June 01, 2018

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年6月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、520日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年6月公演】


◆大駱駝艦『みだらな蛙』

6月1〜10日(大駱駝艦・壺中天)

◇田村一行はカンパニーでの活動にとどまらず、地域創造の公共ホール現代ダンス活性化事業(通称ダン活)の登録アーティストとしても全国各地で創作・教育普及活動を行っている。ダン活ではその地域の風土から着想を得た作品や郷土芸能団体との共作など地域資源を活かしたユニークな作品を作っており、この経験が大駱駝艦での創作に還元されて良い循環を産んでいる。今回の新作は、以前ダン活で訪れた福岡県うきは市の古墳からインスピレーションを得たもの。うきは市で『遣召 烏胡跛臣』を見た人は、二作を見比べる楽しみも味わえる。(折田 彩)


◆Kバレエカンパニー『クレオパトラ』

6月8〜10日(東京文化会館大ホール)

6月16、17日(オーチャードホール)

◇昨年10月に初演した熊川哲也振付の『クレオパトラ』に主演した中村祥子に、今年度の橘秋子賞が贈られた。再演でどのようなクレオパトラぶりをみせてくれるのか楽しみだ。またダブル・キャストの浅川紫織のクレオパトラ像の解釈の違いにも注目したい(山野博大)


◆NAPPOS PRODUCE『斜面』

2018年6月9〜17日(東京芸術劇場・シアターウエスト)

◇首藤康之が『シレンシオ』以来5年ぶりに小野寺修二作品に出演する。小野寺と首藤のタッグは、『空白に落ちた男』(2008年初演、2010年再演)、『シレンシオ』(2013年)に続いて3作目だが、いずれも小野寺がバックグラウンドの違うダンサーや役者の持ち味を引き出しながら巧みに構成し、佳作に仕上げていた。今回は首藤以外に、小野寺作品の出演経験豊富な王下貴司、デラシネラのコアメンバーである藤田、そして聾者の舞踏家、雫境が出演する。小野寺は以前聴者と聾者による作品『鑑賞者』を創作しており、「視ること」「聞こえないものを聴くこと」に深い関心を抱いている。雫との出会いが作品にどのような化学反応を産み出すのか楽しみだ。(折田)


◆新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』

6月9〜17日(新国立劇場オペラパレス)

◇2014年の初演以来、今回が3度目の上演となるウエイン・イーグリング版は、第2幕のラストに目覚めのパ・ド・ドゥが挿入されていたり、女性ダンサーによるカラボスがトウ・シューズを履いて踊ったりと、随所に趣向が凝らされている。また、大作ゆえ、プリンシパルを始めとするトップダンサー陣がそれぞれの役で一同に会するのも見どころだ。充実ぶりが伺える4組の主演カップルにも大いに期待!(宮本珠希)


◆O.F.C.合唱舞踊劇:佐多達枝『カルミナ・ブラーナ』

6月16日(東京文化会館)

◇バレエ振付者として日本の舞踊界に大きな足跡を残す佐多達枝が『カルミナ・ブラーナ』の舞踊科に取り組んだのは、1995年12月のことだった。それ以来、長らくこの作品に取り組んできた。毎回新たな人材を集め、新しい振付を行なっているのだ。今回も酒井はな、関口淳子、浅田良和、三木雄馬らトップクラスのダンサーたちが佐多の振付を踊る。こんどはどんな『カルミナ・ブラーナ』が出現するのだろう(山野)


◆NBAバレエ団《ショート・ストーリーズ・9 バレエ・インクレディブル》

6月15〜17日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇芸術監督・久保紘一のもと、独自のレパートリーを築き上げている同団の魅力が凝縮されたガラ公演。日本のバレエ団として全編初演された『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番』『スターズ アンド ストライプス』『ガチョーク賛歌』や、『ロミオとジュリエット』、『海賊』などのクラシック作品のほか、佐藤圭と宝満直也による新作もお目見えする。特に宝満は、新国立劇場バレエ団時代にも『3匹の子ぶた』を創作し好評を博している。今回の『11匹わんちゃん』にもどんな愛らしいキャラクターが登場するのか、とっても楽しみだ。(宮本)


◆東京バレエ団『白鳥の湖』

6月29〜30日(東京文化会館大ホール)

◇2016年に東京バレエ団として初演した、ブルメイステル版『白鳥の湖』の待望の再演。登場人物一人一人が役割を持ち、踊りとストーリー展開が融合して、ドラマチックに展開する。1幕や3幕の舞踏会のセットは中世ドイツというよりもトルストイの描いた19世紀ロシアのようだ。ブルメイステルは本作の約15年後の1967年に、ソビエト映画の超大作『戦争と平和』でも振付を担当しているが、はたしてオデット、ジークフリート、オディール、ロットバルトを、ナターシャ、ピエール、エレン、アナトーリに読み替えることはアリかナシか?!(隅田有)


◆フィリップ・ドゥクフレ/DCA『新作短編集(2017)-Nouvelles Pieces Courtes』

6月29〜7月1日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇ダンス、サーカス、パントマイム、映像等を織り交ぜた独自の世界を展開するフランスの振付家フィリップ・ドゥクフレのカンパニーによる公演。短編5作がオムニバス形式で上演される。見たことありそうで実はどこにもいない部族のダンス、空中で行われるパ・ド・ドゥなどなど、カラフルで不思議、可笑しくて、ときには詩的な舞台に現実を忘れて惹きこまれること間違いなし。日本文化を取り上げた小品も見ものだ。(吉田 香)


◆小林紀子バレエシアター《シアトリカル・ダブルビル》

6月30、7月1日(新国立劇場中劇場)

◇二作品とも小林紀子バレエ団が得意とする演目。『二羽の鳩』は1992年、『チェックメイト』は1991年に、バレエ団として初演している。パリのアトリエで暮らす若い恋人たちが主人公の『二羽の鳩』は2016年の上演が記憶に新しい。今回もアシュトンのスタイルを丁寧に見せる、見応えのあるステージになるだろう。ニネット・ド・ヴァロワ振付『チェックメイト』は1937年の作品。チェスの対局のスタイルを借りているが、ナチス・ドイツの台頭による当時の不穏な情勢が作品の基となっている。言葉を使わないバレエは通常、政治的なテーマを扱うことは得意としていないが、本作は初演から80年以上踊り継がれている稀有な作品だ。(隅田)


◆梅田宏明 somatic field project「1-resonance」

6月30、7月1日(あうるすぽっと)

インスタレーションやCGなどヴィジュアルアートを加えたダンス表現を切り開いてきた梅田宏明が、若いダンサーの育成と自身のメソッドを発展させるために、2014年からSomatic Field Projectという長期のリサーチを続けている。これまでの成果としての新作と、日本では初演という梅田のソロ作品「Intentional Particle」が上演される。プロジェクトに参加しながら身体と向き合ってきた若いダンサーたちの動きと梅田のヴィジュアルアートが、どのように共鳴、呼応、あるいは反発しながら新たなダンスが生まれるか楽しみだ。(稲田奈緒美)



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