February 05, 2015

樋笠バレエ団《Color of Dance》

本公演は、平成26年度新国立劇場地域招聘公演として行われた。香川に拠点を置きながら、これまで幾度も海外バレエ団との国際交流公演を主催してきた樋笠よ志江を制作総監督に据え、振付・演出総合芸術監督には、現在6つのトルコ王立オペラ、バレエ劇場の総芸術アドヴァイザー兼演出振付家を務めるメメット・バルカン、バレエ・ミストレスには、長年ヨーロッパで研鑽を積んだ樋笠淳子があたった。ダンサーも、イレク・ムハメドフやオランダ国立バレエ団のプリンシパル兼バレエ・マスターである ジョセフ・ヴァルガをはじめ、トルコの主要国立劇場から7名、牧 阿佐美バレエ団からも12名を迎えての開催となった。

 幕開きは、ヴァルガとトルコの国立劇場、そして牧 阿佐美バレエ団のダンサーによる『バッハ・ア・ラトゥルカ』。エキゾチックな風合いに編曲されたバッハの旋律に乗せて、アンサンブルといくつかのパ・ド・ドゥが交互に踊られてゆく。男女のデュエットは、それぞれ幸福感に包まれていたり、悲哀が漂っていたりと、ふたりの関係性や心の機微を表すかのように描かれていた。また、その間に組み込まれる軽妙な掛け合いや民族舞踊風のユニゾンなど、動きのボキャブラリーや場面のテイストが次々と変化してゆくのも特徴的。躍動する肉体に漲るエネルギーを存分に堪能できる作品であった。

 イレク・ムハメドフの過去に思いを馳せた『ビトゥィーン・トゥー』、そして今の彼自身を映し出した『ムハメドフ』は続けて上演され、2名の女性ダンサーとの抒情的なドラマが立ち上がった。ムハメドフのスター性は健在。立ち姿やひとつひとつの動作に至るまでもが含蓄に富み、彼の濃密な生き様がひしひしと感じられる。若き日のムハメドフを演じたヴァルガも繊細な表現で好演。心情描写を丁寧に紡ぎだした。

 『黒と白』には、トルコのダンサー6名が競演。カノンを効果的に用いたシャープな振付からはエンターテインメント性も感じられ、高揚感の中でラストへと繋げた。最終演目の『彩の彼方』では、出演者全員が登場。ここでも、ムハメドフが舞台を牽引し、晴れやかな盛り上がりを見せた。ダンサー達の踊る喜びに溢れた熱気が印象深い。ちなみに今回、樋笠バレエ団からは3名のみの出演であったが、今後も、同団からこのような舞台に立つべき人材が輩出されてゆくことを願って止まない。(宮本珠希 2015/1/11 15:00 新国立劇場 中劇場 PLAYHOUSE

 



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