December 01, 2018

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年12月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演やイベントをご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、1120日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年12月公演】


◆マリインスキー・バレエ『ドン・キホーテ』『マリインスキーのすべて』『白鳥の湖』

11月28、29、12月2、3、5〜9日(東京文化会館)、11月30日〜12月1日(兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール)

◇プティパ生誕200年に相応しい演目が並ぶ。いわずもがなの『白鳥の湖』、同バレエ団での来日公演は22年ぶりという『ドン・キホーテ』、プティパからコンテンポラリーまで、マリインスキーの魅力を凝縮したガラ『マリインスキーのすべて』とどれも見逃せない。テリョーシキナ、シクリャローフ等々のスターダンサーに加え、今、世界で最も注目を浴びているダンサーの一人キミン・キム、そして日本人ソリスト永久メイも出演する。ため息の出るような一糸乱れぬコール・ド・バレエも見ものだ。(吉田 香)


◆芸劇dance勅使川原三郎『月に憑かれたピエロ』『ロスト・イン・ダンス―抒情組曲―』

12月1、2、4日(東京芸術劇場 プレイハウス)

◇シェーンベルク作の同名の曲を使用する『月に憑かれたピエロ』は、2011年に「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」で初演された。今回も「ピエロ歌い」として名高いベルギーのソプラノ歌手、マリアンヌ・プスールとの共演。彼女が繰り出す叫びのような、語りのような独特な発声と勅使川原三郎&佐東利穂子のダンスが相俟って、狂気と幻想の世界が繰り広げられる。対する『ロスト・イン・ダンス―抒情組曲―』は勅使川原から佐東へのオマージュで、シェーンベルクの弟子であるベルクが作った『抒情組曲』を使用するが、アブストラクトで、佐東が突き詰める純粋なダンスになるという。(吉田)


◆『光の音:影の音』

2018年12月7〜9日(あうるすぽっと)

◇あうるすぽっとは、障害者が健常者と共に出演するダンス公演を主催したり、自主事業で視覚・聴覚障害者のための鑑賞サポートを行ったりと、近年インクルーシブな鑑賞事業を積極的に進めている。今回のダンス公演『光の音:影の音』は、聞こえないアーティスト、南村千里をアーティスティック・ディレクターに迎え、伊藤キム、捩子ぴじん、aokidという魅力的な男性ダンサー3人とともに、音をダンス、映像、手話など多彩な方法で表現するという。実績豊富なあうるすぽっとのこと、安易なコラボレーション物に陥らず、唯一無二の世界を創り上げてくれると期待している。(折田 彩)


◆Opto『optofile_touch』

12月8−9日(彩の国さいたま芸術劇場小ホール)、15−16日(愛知県芸術劇場小ホール)

◇海外のダンスカンパニーで活躍する日本人ダンサーが近年増えている。その礎を築いたダンサーたちが帰国し、それぞれに活躍の場を求めているが、プロフェッショナルなダンスカンパニーが少なく、ダンサーの流動性も乏しい日本では簡単なことではない。そんな中で、海外の経験を活かして自らカンパニーを立ち上げ、その強靭にして繊細な肉体で先鋭的なアーティストたちとコラボレーションを続けているのがOptoである。2012年に中心となってOptoを設立した渡辺レイはじめ、小㞍健太、湯浅永麻はNDT1(Nederlands Dans Theatre)ほか世界のトップクラスのカンパニーで踊ってきた。その実績とネットワークを活かして今回上演するのは、日本のダンスファンが待ち焦がれているクリスタル・パイト作品ほか3作品。小㞍と湯浅は演出・振付にも挑戦する。見逃せない公演だが、埼玉公演のチケットは売り出し早々に完売したとか。劇場に確認してから向かってほしい。(稲田奈緒美)


◆鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団『Ay 曽根崎心中』

12月12〜20日(新国立劇場 中劇場)

◇2001年、阿木燿子、宇崎竜童、鍵田真由美、佐藤浩希が力を合わせてフラメンコ舞踊版の『曽根崎心中』を創作した。2002年、03年、05年、06年、07年、08年、14年と再演し完成度を高めてきた。それが版を新たにして新国立劇場の舞台に戻ってくる。(山野博大)


◆大駱駝艦舞踏公演『みほどろ』

2018年12月13〜16日(大駱駝艦・壺中天)

◇近年村松、田村に負けじと若手が意欲的に作品を発表し、しかも佳作が続いている壺中天公演。今回初めて、カンパニー内の金粉ショーユニット「ゴールデンズ」で多くの野外作品を手掛けてきた若羽幸平が劇場空間に挑む。ゲストにチェロ奏者の四家を迎え、しかも四家は演奏だけではなく「鋳態」として踊りにも絡むらしい。舞踏手達の体と踊り、そして音色から、どのようなハーモニーが生まれるのだろうか。(折田)


◆札幌舞踊会 創立70周年記念公演 バレエ 『カルミナ・ブラーナ』 

12月15日(札幌文化芸術劇場 hitaru)

◇札幌舞踊会の『カルミナ・ブラーナ』は、1998年の《千田モト追悼札幌舞踊会特別公演》で、後を継いだ千田雅子の振付で初演された。その翌年の《札幌舞踊会東京公演》で文化庁芸術祭に参加し、大賞を受賞した。その大事なレパートリーを、高岸直樹、高比良洋、浅田良和、西野隼人、坂本登喜彦、藤岡綾子ら精鋭をそろえて久しぶりに再演する。(山野)


◆東京バレエ団『ザ・カブキ』

12月15、16日(東京文化会館)

◇討ち入りに一番近い週末に、東京バレエ団の十八番が上演される。歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』をベースに、巨匠ベジャールが独自の世界観を炸裂させた傑作だ。由良之助は、2010年に弱冠二十歳で大抜擢されて以来、再演のたびに本役を踊りこんできた柄本弾と、2016年の記念公演で好評を博した秋元康臣。15日の顔世御前は上野水香で、夫を亡くした悲しみだけでなく、四十七士を討ち入りに導く不気味さをも醸し出す、上野ならではの顔世は必見だ。ダブルキャストはこちらもベテラン奈良春夏。脇を固めるダンサーたちが冒頭から勢いの良い踊りで観客を舞台に引き込むに違いない。(隅田有)


◆新国立劇場『くるみ割り人形』

12月16〜24日(新国立劇場)

◇昨年初演されたウエイン・イーグリング版は、複雑なリフトやパートナリングに加え、男性の主役ダンサーがドロッセルマイヤーの甥、くるみ割り人形、王子の3役を演じるなど、随所にオリジナリティが散りばめられた演出である。今回は全9回公演、4組のカップルが主演。層の厚い同団ダンサーたちの、煌めく踊りを年の瀬に楽しみたい。(宮本珠希)


◆第41回諏訪市芸術祭 ニムラエイイチ生誕120周年記念 現代舞踊公演《舞踊の祭典》

2018年12月22日(諏訪市文化センター)

◇明治30年、長野県諏訪市に生まれ、21歳で渡米してアメリカで活躍した新村英一(ニムラエイイチ)という舞踊家のことを、日本人はあまり知らないかもしれない。伊藤道郎と同様に、むしろ米国で有名なこの舞踊家は、昭和54年に亡くなるまで帰国することはなかったが、故郷への思いは強かったという。日本の後進を育てることにも熱心だったニムラは、昭和48年に寄付をして基金を作り、「ニムラ舞踊賞」を創設した。以後、前年までにもっともすぐれた成果をあげた舞踊家、舞踊関係者に対して、故郷の諏訪市で授賞式が続けられている。今年はニムラの生誕120周年を記念して、授賞式だけでなく同時に舞踊公演が行われる。今年の受賞者である井関佐和子への授賞式に続き、近年ニューヨークで発見されたニムラ作品の映像を基にリメイクされた「ネコの踊り」(出演:木原浩太)、「トッカータとフーガ」(出演:馬場ひかり)、「大地の像」(出演:細川麻実子、木原浩太)が披露される。さらに、同賞の審査員として長らく関わりながら、地元の子供たちへダンス創作ワークショップをおこなってきた加藤みや子の作品「笑う土」が、地元の子供たちや一般市民も参加して上演される。美しい諏訪湖のほとりで地域の人たちに支えられながら続いてきた、舞踊界を応援し続ける「ニムラ舞踊賞」とニムラエイイチのことを知る機会にしてはどうだろうか。(稲田)



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