June 05, 2013

2013 第26回こうべ全国洋舞コンクール(クラシックバレエ部門決選)

大阪や兵庫を中心に、全国から有望な踊り手が集結する本コンクールのクラシックバレエ部門は、男女に分かれて審査が行われ、特に男性部門は例年盛り上がりを見せている。今回は、上位入賞者の中から、特に印象に残った出場者を紹介する。
 
女性ジュニア2部1位は『くるみ割り人形』より金平糖のヴァリエーションを踊った若林侑希。コントロールの効いた動きからは余裕すら感じられ、磨き上げられた技術と香り立つような愛らしい雰囲気で、見事優勝に輝いた。
女性ジュニア1部3位『海賊』よりヴァリエーションを踊った池田絢音は、正確なテクニックと洗練された音楽性が持ち味。歯切れのよい回転はもちろん、音楽を的確に捉えたクリーンな動きが、清々しい魅力を生み出した。
女性シニア1位は『エスメラルダ』よりヴァリエーションの中村友子。筆者は、これまで何度も彼女の踊る同作品を見てきたが、この日の演技には、従来の高い技術に加えて一層の安定感や風格も備わり、情熱的な表現が際立った。

同じく女性シニア2位『パキータ』よりエトワールのヴァリエーションを披露した小坂こよみは、大らかな華のあるダンサー。恵まれたプロポーションと伸びやかな踊りに惹きつけられた。

男性ジュニア2部3位『白鳥の湖』よりパ・ド・トロワのヴァリエーションを踊った野中悠聖は、足のポジションやポール・ド・ブラ、体の角度など、ひとつひとつのムーヴメントが基本に忠実で丁寧。端正な演技できっちりとまとめた。

男性ジュニア1部2位の二山治雄が踊った『シルヴィア』よりヴァリエーションは、柔軟性に富んだ肢体から繰り出される空中での美しいシークエンスが特徴的。最後のコンビネーションでミスも見られたが、基礎的な身体能力の高さが光った。

男性シニア1位『ドン・キホーテ』よりバジルのヴァリエーションの井澤駿、2位『パキータ』よりヴァリエーションの水城卓哉、3位『パリの炎』よりヴァリエーションの長谷川元志は、いずれもダイナミックな中にノーブルさを持ち合わせた踊り手だ。同部門の決選進出者は12名であったが、非常に激戦で見応えがあり、同コンクールのレベルの高さが改めて示された。(宮本珠希 561000 神戸文化ホール大ホール)



piyopiyotamaki at 04:43短評 
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