September 01, 2017

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年9月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、820日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年9月公演】


◆ルッシュワルツのダンスパフォーマンス《コンチェルト》

2017年9月6、7日(新宿区文化総合センター大和田伝承ホール)

◇内田香率いるルッシュワルツは今回の《コンチェルト》と銘打った公演で、内田の新作『Concerto 共存する身体・響き・景色』を発表する。原裕子、寺坂薫、佐藤宏美、伊東由里、恩田和恵、西田知代、内田奈央子、小野寺沙恵、前原星良、澤原春海といった永年舞台を共にしてきたダンサーたちとともにまた美しく、はなやかな舞台を繰り広げるに違いない。(山野博大)


◆東京バレエ団《20世紀の傑作バレエ》 

2017年9月8〜10日(東京文化会館・大ホール)

◇意欲的にレパートリーを拡大している東京バレエ団の、またしても勢いを感じるプログラムだ。プティ、キリアン、ベジャールの三作品を上演する。『アルルの女』に出演する上野水香とロベルト・ボッレは、昨年同作をモスクワのクレムリン・ガラで披露。ベテラン二人の見応えのある舞台になるだろう。川島麻実子・柄本弾のペアも、たっぷりとドラマを見せてくれるに違いない。先日キャストが発表になった『小さな死』は、キリアンの詩情あふれる傑作。ダンスならではの官能を、初演でどこまで表現できるか楽しみだ。『春の祭典』はバレエ団の十八番。近年上演された『ザ・カブキ』や『中国の不思議な役人』同様に、圧倒的な群舞の力が本公演でも存分に堪能できるだろう。(隅田有)


◆鳥の演劇祭10

2017年9月8〜24日(鳥の劇場と鹿野町内各所)

◇本演劇祭は、地域性と同時代性を兼ね備えたアーティストを日本と世界の各地から鳥取に招聘しており、小規模ながら毎年質の高いディレクションを誇っている。今年はダンス分野では、神戸を拠点とする岡登志子のアンサンブル・ゾネと、横浜を拠点とする伊藤キムのフィジカルシアターカンパニーGERO、そして京都を拠点とする余越保子が鹿野町の住民によるコミュニティ・ダンスグループ、とりっとダンスに振り付けた作品の計3本が上演される。特にとりっとダンスは、日本におけるコミュティ・ダンスの成熟を象徴する存在として、毎年この演劇祭で素晴らしい公演を披露している。演劇祭やアートフェスティバル全盛の昨今、この流行に疑問を抱いている人にこそ訪れてほしい、意義と価値を持った演劇祭である。(折田 彩)


◆エバ・ジェルバブエナ・フラメンコ舞踊団公演『AY! アイ!』

2017年9月16、17日(Bunkamuraオーチャードホール)

2017年9月20日(兵庫県芸術文化センター)

◇フラメンコ界のミューズと呼ばれるエバ・ジェルバブエナが3年ぶりに日本に帰ってくる。その華麗な舞台を待っていたファンにとっては待望の公演というわけだ。(山野)


◆アトリエヨシノ20周年記念公演 Iwaki Ballet Company『ドン・キホーテ』全幕/バレエアート夢『オズの魔法使い』

2017年9月18日(昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ)

◇ボストン・バレエ団プリンシパルの倉永美沙が『ドン・キホーテ』に主演。本年1月の小牧バレエ団『白鳥の湖』、6月の《横浜バレエフェスティバル》では、卓越した技術と音楽性、そして抜群の演技力で観客を引き込んだ。世界中を飛び回り、今、ダンサーとして充実期を迎えている彼女のキトリを見届けたい。(宮本珠希)


◆《世界ゴールド祭》キックオフ!シンポジウム&ワークショップ、同時開催・さいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』

2017年9月21〜24日(彩の国さいたま芸術劇場・小ホール)、『薄い桃色のかたまり』は9月21〜10月1日(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール内インサイド・シアター)

◇芸術には、作品そのものを観客として楽しむことができる一方で、社会の様々な課題の課題につなげるという用い方もある。近年注目されているのは、高齢者がダンスや演劇などに参加することで、元気に充実した生活を送ることができるのではないか、という高齢化社会に対する可能性だ。彩の国さいたま芸術劇場で、蜷川幸雄によって2006年に創設された高齢者演劇集団さいたまゴールド・シアターは、そのような可能性を明らかに示している。また、英国では既に様々な活動が行われており、多くのヒントを与えてくれる。世界のこのような活動が交流し、発展を目指す《世界ゴールド祭》が開催されることになった。そのキックオフとして、「高齢化社会における芸術文化の可能性―劇場は地域に何をもたらすことができるのか」というテーマを掲げて、英国から高齢者のダンスカンパニーであるカンパニー・オブ・エルダーズとその拠点でダンス専門のサドラーズ・ウェルズ劇場、高齢者劇団エンテレキー・アーツとその拠点劇場であるオールバニー劇場などからゲストを招き、シンポジウム、ワークショップが行われる。さいたまゴールド・シアターによる最新作『薄い桃色のかたまり』も同時に上演される。踊り、演じることで輝いている日英の高齢者たちから、ダンスや演劇の新しい可能性がきっと見つかるはずだ。(稲田奈緒美)


◆スヴェトラーナ・ザハーロワ《AMORE》、スヴェトラーナ・ザハーロワ&ワディム・レーピン《PAS DE DEUX for Toes and Fingers》

2017年9月26、27、29日(Bunkamuraオーチャードホール)

◇ボリショイ・バレエのプリンシパルで長らく世界の女王として君臨するスヴェトラーナ・ザハーロワ。彼女の夫で天才ヴァイオリニストのワディム・レーピンとの夢の競演《PAS DE DEUX for Toes and Fingers》が、昨年に続いて今年も開催される。今年は昨年のキャストに加えて、ブノワ賞を受賞したデニス・ロヂキン(ボリショイ・バレエのプリンシパル)も参加し、ザハーロワと『ライモンダ』を踊る。さらに今年は、ザハーロワ自身がプロデュースし全ての作品で主演するトリプル・ビル《AMORE》も上演する。いずれもテイストが全く異なるコンテンポラリー作品で日本初演。様々な角度から彼女の魅力を堪能できるだろう。(吉田 香)


◆《新潟インターナショナルダンスフェスティバル2017》

2017年9月29日、10月8、15日、12月15−17日(りゅーとぴあ・新潟市民芸術文化会館)

◇芸術文化によって、地域を活性化したり国際交流を目指すこと、そのことによって地域の人々が素晴らしい芸術を享受し、誇りに感じることも、芸術文化の役割の一つだ。それを実践し、着々と成果を上げているのがりゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)とそのレジデントカンパニーNoismだろう。2015年に始まり、今回第二回となる《NIDF−新潟インターナショナルダンスフェスティバル》は、新潟で初めての国際ダンスフェスティバルであり、日本海で接するアジアの国々から舞踊団を招聘し、新潟からアジアへ、世界から新潟へと繋がり、発信する意欲的な事業だ。芸術監督であるNoismの金森穣が今回選んだのは、韓国の大邱市立舞踊団、シンガポールのT.H.Eダンスカンパニー、香港の城市当代舞踊団。ここにNoim1も加わり、華やかに公演、シンポジウム、ワークショップが行われる。優れたダンス作品を見て、それを招いた劇場と新潟市を見て、ダンスの力が街と人々を活気づけている様子を体感したい。(稲田)


◆貞松・浜田バレエ団公演『ジゼル』

2017年9月30日(神戸文化ホール・大ホール)

◇同団では8年ぶりの上演となる『ジゼル』。タイトル・ロールの川崎麻衣は、清楚で愛らしい雰囲気が光るダンサーであり、アルブレヒトの塚本士朗も、正確なテクニックや端正な身のこなしが持ち味。ふたりが舞台でどのように共鳴するのか、大きな期待を込めて見守りたい。また、これまで『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』等の王子を務め、ノーブルな印象も強い武藤天華が今回はヒラリオンに配役されている。彼の新たな一面が見られることも楽しみである。(宮本)


◆大駱駝艦・天賦典式創立45周年『擬人』『超人』

2017年9月28〜10月1日、10月5〜8日(世田谷パブリックシアター)

◇大駱駝艦は毎年世田谷パブリックシアターと提携して大掛かりなスペクタクルを上演しているが、今年は創立45周年のメモリアルとして関連を持たせた2作の連続上演に挑む。舞踏とは人ではないものや人を超えた何者かになる踊りであり、『擬人』『超人』というタイトルは、舞踏の本質とも言える。半世紀近く舞踏を追求してきた麿が、このテーマにどう挑むのか、期待が高まる。(折田)




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