September 22, 2019

佐藤小夜子 DANCE LABORATORY 第14回発表会《MODERN DANCE SKETCHES '19》


佐藤小夜子が主宰するDANCE LABORATORY の第14回発表会《MODERN DANCE SKETCHES '19》が行われた。

ひとしきり子供たちを楽しく踊らせた後、この5月の舞踊作家協会:連続公演No.203《宮沢賢治の世界》で初演した佐藤小夜子振付の『夜空を眺める』を古井慎也、陽美、上村彩水、佐藤の同一キャストで再演した。家族で夏の夜空を眺めているありふれた情景を描いているのだが、出演ダンサーの個性を生かした踊りで、それぞれの心境、互いの関係などが見えてくる。そして最後には全員でお団子をたべることに…。とりわけ佐藤のおばさん風の、手の込んだ演技がおかしい。『七転八起』は、ヨハン・シュトラウスの「ブルーダニューブ」で、やはり古井、陽美、上村、佐藤の4人が踊る。激しい動きを積み上げるうちにそれぞれの役割分担が明らかになり、踊りの楽しさが増幅されて行く。

藤井公の教えを受けた佐藤は、出演ダンサーの個性をとらえ、動きのおもしろさで何気ない情景を一変させるコツを心得ている。これまでに私は、彼女の『おとなのポルカ』(2008年)、『Polka』(09年)、『ダンス日記vol.2〜笑顔の法則』(10年)、『walk』(11年)、『ねばネバNeighbor』(12年)、『そこを右に曲がると…いや左かもしれない』(13年)、『ダンス日記vol.5-平平平凡凡凡-』(14年)、『そこを右に曲がると…いや左かもしれない』再演(16年)などを見てきた。ちょっとした心理のずれなどを作品化して、観客を笑いに引き込むところが彼女のダンスの魅力だ。この発表会では、踊る子供たちの特性をしっかり読んで、ていねいに作品を仕上げたところが彼女ならではの良さとして心に残った。

(山野博大 2019/8/11 みんなの森 ぎふメディアコスモス みんなのホール)

jpsplendor at 23:03舞台評 | 短評
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