May 01, 2019

【ダンス・タイムズがお勧めする 2019年5月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演やイベントをご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、420日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2019年5月公演】

◆勅使川原三郎ダンス公演『シナモン』

5月2〜6日(シアターX)

◇待望の再演。ポーランドの作家、ブルーノ・シュルツの作品を基にした上演は3年ぶりである。2016年の初演当時「私たちが踊った数多くの重要な作品群から育まれた栄養素が成長した期間限定の集大成」と勅使川原三郎本人が言っていただけあって、素晴らしい出来であった。

http://www.dance-times.com/archives/5047949.html

シュルツの『肉桂色の店』のテキストを佐東利穂子が朗読し、グロテスクで憂鬱だが、夢の様に美しい街並みが舞台上に創出される。肉桂の匂い漂う摩訶不思議な世界に出かけよう。(吉田 香)


◆『ダーナの泉』作:岡本由利子

5月4日(西国分寺いずみホール)

◇岡本由利子というまったくの無名の人が台本を作り、作曲したバレエ『ダーナの泉』が上演されることになった。新国立劇場バレエ団でピアノを弾き、時にオーケストラの指揮もしてバレエ界で特殊なポジションにある江藤勝己が、振付をはじめ全面的に協力して、この公演は行われる。その成果を確認しなければならない。(山野博大)


◆ローザス『A Love Supreme〜至上の愛』『我ら人生のただ中にあって/バッハ無伴奏チェロ組曲』

5月9〜12、18、19日(東京芸術劇場・プレイハウス)

◇ローザスが日本初演の2作品を携えて、2年ぶりの来日公演を行う。『A Love Supreme』はサルヴァ・サンチスとの共同振付で、ケースマイケルの真骨頂である音楽を視覚化した構成と、サンチスの作り出すムーブメントの妙を楽しめる。『我ら人生のただ中にあって』はバッハの無伴奏チェロ組曲全曲を用いて踊られる男性三人、女性二人の作品で、ケースマイケル自身も出演する。初演から共演しているジャン=ギアン・ケラスによるチェロの生演奏も嬉しい。2作とも、ダンスファンのみならず、ジャズやクラシックを愛する音楽ファンの心をも打つ作品だ。ぜひ視覚と聴覚両方で名作を満喫してほしい。(折田 彩)


◆スターダンサーズ・バレエ団:鈴木稔振付『シンデレラ』

5月11, 12日(テアトロ・ジーリオ・ショウワ)

◇今年の5月はシンデレラの“あたり月”。新国立劇場、Kバレエ・カンパニー、そしてスターダンサーズ・バレエ団が、それぞれに異なる振付・演出で上演する。わけてもスタダンの鈴木稔版は心温まるバージョン。気立ての良いシンデレラが、日々の暮らしの中で築き上げた可愛らしい応援団に見守られて、ソウルメイトと結ばれる。主役二人は舞踏会より以前に出会っていて、王子は灰かぶり姿のシンデレラの内面の美しさを感じ取る感性を持っている。アダージオやワルツなど振付に見所が多く、英国製の被り物のネズミや、王子が馬に乗るシーンはコミカル。バレエファンから子供まで幅広い層を魅了するプロダクションだ。(隅田有)


◆ジェームズ・ペット、トラビス・クローセン『Elevation〜昇華〜』

5月21日(セルリアンタワー能楽堂)

◇近年の英国ダンス界で、最も革新的かつ思索的なダンスを次々と発表している一人がウェイン・マクレガーであろう。彼が率いるランダム・ダンスカンパニーでの活動のみならず、英国ロイヤルバレエ団の常任振付家としても作品を発表し、また語り、記すことで常に注目を集めている。そのカンパニー・メンバーとして活躍するジェームズ・ペットとトラビス・クローセン・ナイトが、自ら振付けた作品を引っ提げて初来日公演を行う。プロデュースするのは、英国でデザイナー、プロデューサーとして活動する塚本行子が主宰するプラットフォームのファビュラ・コレクティブ。上演する作品は、ジェームズ・ペットがカフカの小説『掟の門』からインスパイアされた同名の新作ソロ、トラビス・クローセン・ナイトが日本の神道をモチーフにしたという新作ソロ「塩と水」、そして二人の共作「informal Between」だ。こちらは昨年サドラーズウェルズ劇場で初演され、高評を博した作品だという。筆者は実際に彼らの作品を観たことはなく、ウェブ公開された映像や断片的な情報、そしてウェイン・マクレガーやサドラーズウェルズ劇場という名前から推測するしかないのだが、彼らがカンパニーで身体と創造性を徹底して鍛えられ、革新的な試みと深い思索の実践を共有することを通じて、ダンサーとして、振付家として即発され続けたことは容易にわかる。その静かな火が、日本の能楽堂という場で新たなかたちを生み、燃え上がるのを見たいものだ(稲田奈緒美)

◆熊川哲也Kバレエカンパニー『シンデレラ』

5月24〜26日(東京文化会館)

◇2012年の初演時には、全12公演がソールドアウトという快挙を成し遂げた同作は、今回、4組の主役カップルによって上演される。中でも、昨年、ともにプリンシパル・ソリストとして入団した成田紗弥、高橋裕哉の初主演に期待も高まる。随所に熊川の美意識やユーモアが盛り込まれた演出や、ヨランダ・ソナベンド&レズリー・トラヴァースによるこの上なく豪華な舞台美術・衣裳など、見どころ満載の大作は見逃せない!(宮本珠希)


◆Co.山田うん『プレリュード』

5月24〜26日(世田谷パブリックシアター)

◇今年も年明け早々からアクセル全開で活動しているCo.山田うんが、オーディションでセレクトした新メンバーを迎え、新作公演を行う。ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、ラヴェルの「クープランの墓」より前奏曲など、様々な「プレリュード(前奏曲)」に乗せて圧巻の群舞が繰り広げられる。元Noism1の吉裕哉らが加わり更に厚みを増したカンパニーが、未来の本編に向けてどのようなプレリュードを奏でるのか、期待をもって見守りたい。(折田)

◆5月特別企画公演《神々の残照―伝統と創造のあわいに舞う―》

5月25日(国立劇場)

◇国立劇場といえば日本の伝統芸能の殿堂だが、多様なジャンルを越境しながらダンスの魅力を発信する事業を、アーツカウンシル東京と共に始めるという。ダンスという広大な海からこの事業が光を当てるのは「言葉と身体」。言葉と共にあるダンス、言葉に触発されたダンス、言葉では表現できないことを表すダンスなどなど、このテーマは実に奥深く、幅広い。今回は“神”をキーワードに、日本舞踊「翁千歳三番叟」(尾上墨雪、花柳寿楽、若柳吉蔵)、インド古典舞踊「オディッシー」(小野雅子、シルシャ・ダッシュ他)、トルコ舞踊のメヴラーナ旋回舞踊「セマー」(コンヤ・メヴラーナ楽団)、コンテンポラリーダンス「いのちの海の声が聴こえる」(構成・振付・演出:笠井叡、出演:近藤良平、酒井はな他)が上演される。時代と地域を縦横に巡る意欲的なプログラムだ。これらが一堂に会することで、それぞれのダンスの背景にある文化と歴史、ダンサーや振付家たちの身体と言葉が渦巻き、化学反応を起こすに違いない。その言葉と身体の震えを体感し、ダンスの力を全身に浴びてほしい。(稲田)


◆新国立劇場ダンス公演:森山開次『NINJA』

5月31日〜6月9日(新国立劇場小劇場)

◇森山開次が新国立劇場の企画制作で発表する、大人も子供も楽しめるダンスの第二弾は『NINJA』。大評判の前作『サーカス』は、劇場全体がオモチャ箱のように飾り立てられ、ユニークな登場人物たちがアクロバティックなダンスを見せた。今回はタイトルの忍者はもちろん、蛇・蛙・蛞蝓の三すくみなど、個性豊かな和のキャラクターが大活躍。趣向を凝らした大道具・小道具と共にケレン味あふれる舞台になりそうだ。すでに新国立劇場の公演チケットは完売で、先日追加公演が発表されたところ。こちらもすぐに売り切れてしまいそうなのでご用心を!(隅田)


◆堀内充 《BALLET COLECTION 2019》

5月31日(めぐろパーシモン大ホール)

◇堀内充は、それまで兄の堀内元と一緒にやっていた《BALLET COLECTION》を、2016年から単独でやるようになった。彼の創作は音楽をよく聞いて、それに無理のないバレエのステップをぴたりとつけて行くというもの。無理な動きの連続で固めたような「創作」が多い昨今、彼の作品の柔らかな感触に救いを求めるファンも多い。(山野)




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