January 31, 2019

【ダンス・タイムズがお勧めする 2019年2月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演やイベントをご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、120日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2019年2月公演】


◆札幌芸術の森バレエセミナー30周年記念公演

2019年2月2日(札幌文化芸術劇場hitaru)

◇1988年に開講し、これまで多くのダンサーを輩出してきた同セミナーの30周年を祝し、盛大に公演が開催される。監修を務めるのは元パリ・オペラ座バレエ団のエトワールで、現在はスペイン国立ダンスカンパニーの芸術監督を務めるジョゼ・マルティネズ。彼が振付けた『スカラムーシュ』には、オーディションで選ばれた子供たちが出演する。また、同カンパニー所属の大谷遥陽が、アンヘル・ガルシア・モリネロと踊る『ドン・キホーテ』にも期待が高まる。磐石のテクニックで抜群の安定感や余裕を見せてくれるだろう。ブノワ賞受賞の木田真理子&児玉北斗による『四つのバラード』も必見だ。ダンサーとして充実期を迎えるふたりの踊りを堪能したい。さらに、上野水香&柄本 弾も『ドリーブ組曲』を披露するなど、豪華キャスト陣の競演は見逃せない!(宮本珠希)


◆新作ダンス公演 イスラエル・ガルバン+YCAM《Israel&イスラエル》

2019年2月2、3日(山口情報芸術センター・スタジオA)

◇革新的、独創的なフラメンコで天才と呼ばれ、世界中で活躍するイスラエル・ガルバン。全身をしなやかに弾ける楽器のように、あるいは高速かつ精密な機械のように操る圧倒的なフラメンコは、昨年の日本公演でも話題となった。そのガルバンが山口情報芸術センターYCAMで、もう一人の自分と競演する。もう一人とは、YCAMが誇るインターラボでAI(人工知能)に彼の動きを学習させたもの。ダンスとAI、身体とテクノロジーが呼応することで、どんなステップや音、リズム、知覚や感情が生まれるのか、多方面から関心を集めそうだ。(稲田奈緒美)


◆横浜ダンスコレクション2019《コンペティションI》《コンペティションII 新人振付家部門》

《コンペティションI》2月9、10日(横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール),《コンペティションII 新人振付家部門》2月7、8日(横浜にぎわい座 のげシャーレ)

◇《コンペティションI》では、世界35ヶ国208組の応募者から選ばれた10組が作品を発表する。日本、韓国、台湾、中国、フィリピン、ラトビアと、国際色豊かな精鋭達の作品に触れられる貴重な機会だ。《コンペティションII 新人振付家部門》では、振付家を目指す25歳以下のファイナリスト12名が作品を上演。これから来そうなアーティストを自分の目で発掘してみたい。(吉田 香)


◆2019都民芸術フェスティバル 日本バレエ協会公演『白鳥の湖』

2019年2月9、10日(東京文化会館・大ホール)

◇日本バレエ協会が『白鳥の湖』を上演するのは、6年ぶり。前回はワレンチン・エリザリエフの指導でアレクサンドル・ゴルスキーの振付を使ったが、今回は篠原聖一が演出・振付を担当する。彼は、昨年11月の《篠原聖一バレエ・リサイタル》で『ノートルダム・ド・パリ』の篠原版『宿命』を上演し、振付者としての成長ぶりを強く印象付けたばかり。その『白鳥の湖』全幕に期待する。(山野博大)


◆『RE/PLAY Dance Edit』

2019年2月9〜11日(吉祥寺シアター)

◇多田淳之介が2006年に発表した『再生』は、「ポップミュージックが爆音で流れる部屋のなかで若者達が激しく動いて騒ぎ続け、最後に集団自殺をする。この流れを3回繰り返す」という構成・内容ともに前代未聞の演劇作品だった。その後、多田自身によって死の描写を薄めた『再/生』として再演され、劇作家・演出家の岩井秀人による演劇版と振付家のきたまりによる‟Dance Edit”も創作された。演出家・振付家がこの作品のどこに惹かれ何を切実な問題と捉えるかによって、全く別の作品に仕上がるのが興味深い。「ダンスとは何か、振付とは何か」を考え抜いた先に見える地平に目を凝らしてみてほしい。(折田 彩)


◆《三陸国際芸術祭》〈宿ル〉

2019年2月9日〜3月24日(青森県〜岩手県〜宮城県 三陸沿岸市町村)

◇東日本大震災で多大な被害を受けた三陸沿岸地域で、2014年から始まった三陸国際芸術祭。地域が復興していく中で芸術に何ができるのかを問いながら、その地域に伝わってきた郷土芸能と出会い、アジアの民俗芸能と交流し、現代のダンスや美術も加わりながら芸術祭が開催されてきた。それは人々の営みから生まれた、さまざまな文化、芸能、芸術の豊かさと多様さを再発見し、さまざまな人々との出会いと創造が始まる場でもある。今回は、宮古、八戸、大船渡を中心としながら三陸各地をアートが巡る。三陸各地の芸能を見るもよし、インドネシアの芸能を習うもよし、祭りを楽しむもよし、創造に参加するもよし。多彩なプログラムを自由に存分に楽しみ、味わいたい。(稲田)


◆カンパニーデラシネラ『見立てる』

2019年2月11〜17日(横浜にぎわい座・のげシャーレ)

◇上述の横浜ダンスコレクション2019のプログラムとして、カンパニーデラシネラが新作を発表する。タイトルの『見立てる』は、見立ての表現であるマイムをルーツに持つ小野寺と藤田にとって、自身の基礎、基本に立ち返るという意味もあるのではないか。小空間で繰り広げられる実力者4人の緊密な「見立て」を楽しみたい。(折田)


◆勅使川原三郎+KARAS《アップデイトダンス》シリーズ第59弾『白痴』

2019年2月14〜22日(カラス・アパラタス)

◇『白痴』は2016年、アパラタスで初演。勅使川原のムイシキン公爵は、手を激しく動かして精神の変調をみごとに表現した。その年の12月にシアターΧで再演した時は、全体の感触がかなり変わったが、3年ぶりのアパラタスでの再演は、どんなことになるのだろうか。(山野)


◆《第62回日本舞踊協会公演》

2019年2月16、17日(国立劇場・大劇場)

◇毎年恒例の公演。日本舞踊の主だった流派の家元、重鎮、中堅、若手が流派を超えて様々な演目を様々な組み合わせで披露する。今回も歌舞伎舞踊の大曲から近代の曲を使った群舞など、一口に日本舞踊といっても幅広いことが確かめられる。昼夜それぞれ五演目ずつの二部構成で二日間。それぞれのラストには「蜘蛛の拍子舞」(花柳せいら、花柳典幸、藤間直三)、「お七」(井上八千代)、「将門」(中村梅彌、藤間蘭黄)、「船弁慶」(花柳寿楽、市山松扇、花ノ本寿)と大曲が据えられ、その他にも魅力的な演目、演者が並び、どの回も見逃せないラインアップだ。(斎藤真帆)


◆Noism1 実験舞踊vol.1『R.O.O.M.』/『鏡の中の鏡』

2019年2月21〜24日(吉祥寺シアター)

◇劇的舞踊、見世物小屋、近代童話劇など、シリーズ名で作品の方向性を示してきたNoismが、新たに発表するのが実験舞踊シリーズ。第一作の『R.O.O.M.』は、“数値化”できない、“不気味”なものを舞台に提示するという、まさにダンスが得意とする表現手段を追求する作品。箱のように空間を区切った部屋の中で、金森穣が行う実験ということだが、ただの“実験的”な作品に終わるはずはない。圧倒的に踊れるNoismのダンサーたちとともに、リザルト、そしてディスカッションまでも展開させてくれるだろう。同時上演は金森と井関佐和子による『鏡の中の鏡』。『R.O.O.M.』は今年6月シビウ国際演劇祭で招待上演される予定とのこと。まさにNoismは新潟が世界に誇る文化財だ。新潟市との契約更新が危ぶまれているが、“数値”がなければNoismの重要性を判断できない新体制の行政に、この作品はどのように響くのだろう。(隅田有)



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