舞台展開となった。森の舞台づくりは出たとこ勝負の感じ。成り行きで思いがけない方向にどんどん変わって行く。よく考えられ、すきなく仕上がった金森作品との対比が楽しめた公演だった。

(山野博大 2020/1/17 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)

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