June 29, 2017

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、620日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2017年7月公演】


◆《名墨の会》

2017年7月2日(セルリアンタワー能楽堂)

◇藤舎名生と尾上墨雪のコラボの会。藤舎名生は笛の名手として知られ、ルジマトフの『阿修羅』に使用されている楽曲『笛 四神』の作曲者であり演奏も担ってもいる(CD)。墨雪は素踊りという装飾を削いだ美学を追求している人。近年ますますの充実がうかがえ、今回の公演にも期待が高まる。演目は一舞一管『猩々』、笛『鶴』、一舞一管『鐘』の三題(*一管=笛のこと)。能舞台という空間に繰り広げられる笛と舞のシンプルな重なりが、滋味豊かな世界を織りなし、日本の引き算の醍醐味が広がるだろう。(阿部さとみ)


◆谷桃子バレエ団《コンテンポラリーダンス・トリプルビル》

2017年7月2日(かめありリリオホール)

◇ 歴史ある谷桃子バレエ団は、古典作品を上演する一方で創作バレエ、コンテンポラリーダンスにも取り組んできた。今回はコンテンポラリーダンスの振付家、島地保武、柳本雅寛、広崎うらんによる三作品を上演する。バレエ団のダンサーたちと初顔合わせだった彼らは、2年前くらいからワークショップを行い、オーディションには二日間をかけたそうだ。そこではコンテンポラリーダンスの技術、表現力だけでなく、スタジオの隅で順番を待っている姿や普段の様子など、ダンサー一人一人の個性、人柄、人となりなども重視してダンサーを選んだとか。コンテンポラリーダンスの魅力とダンサー一人一人の魅力が重なり、面白い化学反応が起こりそうだ。なお、5月30日に行われた本公演の公開リハーサルについて、山野博大氏によるレポートが6月5日に投稿されている。そちらもご覧いただきたい。(稲田奈緒美)


◆イングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)『コッペリア』『海賊』

2017年7月8、9、14〜17日(東京文化会館大ホール)

◇英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルを長らく務めたタマラ・ロホが、ENBの芸術監督に就任して初の来日公演。のみならず、カンパニーの来日自体も16年振りという。演目は、盒恭里奈が主演の一人に名を連ねる『コッペリア』と、ロホ肝いりの『海賊』。2012年の就任以来、彼女はどのようにカンパニーをまとめ上げてきたのだろう。ロホ姐さん率いるENBのステージは見逃せない。(隅田有)


◆井上バレエ団《バレエの潮流 ブルノンヴィルからプティパまで》

2017年7月15、16日(文京シビックホール・大ホール)

◇ロマンティック・バレエの振付家、オーギュスト・ブルノンヴィルの作品とテクニックの継承で知られる井上バレエ団が、ブルノンヴィル作品3作を一挙上演する。注目は『ラ・ヴェンタナ』第2景の日本初演。スペイン語で「窓」を意味する本作は2場仕立てで、第1景では、女性が鏡越しに自分の鏡像と踊るシーンと、窓の外で愛しい男性が弾くギターに合わせてカスタネットを手に踊るシーンという二つの趣向を凝らしたディベルティスマンが繰り広げられる。今回上演される第2景は、主役カップルのパ・ド・ドゥと友人達のパ・ド・トロワで、セギディリアとブルノンヴィル・テクニックの妙を味わえる。他に『ラ・シルフィード』第2幕と『ジェンツァーノの花祭り』のパ・ド・ドゥ、『眠れる森の美女』第3幕が上演される。(折田 彩)


◆千葉市・ヒューストン市姉妹都市提携45周年記念バレエ公演

◇2017年7月22、23日(千葉市美浜文化ホール・メインホール)

公演名は地味だが、出演者も作品も豪華である。千葉市出身の小㞍健太が芸術監督、同市出身で元ヒューストンバレエ団ソリストの楠崎なおが監督を務め、この二人の他、プリンシパルである吉山 シャール ルイ・アンドレやコナー・ウォルシュをはじめとするヒューストンバレエ団のダンサーが出演する。演目は古典に加えて、小㞍が振付けた二作品(うち一つは日本初演)、そしてヒューストンバレエ団の芸術監督で、世界中のバレエ団から振付を依頼されているスタントン・ウェルチによる二作品からの抜粋という盛りだくさんの内容だ。知る人ぞ知るこの夏の目玉の公演。千葉市民とヒューストン市民には割引あり!(吉田 香)


◆国立劇場第8回「伝統芸能の魅力」《親子で楽しむ日本舞踊》

2017年7月23日(国立劇場・小劇場)

今回は親子をターゲットとした取り組み。「ふれる」「みる」「知る」の三つのパートから成り、「ふれる」では小道具や衣裳など実際に舞台で使われるものに触れる機会を提供。「みる」の演目は『子守』と『玉兔』。前者は、田舎から出てきたあどけない少女の軽快な踊りが目にも耳にも楽しく、後者は「かちかち山」の物語を一人で演じるのが面白い作品。初心者にも馴染みやすいラインナップだ。さらに「知る」では、『子守』を得意とする花柳大日翠のポイントを抑えた解説が、親近感と興味とを引き出すことが期待できる楽しみな公演。約一時間で終わるのも魅力的。(阿部)


◆オペラ座&ロイヤル 夢の共演《バレエ・スプリーム》

2017年7月26、27、29、30日(文京シビックホール・大ホール)

◇パリ・オペラ座バレエ団と英国ロイヤル・バレエ団のスターダンサーによるガラ公演が実現!今回は、<Aプロ><Bプロ>と2つのプログラムで、各「チーム」のペアがそれぞれのカンパニーを象徴するような演目を中心としたパ・ド・ドゥを披露する。そして、なんといっても一番の見どころは、合同チームによるディヴェルティスマンだ。Aプロでは、『ドン・キホーテ』Bプロでは『眠れる森の美女』が上演される。この上なく豪華で贅沢な時間を存分に味わいたい。(宮本珠希)


◆《清里フィールドバレエ》

2017年7月27日〜8月10日(清里高原 萌木の村 特設野外劇場)

◇夏と言えば清里フィールドバレエ!1990年に始まったこの日本唯一の野外バレエフェスティバルは、全国からファンが訪れるバレエ界の夏の風物詩となっている。夕暮れから星空へ移りゆく空と清里の森という最高の舞台装置を背にダンサー達が踊る姿は、ここでしか見ることができない。今年は『ジゼル』と『シンデレラ』を日替わりで上演し、8月9日、10日は《ニーナ・アナニアシヴィリ スペシャルガラ》が行われる。(折田)


◆ブライト・ステップ2017

2017年7月30日(新宿文化センター・大ホール)

◇ロシア国立バレエ・モスクワで活躍中の西島勇人、先日オランダ国立バレエ団のソリストに昇格した奥村 彩らを中心に、気鋭の日本人ダンサーが一同に会する『ブライト・ステップ2017』。2015年以降、今年が3度目の開催となる。今回も、先頃のモスクワ国際バレエコンクール シニア デュエット部門でそれぞれ金賞・銅賞に輝いたタタールスタン国立カザン歌劇場バレエ団の大川航矢・寺田 翠(本公演では第2ラウンドで踊った『タリスマン』を披露予定)、ハンブルグ・バレエ団の菅井円加、ロイヤル・フランダース・バレエ団の加藤三希央など、進境著しい踊り手たちが登場。個々の踊りはもちろん、同公演でしか見られないペアリングの妙も堪能したい。また、出演者による質疑応答を含めたワークショップや、クラウドファンディングなどの精力的な活動にも注目だ。若い力を集結させたエネルギッシュな舞台を期待する。(宮本珠希)


◆有馬龍子記念京都バレエ団《イヴェット・ショヴィレ追悼》《京都バレエ専門学校創立40周年記念》公演

2017年7月30日(ロームシアター京都メインホール)

◇昨年10月18日に99歳で亡くなったイヴェット・ショヴィレは、有馬龍子が創立した京都バレエ団と京都バレエ専門学校をたびたび訪れ、熱心に指導した。彼女のバレエは、日本においてフランスのバレエの正統を受け継ぐことを決意した京都バレエ団の核となり、今に引き継がれている。彼らのイヴェット・ショヴィレへの想いがこもった、1913年初演の『スイート・ド・ダンス』、1940年初演の『卒業舞踏会』、1949年初演の『グラン・パ・クラシック』、安達哲治の新作『四季〜夏から秋〜生命の煌めき』などの舞台をしみじみと楽しみたい。(山野博大)



June 27, 2017

<坂東亀蔵・尾上松緑>
2017年5月3〜27日、《團菊祭五月大歌舞伎》(歌舞伎座)で、『四変化 弥生の花浅草祭』を踊る

<笠井瑞丈>
2017年5月5日、笠井叡演出・構成・振付『花粉革命』(シアタートラム)を踊る

<米沢唯>
2017年5月5日、新国立劇場バレエ団公演(新国立劇場・オペラパレス)で、ウェイン・イーグリング振付『眠れる森の美女』を、ワディム・ムンタギロフと踊る

<能藤玲子>
2017年5月13日、《砂澤ビッキ展関連企画 能藤玲子ダンスパフォーマンス》(神奈川県立近代美術館葉山・第3展示室)で、自作の『風に聴く』を踊る

<鍵田真由美>
2017年5月17日、《演舞場発 東ライブ 第四回フラメンコと和の出会い》(新橋演舞場)で、自作の『むすひ』を踊る

<関山三喜夫>
2017年5月24日、第37回モダンダンス5月の祭典(めぐろパーシモンホール・大ホール)で、中村隆彦振付『ある意味で輪廻』を、モダンティーズのメンバーと共に踊る

<堀内充>
2017年5月26日、《堀内充Ballet Collection2017》(めぐろパーシモンホール・大ホール)で、自作の『Nacht und Licht−夜と光』を、青木由香、田所いおり、森本京子と踊る

<矢内千夏・杉野慧・益子倭>
2017年5月27日、熊川哲也Kバレエカンパニー公演(Bunkamuraオーチャードホール)で、熊川振付『海賊』を踊る

<野坂公夫・坂本信子・昭尾真弓・川村昇>
2017年5月28日、ダンスワークス設立40周年記念《Dance Works Dance Collection 2017》(杜のホールはしもと)で、野坂・坂本振付『闇のなかの祝祭』を踊る

<齋門由奈>
2017年5月31日、大駱駝艦舞踏公演(大駱駝艦・壺中天)で、自作の『宮崎奴』を踊る

《THE DANCE TIMES》選出ダンサー月間ベストテンは、仲間の評論家をはじめとする多くの舞踊界の人たちとの劇場のロビーでの噂話などに含まれた本音のところを参考にして、ダンス・タイムズ編集部で協議し、最終的に決めます。
 ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーをダブって選ぶことはしないというルールでやっています。


ayaorita at 13:30

June 24, 2017

第三回横浜バレエフェィティバルが開催された。今年も芸術監督に遠藤康行を迎え、日程は一日増えて金曜、土曜の二公演。AとBの二種類のプログラムが上演された。続きを読む

outofnice at 12:54舞台評

June 07, 2017

『ジゼル』をもとにした柳家花緑によるオリジナルの落語と、東京シティ・バレエ団がコラボレートした舞台が上演された。本作の初演は2015年。再演の今回はタイトルに"新"が加わり『新・おさよ』。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の生演奏が付いた。続きを読む

outofnice at 20:00舞台評

June 05, 2017

DSC_0010DSC_0006DSC_0001 谷桃子バレエ団の《コンテンポラリーダンス・トリプルビル》の制作発表と作品の公開リハーサルが行われた。バレエ団代表の赤城圭の短い挨拶があり、ただちに3作品のショーイングとなった。最初の島地保武作品『セクエンツァ』は、イタリアのルチアーノ・ベリオの音楽を使った激しい動きを多用した抽象的なダンス。佐藤麻利香、吉田邑那ら、島地の選んだダンサーたちが、彼の創る動きに体当たりした。バレエ的な動きも多く使われていて、バレエ団になじみやすいコンテンポラリー作品になりそうだ。それに対して柳本雅寛作品『Nontanz』は、松本じろの音楽を使ったコンテンポラリーの動き一色のダンス。これに三木雄馬、安村圭太、牧村直紀ら男性陣と女性の若手が懸命に取り組んだ。そして最後の広崎うらん作品『peches ペシュ』(注:pの後の[e]はaccent circonflexeが付いています)には、バレエ団代表の赤城圭をはじめ、尾本安代、睇尚子、伊藤範子、斎藤拓らの幹部を筆頭に、トップのダンサーたちはもちろん、中堅、若手までが幅広く出演した。ドラマの断片が次々と現れ、ダンスの渦の中で浮き沈みした。どの作品もまだ創作の途中にあり、細部のつめはこれから。ダンサーたちの熱心な取り組みがこのリハーサルではすでに形となって現れていたので、7月2日の本番にはこれまでの谷桃子バレエ団にない何かが出現しそうな成り行きだ。

 制作発表会見となり、振付者の3人の他に、芸術監督の睇尚子をはじめ、島地作品の創作アシスタントの酒井はな、柳本作品の音楽担当の松本じろ、谷桃子バレエ団幹部ら関係者がずらりと並んだ。まず芸術監督の睇瑤ら、これまで古典中心の公演を行ってきた谷桃子バレエ団がどうしてこのようなコンテンポラリーの公演を意図するに至ったかの説明があった。新しいことに挑戦して、特に若いダンサーたちの参加意欲をかきたてることを考えたようだ。意外に新しいことのお好きだった谷桃子先生のご意向にもかなうものではないかと、睇瑤聾譴辰討い拭

 三人の振付者の選定は、酒井はなとの古くからのお付き合いのつながりで島地保武、谷桃子バレエ団出身の黒田育世を通じて親しくなった柳本雅寛、制作担当のアンクリエイティブの紹介で広崎うらんということになったようだ。振付者は三人三様にバレエとの関わりを楽しんでおり、どんな結果が出るのか期待が持てる。芝居の舞踊場面を担当することの多い広崎とは、演技者として独特の味わいを持っていた谷桃子につながる何かが出て来そうな気配もある。

 この公演は、葛飾区のかめありリリオホールで行われる。葛飾区文化施設指定管理者との共催、葛飾区と葛飾区教育委員会の後援だ。寅さんの故郷の柴又に近いところで、谷桃子バレエ団への関心の度合いが高まることも考えられそう。評判が良ければコンテンポラリー作品公演のシリーズ化もあるかもしれないとのことだった。この5月に新たに芸術監督に就任した睇尚子の、かじ取りに注目しよう。(山野博大 2017/5/30 13:30 等々力・高田アートスペース)DSC_0004DSC_0014



inatan77 at 03:37レポート
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