August 31, 2018

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年9月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演やイベントをご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、720日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年9月公演】


◆勅使川原三郎 アップデイトダンスNo.54『幻』

8月31日〜9月8日(アパラタス)

◇8月の第53弾『火傷の季節』は、勅使川原のソロだった。約1時間半をひとりで踊りきり、多彩な演技で観客を魅了しつくした。9月の第54弾は、海外から帰国の佐東利穂子を加えての舞台となる。経験を積んでさらにひとまわり大きくなった佐東と勅使川原の、新たな出会いから何が生まれて来るか、絶対に見逃すわけにはいかない。(山野博大)

[Contemporary Dance] Saburo Teshigawara Update Dance No.54. “Maboroshi” / Aug.31 – Sept. 8. KARAS APPARATUS.


◆東京バレエ団《プティパ・ガラ》

9月1日(神奈川県民ホール)

◇近年レパートリーの幅を広げている東京バレエ団が、あえてオール・プティパのプログラムを上演。古典作品こそ技術にごまかしの効かない難しさがあり、そこにあえて挑戦する意気込みは素晴らしい。8月末に開催された「めぐろバレエ祭り」の一環《夏祭りガラ》の6演目から4作品、さらに神奈川公演では『ラ・バヤデール』より"影の王国"、『騎兵隊の休息』、『ライモンダ』が加わる。『ライモンダ』は古典作品としては珍しく、ヒロインの視点から物語が綴られる。ゆえにヒロインには物語の軸となる華やかな存在感が求められる。ベテラン上野水香の演技に注目したい。また東京バレエ団の"影の王国"は必見。4月の《NHKバレエの饗宴》に続き、今回も観客を圧倒する気迫と幽玄に満ちた、見事なコール・ド・バレエが見られるだろう。(隅田有)

[Ballet] The Tokyo Ballet 《Petipa Gala》 / Sept. 1. Kanagawa Kenmin Hall。


◆《第11回 恵翔会 藤間恵都子リサイタル》

9月2日(国立劇場小劇場)

◇藤間恵都子は今後の舞踊界を牽引する中堅舞踊家の一人。スッキリとした姿形に、シャープで安定した技術力に定評がある。久しぶりのリサイタルは、長唄『楠公』と長唄『日追の径』の二題。前者は悲劇の武将楠木正成が死を覚悟しての幼い息子との別れと、負け戦としりながらも出陣する姿を描き、後者は貧しさゆえに夫と別れ別れに生きることになった女が、なお夫を求めてさまようというロマンスを紡ぐ。武将と女という相反する役ながら、共通して流れるのは情。きちんとした技術力の上に醸し出される情愛表現に期待が高まる。(阿部さとみ)

[Nichibu] Fujima Etsuko recital “Keishoukai”/ Sept. 2. National theater (Small). 


◆Dance Labo 《ダンサー、言葉で踊る》

9月3日(像の鼻テラス)

◇日本ではダンスが社会の中で十分位置付けられているとは言えず、また職業にすることは容易ではない。そのような状況を何とかしたい、という思いからか、「日本のダンス環境を考えることを目的としたプロジェクト」として、「Dance Lab」が設立された。その第1回目のイベントとして、国内外で活躍するダンサーが自らの活動や、彼らが踊ってきた世界を代表する振付家の作品について“語る”。ダンサーたちは踊るという表現手段を言葉に変えて、観客は見るという行為から共に考え、話し合い、実践を試みる場である。語るダンサーたちは、キュレーターの小㞍健太と、ゲストダンサー島地保武、那須野圭右、湯浅永麻、鳴海令那の4人。映像を交えながら取り上げる振付家はモーリス・ベジャール、マッツ・エック、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイス、クリスタル・パイト、シディ・ラルビ・シェルカウイ。“言葉で踊る”ダンサーたちとの新たな試みに参加し、語り、考えてみたい(稲田奈緒美)

[Contemporary dance TALK EVENT] Dance Labo《Dancer, dancing with words – Aiming for Socially Engaged Dance》/ Sept 3. ZOU-NO-HANA TERRACE. http://www.zounohana.com/schedule/detail.php?article_id=962


◆ルッシュワルツのダンス公演『tide』

9月13日(渋谷区文化総合センター大和田さくらホール)

◇内田香が主宰するルッシュワルツが新作『tide』を披露する。寺坂薫、佐藤宏美、恩田和恵、西田知代、内田奈央子らのエネルギッシュな群舞を従えて、内田が戦前からの日本のモダンダンス正統派の、あでやかさをたっぷりと見せてくれることを期待する。内田と古くから何度も舞台を共にしてきた所夏海が3年ぶりにもどってくるのも楽しみだ(山野)

[Contemporary Dance] Roussewaltz “tide” / Sept. 13. Shibuya Culture Center Owada.


◆Noism1『Romeo & Juliets』

9月14〜16日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇『カルメン』『ラ・バヤデール―幻の国』に続き、Noismの劇的舞踊シリーズに劇団SPACが出演し、ダンサーと俳優が共に『ロミオとジュリエット』に挑む。金森はこの劇的舞踊シリーズで、名作文学や古典バレエの大作を大胆に解体・再構築してきた。今回はプロコフィエフの有名なバレエ音楽を使いながらも設定を大きく変え、病院で起こる愛と死を巡る物語を描く。金森や井関を脇に回してジュリエットたちを演じる若手の奮闘に期待したい。(折田 彩)

[Contemporary Dance] Noism1×SPAC “ROMEO&JULIETS” / Sep. 14-16.  Saitama Arts Theater (Main Theater)


◆Dance Dance Dance @ Yokohama 2018 バレエ・ロレーヌ公演

9月16、17日(KAAT神奈川芸術劇場)

◇フランスというとパリ・オペラ座ばかりが注目されがちだが、小粒でもキラリと光る個性的なバレエ団も多数存在する。国立振付センター バレエ・ロレーヌはそんなカンパニーの一つ。フランス北部のナンシーが拠点で、コンテンポラリーを専門としている。フランスに散在する国立振付センター(CCN)の一つに認定されているだけあって、意欲的にコンテンポラリー作品の創作と継承に力を入れているのだ。今回上演するのは、日本ではあまり観られないアメリカのポストモダンの巨匠マース・カニングハムの作品『SOUNDDANCE』(1973)、ウィリアム・フォーサイスの初期の快作『STEPTEXT』(1985)、そして、クラブシーンと伝統的なダンスを融合した刺激的なパフォーマンスで脚光を浴びているセシリア・ベンゴレア&フランソワ・シェニョーの『DEVOTED』(2015)といういずれも一癖ある三作品。ダンスファンならずとも現代アートに興味がある人、そして、バレエが苦手という人にも是非観て欲しい。(吉田 香)

[Contemporary Dance] CCN (Centre Choregraphique National) - Ballet de Lorraine / September 16 - 17. KAAT Kanagawa Arts Theater. http://www.kaat.jp/english/


◆世界ゴールド祭2018  

9月22日―10月8日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇昨年、キックオフイベントが催されて話題を呼んだ『世界ゴールド祭』が本格的に始まる。日本、英国、オーストラリア、シンガポールから高齢者のダンス、演劇のグループが来日し、公演やワークショップ、シンポジウムが行われる。高齢者のダンスや演劇が何故注目されるのか。単に高齢者の頑張りが評価されているのではなく、人生の様々な時間を積み重ねてきた彼ら、彼女らの存在自体がダンス、演劇に新たな意味と価値を与え、見る人にも、高齢化が進む社会にも新たな発見や感動をもたらすからだ。主催する彩の国さいたま芸術劇場は、故蜷川幸雄の発案によって設立された、55歳以上の高齢者演劇集団であるさいたまゴールド・シアターの拠点である。彼らの演劇公演にも毎回衝撃を受けるが、その他の団体も既に高い評価を得ている。従来のダンスや演劇を超えて、現代の社会で何が生まれようとしているのか、是非目撃してほしい。(稲田)

[Contemporary dance, theatre, Symposium, workshop]《World Gold Theatre 2018》/ September 22 - October 8. Saitama Arts Theatre. http://www.saf.or.jp/information/detail/790

◆NBAバレエ団『リトル・マーメイド』

9月28〜30日(新国立劇場中ホール)

◇これまでも『ガチョーク讃歌』の上演や、『HIBARI』のクリエーションなど、NBAバレエ団とは縁の深い振付家、リン・テイラー・コーベットによる日本初演『リトルマーメイド』。2012年にキャロライナ・バレエで初演された本作は、歌やナレーション、そしてプロジェクションマッピングも融合した意欲作だ。バレエ愛好家から初心者まで、幅広い観客を惹きつけるに違いない。近年、独自のレパートリーを着実に増やしファンを獲得している同団の、新たなる挑戦に期待したい。(宮本珠希)

[Ballet] NBA Ballet Company "The Little Mermaid" / Sep. 28 -30. New National Theatre (Playhouse).

◆牧阿佐美バレエ団『白鳥の湖』

9月29、30日(文京シビックホール)

◇牧 阿佐美バレエ団の『白鳥の湖』は、プティパ/イワノフ版の流れを汲むテリー・ウエストモーランド版。今回は、これまで数々の主演を務め充実期を迎えている青山季可&幅広い役柄で活躍を見せる菊地 研、そして同作初主演となる気鋭・阿部裕恵&安定したテクニックと端正な雰囲気を兼ね備えた清瀧千晴のダブルキャストで上演される。ハリウッド映画『バットマン』の衣装を手がけたボブ・リングウッドによる美術も必見だ。また、29日には、鑑賞教室やバックステージツアーも開催される(要事前申し込み)。名作の魅力をより深く、多面的に知ることができる絶好の機会、ぜひご参加を!(宮本)

[Ballet] Asami Maki Ballet "Swan Lake" / Sep. 29 - 30. Bunkyo Civic Hall.



outofnice at 23:41公演情報 
記事検索