May 01, 2017

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年5月公演】

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、420日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年5月公演】


◆芸劇dance ローザス『ファーズ‐Fase』/ローザス&イクトゥス『時の渦-Vortex Temporum(ヴォルテックス・テンポラム)』

2017年5月2〜13日(東京芸術劇場プレイハウス、名古屋市芸術創造センター、愛知県芸術劇場大ホール)

◇ヨーロッパのコンテンポラリーダンス界の第一線を走り続けるローザスが来日し、二作品を上演する。一作はローザスが1983年に設立される前年に、主宰者のアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルによって発表された『ファーズ-Fase』。スティーヴ・ライヒのミニマル音楽を視覚化する構成とムーヴメントを淡々と反復しながら、徐々に微かな差異やうねりが積み重なり、理知的かつ陶酔的なダンスが出現する。ローザスの原点ともいうべき作品で、日本では15年ぶりの上演。ケースマイケル自身が踊る。もう一作は、フランスの作曲家ジェラール・グリゼーが1996年に発表した『時の渦-Vortex Temporum』にケースマイケルが振り付けた同名曲。舞台上で演奏する現代音楽のアンサンブル・イクトゥスのミュージシャン7名にダンサー7名が呼応し、音とダンスによって“時の渦”が現出する。(稲田奈緒美)


◆歌舞伎座《団菊祭五月大歌舞伎》より『弥生の花浅草祭』

2017年5月3〜27日(歌舞伎座)

◇今回の『弥生花浅草祭』は坂東亀寿改め坂東亀蔵の襲名披露の演目。尾上松緑と亀蔵、充実する年頃を迎える二人の競演に期待が高まる。同作は三段返しの舞踊で、「神功皇后と武内宿彌」「三社祭」「通人と野暮大尽」「石橋」と展開する。中でも「三社祭」は単独でも上演される人気曲。二人の漁師が踊って踊って踊り抜く、歌舞伎舞踊には珍しく一曲を通じて、躍動感がある楽しい作品だ。体力と技術とが要求されるこの曲を、息の合った二人がエネルギッシュに見せてくれることだろう。(阿部さとみ)


◆ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017《ラ・ダンス 舞曲の祭典》

2017年5月4〜6日(東京国際フォーラム)

◇ゴールデン・ウィーク恒例の、大人気音楽イベント。今年のテーマは"舞曲の祭典"。主要6会場には"ニジンスキー""パヴロワ""ダンカン""バランシン""ガデス""ヌレエフ"と、馴染み深い名前が付けられている。バレエファンに親しみのある作曲家で名を連ねるのはチャイコフスキー、ストラヴィンスキー、ショパン、ラヴェルなど。アダンやミンクスがいないのは(悲しいけれど)諦めるとして、プロコフィエフやペルトもいないなぁ。演目は多様で、タンゴやパッサカリアなどなど、舞踊にまつわる様々なプログラムが上演される。なお既に売り切れているコンサートもあるのでご注意を。(隅田有)


◆シアターχレパートリー劇場《TRY TO THE IDTF》

2017年5月4,6,7日(東京・両国 シアターχ)

◇シアターχの自主プロデュースで1994年より隔年に開催している下町の小さな国際芸術祭(International Dance & Theater Festival: IDTF)。今回は開催年には当たらないが、これまでに発表してきた作品を再構築したり、過去に取り上げたテーマに改めて取り組んだりして、今迄のIDTFにTRYしようという試みで、11作品が上演される。ダンス、演劇とジャンルを問わず、きらりと光る作品を生み出してきた劇場の歴史を見られる三日間とも言えるだろう。(吉田 香)


◆静岡ストリートシアターフェス《ストレンジシード》

2017年5月5〜7日(静岡市・駿府城公園、静岡市街地)

◇《ストレンジシード》は、日本を代表する演劇祭のひとつである《ふじのくに⇄せかい演劇祭》のフリンジ企画としてスタートした野外芸術祭である。昨年もカンパニーデラシネラ、東京ELECTROCK STAIRSら豪華な顔ぶれだったが、今年も森山開次×ひびのこづえ×川瀬浩介、off-Nibroll、康本雅子+ミウラ1号等々、選りすぐりのラインナップを揃えてきた。しかも観覧はすべて無料。アルコールやジェラートを手に晴れた駿府城公園で観るパフォーマンス。控えめに言っても最高の休日だと思わない?(折田 彩)


◆新国立劇場バレエ団公演『眠れる森の美女』

2017年5月5〜13日(新国立劇場・オペラパレス)

◇バレエの役に「披く」という概念があるとすれば、クラシックバレエのスタイルの体得と、主役としての存在感が求められるという点で、オーロラ姫は間違いなくそのような役の一つだろう。本作は2014年に続く、ウエイン・イーグリング版。指揮はアレクセイ・バクラン。東京フィルハーモニー交響楽団の動物の鳴きまねは絶品で、本公演でも三幕で見事な「ニャオ」や「ガオー」が聞けるだろう。(隅田)


◆笠井叡『花粉革命』

2017年5月5〜7日(シアタートラム)

◇2002年のシアタートラムで笠井叡が『花粉革命』を踊った。前年に亡くなった中村歌右衛門へのオマージュだと語っていたように記憶しているが、「娘道成寺」の鬘と着物で昭和の名女形をからだに乗りうつらせ、しかし笠井流の自在な即興で踊り客席を圧倒した。その後、海外での上演機会も多かったそうだが、それを今回は息子の笠井瑞丈が踊る。近年、ダンサー、振付家として進境著しい瑞丈が父と、父の作品を乗り移らせ、そこから自身の世界を創りあげるのだ。舞踊家と作品がいかに変化(へんげ)するか、大いに期待したい。(稲田)


◆国立劇場5月舞踊公演《名作歌舞伎舞踊》

2017年5月27日(国立劇場・大劇場)

◇中堅実力派が顔を揃え、歌舞伎舞踊の名作を披露する。隈取をした化粧やキマリを誇張した見得など、いかにも歌舞伎!といった要素が詰まった『根元草摺引』(西川箕乃助と市川ぼたん)。続く『流星』と『雷船頭』は雷つながり。『流星』(若柳吉蔵)は流星が雷夫婦の喧嘩を物語り、夫、妻、子ども、婆の四役を演じ分けるのが眼目。続く『雷船頭』は雷つながり。雷が落ちて、船頭(市山松扇)と色模様などを繰り広げる。野暮な雷と粋な船頭の対比にユーモアが漂う。『積恋雪関扉』は天明時代の舞踊の大らかさのある名作。逢坂山の関守関兵衛は実は天下を狙う大悪人大伴黒主。関兵衛に恋をしかける傾城(位の高い遊女)は実は黒主に恨みを持つ桜の精という奇想天外な内容ながら、長年歌舞伎ファンに愛されてきた作品だ。国立劇場主催公演では七年ぶりの上演。それだけに日本舞踊家が手がけるのが難しい曲だが、花柳基の黒主、水木佑歌の墨染桜の精、花柳寿楽の良岑少将宗貞、藤間恵都子の小野小町姫と、花も実もある演者の競演により、見応え十分の舞台となることだろう。(阿部)



◆大駱駝艦壷中天公演『宮崎奴』

2017年5月27〜6月4日(壷中天)

◇今、大駱駝艦は女性舞踏手がアツイ。ベテランの我妻恵美子と鉾久奈緒美が続けて優れた作品を発表し、出演した女性陣は麿の作品で見せる以上に生き生きとした輝きを放っていた。これらの作品でもコケティッシュな魅力を見せた齋門由奈が、今回初の振鋳に挑む。先輩達の胸を借りて自分なりの世界を作ってくれると期待している。(折田)


◆ダンスワークス設立40周年記念 Dance Works Dance Collection 2017

2017年5月28日(杜のホールはしもと)

◇野坂公夫と坂本信子が主催するダンスワークスの設立40周年の記念公演では、1981年初演の『寝る』、1991年初演の彼らの代表作『闇のなかの祝祭』、2016年初演の『runway』の再演が行なわれる。彼らの創るダンスは、自ら《ソフトクラシカル》と名付けた軽快な群舞の展開であることが多い。2011年に上演した『Romances sans paroles 無言歌』は、その頂点に位置する一本だった。今回は、他に新作の『光の丘〜降りてきた星たち〜』が上演される。野坂・坂本の「今」を見届けようと思う。(山野博大)



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