July 01, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、620日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年7月公演】


◆《印度の魂 日本の心 真夏の宵の競演》

7月3日(国立劇場・小劇場)

◇日本舞踊とインド楽器、インド舞踊のコラボレーション。一昨年、昨年とインド・ニューデリーで好評を得ての凱旋公演。五耀會五人による日本舞踊『新曲浦島』にはじまり、続く『羽衣』はインド楽器(シタール、タブラ)の演奏をベースにした日本舞踊(花柳寿楽)とカタックダンスのコラボ。そして『三番叟』がタブラ演奏での三人(西川箕乃助、花柳基、山村友五郎)の踊り。トリはインドの二大叙事詩の一つ『ラーマヤナ』を題材にした創作舞踊で、日本舞踊、日本の打楽器と笛、インド楽器、カタックダンスがダイナミックに展開するという。古来、繋がりが深いインドと日本。文化的な共通点も多いだけに調和の取れたコラボが期待できそうだ。(阿部さとみ)


◆東京シティバレエ団《ウヴェ・ショルツ・セレクション》

7月7、8日(ティアラこうとう・大ホール)

◇過去の上演で高く評価されている、ウヴェ・ショルツ2作品の再演。『オクテット』はメンデルスゾーンの『弦楽八重奏』に乗って踊る。ダンサーの多様な組み合わせや、弦楽器の掛け合いを視覚化したような、変化に富んだ構成が素晴らしい。作曲家が16歳の時に作られた作品で、曲の持つ瑞々しさを今回も東京シティバレエ団のダンサーたちが余すところなく表現するにちがいない。『ベートーヴェン交響曲第7番』は5年前にバレエ団として初演し、2016年以来2年ぶりの再演。ダンス・タイムズでは「ダンサー月間ベストテン」を毎月発表しており、2016年の上演の際は見事なパフォーマンスに「出演者全員」をベストダンサーとして選出した(「出演者全員」という選出もこの時が初)。見逃せない公演だ。(隅田有)


◆《Triplet in Spiral 「3」を廻る三つの物語》

7月7、8日(スパイラルホール)

◇紫綬褒章を受け、ますます脂が乗っている中村恩恵が、自身の活動やメソッドを共有する人材の育成を目的として立ち上げた企画“Nakamura Megumi Choreographic Center”の第一弾として、新作を発表する。お相手は、中村とは全く個性が異なる近藤良平というから、どんなケミストリーが生まれるか楽しみである。他に首藤康之、加藤美羽、新国立劇場バレエ団の福田紘也と渡邊拓朗も出演する。(吉田 香)

◆花柳茂香舞踊研究会 “えんの会” 花柳茂香先生を偲びて

7月13日(国立劇場小劇場)

◇2016年9月10日に90歳で他界した花柳茂香の追悼公演だ。13年の”えんの会”まで舞台をつとめた。14年は自作の『男舞』を踊ることを予告していたが、当日になって救援が伝えられた。茂香が踊れなかった『男舞』を、今回は西川祐子と花柳あらたが踊る。茂香は若い頃から日本舞踊の動きをとことん抽象化して、作品を仕上げることに専念した。今回はそうして残された『原野』を西川祐子が、『香風』を花柳茂珠が踊る。西川箕乃助の踊る『お多福』は茂香の別の一面を見せる演目であり、これも楽しみのひとつだ。(山野博大)


◆《横浜バレエフェスティバル2018》

7月21日(神奈川県民ホール)

◇2015年からスタートし、今回で4回目。国内外で活躍するダンサーが、持ち味を生かした得意の演目や、彼らの所属カンパニーの名作を披露する。第一回から本公演の芸術監督をつとめる遠藤康行は小池ミモザと組み、再び『半獣』を上演する。将来活躍が期待される若手ダンサーによる“フレッシャーズ・ガラ”も、本フェスティバルの恒例だ。毎年レベルの高さに驚かされるが、今年はどんな新星に会えるだろうか。また例年公演に先立ち出演者のオーディションを開催。今年も2名が選出され、彼らも“フレッシャーズ・ガラ”に出演する。さらに過去のオーディション通過者を中心に結成されたグループ”ジュンヌバレエYOKOHAMA”が、遠藤の新作を踊る。若さ溢れる高い身体性を生かした遠藤の振付が、今年も見られるのが楽しみだ。(隅田)



◆新日本フィルハーモニー交響楽団《すみだサマーコンサート2018–Chance to play-》

7月21日(すみだトリフォニーホール)

◇着実な歩みで、挑戦的な作品を創り続け評価を高めている鈴木ユキオ。その守備範囲は広く、自身のカンパニーへのエッジ―な作品から、障がいの有無を超えたダンスカンパニーやアマチュアの子供たちによる作品など、鋭さと優しさでダンサーを生き生きと踊らせる。今回は、すみだトリフォニーホールという音楽専門ホールと新日本フィルハーモニー交響楽団のフランチャイズ30周年を記念しての企画で、フルオーケストラと共に踊る。一曲は、J.S.バッハ作曲「管弦楽組曲 第3番 ニ長調 BWV1068」をカンパニーダンサーと。もう一曲は、ストラヴィンスキー作曲によるバレエ音楽「火の鳥」を小学生から60歳代までの“すみだ区公募ダンサー”も含めた総勢30名のダンサーたちと。オケが鳴り響く舞台で、それぞれに個性と歴史を背負ったからだがうごめき、跳ね、語り、歌う、壮観な舞台になることだろう。(稲田奈緒美)


◆第15回世界バレエフェスティバル《全幕特別プロ》『ドン・キホーテ』

7月27、28日(東京文化会館・大ホール)

◇3年に1度開催されるバレエの祭典《世界バレエフェスティバル》。メインは世界中のスターダンサーが集まる8月のガラ公演だが、この全幕特別プロを楽しみにしているファンも多い。今年はフェスティバルの鉄板演目『ドン・キホーテ』に、ミリアム・ウルド=ブラーム&マチアス・エイマン、アリーナ・コジョカル&セザール・コラレスという2組の豪華キャストが日替わりで出演する。脇を固める東京バレエ団の群舞にも注目したい。(折田 彩)


◆《バレエ・アステラス2018〜海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて〜》

7月28日(新国立劇場・オペラパレス)

◇今年で9回目を迎える本公演は、海外カンパニーに所属し、普段日本ではなかなか観ることができない気鋭のダンサーが一同に会する貴重な舞台である。古典から各バレエ団の特色溢れる演目まで、見どころ満載だ。今回は、公募により選出された7組に加えて、特別ゲストに英国ロイヤルバレエ団プリンシパルの高田 茜&平野亮一を迎え、リアム・スカーレット振付『ジュビリー・パ・ド・ドゥ』を上演。また、新国立劇場バレエ団からは米沢 唯&奥村康祐が出演し、『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』を披露する。実力派ダンサーの競演を心待ちにしたい。(宮本珠希)


◆《ダンスがみたい!20 「病める舞姫」を上演する。》

7月24日〜8月5日(d-倉庫)

◇毎回斬新なテーマ設定と、ベテランから若手まで目配りがきいたダンサーのラインナップを揃える「ダンスがみたい!」シリーズ。今回は土方巽の著作『病める舞姫』に7組が挑む。注目は、土方と共に活動した舞踏第一世代の笠井叡、そして舞踏をルーツに持ち、その後コンテンポラリーダンスに活動の場を広げた伊藤キムと鈴木ユキオの参戦であろう。笠井は天使館の男性舞踏手達を率いて土方の『あんま―愛慾を支える劇場の話』(1963年初演)から着想を得た『土方巽幻風景』を、伊藤は土方のテキストを語り、弾き(!?)、踊る『病める舞姫の私』を上演する。彼らが自身の師やルーツとどのように向き合い、どのように昇華するのか、ぜひ目撃してほしい。(折田 彩)


◆ナチュラルダンステアトル・ステージアーツ2018『ねむり姫』

7月31日(渋谷区文化総合センター大和田さくらホール)

◇中村しんじ、川野眞子のコンビが楽しい舞台を作り始めたのは1998年から。『ありす』『孤高のパレード』『ピノッキオ』『さーかす』などのヒットがある。昨年の『どぼん』もおもしろかった。こんどの『ねむり姫』には、酒井はなが登場する。どんなことになるのだろうか。(山野)



outofnice at 18:43公演情報

June 28, 2018

629日より、東京バレエ団がウラジーミル・ブルメイステル版『白鳥の湖』を上演する。2016年に初演された同作は、その前年芸術監督に就任した斎藤友佳理の手がけた初の大作であり、公演の成功は大きな話題を呼ぶとともに、彼女の秀抜な手腕を示すところとなった。再演となる今回は、上野水香・柄本 弾(29日)川島麻実子・秋元康臣(30日)、沖 香菜子・宮川新大(71日)の3組が主演。中でも、この4月にプリンシパルへと昇格したばかりの沖と宮川にとっては初役である。開幕を数週間後に控えた某日、このペアによる公開リハーサルが行われ、ブルメイステル版のハイライトと言っても過言ではない第3幕、舞踏会のシーンがお披露目された。

 ロットバルトの手先たちによる各国のキャラクター・ダンスが、不穏と高揚の入り交る圧倒的  な“悪”のパワーを舞台に漲らせてゆく同場面。この日は、一部変則的なキャストであったが、井福俊太郎を始めとする道化たちの快活な掛け合いや、スペインを踊った奈良春夏の力強さ、ナポリの秋山 瑛が醸し出すコケティッシュな雰囲気など、それぞれの踊り手の持ち味が物語の密度を高めてゆく。オディールとジークフリート王子のグラン・パ・ド・ドゥでは、妖艶ながらも高貴な魅力に溢れた沖と、端正かつ柔らかな動きが光る宮川との化学反応が、やがて待ち受ける展開をいっそうドラマティックに昇華させていた。 

写真 2018-06-12 18 07 23その後の記者懇親会には、沖・宮川と斎藤芸術監督が登壇。ふたりは、年明けから入念にリハーサルを重ねてきたというが、目指す理想は限りなく高い。

「『白鳥の湖』は、“古典の中の古典”であり、クラシックの基本。難しいのはもちろんですが、それはクリアしなければいけないことでもある。考えなければいけないこともたくさんですが、だからこそやりがいもありますし、この作品に取り組めることの幸せを感じながら、毎日のリハーサルに取り組んでいきたいと思います」と沖は語る。宮川も「自分の中でまだゴールが見えていないし、そもそもゴールというものはないのではないか」と感じているという。日々葛藤しながら、自分自身で王子像を作りあげてゆくことが、本番までに残された最後の課題のようだ。そして、お互いに関しては、「きちんと話し合ってパ・ド・ドゥを作り上げていけるので、一緒に踊れてよかったなと思います」(沖)、「どんなに疲れていても練習に付き合ってくれて、意見も言いやすいので、僕自身も勉強になる。沖さんが気持ちよく踊れるようにもっと努力していきたいです」(宮川)と、信頼関係の上にこそ成り立つパートナーシップも磐石である。

 また、会見の冒頭では、今回の上演に際し、約200点もの衣装を新製作したことも伝えられた。気鋭のペアを主軸に据えたキャスティングも、細部にまで一流の美意識が宿る真新しいコスチュームも、すべては「将来につながるように」という斎藤監督の切なる想いがあるからこそ。次世代を担う若きスターの誕生と、バレエ団の更なる飛躍を見届けたい。

(取材&文 宮本珠希)



piyopiyotamaki at 17:57レポート

June 26, 2018

<小野絢子、福岡雄大>
2018年5月3日、新国立劇場バレエ団公演(新国立劇場・オペラパレス)で、牧阿佐美演出・改訂振付『白鳥の湖』を踊る

<小島章司>
2018年5月3日、ふじのくに?せかい演劇祭2018(静岡芸術劇場)で、アラン・ルシアン・オイエン演出・振付『シミュレイクラム/私の幻影』をダニエル・プロイエットと踊る

<木本全優>
2018年5月9日、ウィーン国立バレエ団2018公演《ヌレエフ・ガラ》(Bunkamuraオーチャードホール)で、ハンス・ファン・マーネン振付『ソロ』をリハルド・サボー、ジェロー・ウィリックと踊る

<林田翔平、池田武志>
2018年5月12日、スターダンサーズ・バレエ団公演(テアトロ・ジーリオ・ショウワ)で、鈴木稔演出・振付『ドラゴンクエスト』を踊る

<佐久間奈緒、厚地康雄>
2018年5月19日、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2018年日本公演(東京文化会館・大ホール)で、ピーター・ライト振付『眠れる森の美女』を踊る

<出演者全員>
2018年5月19日、ICHIBANGAI -Dance Studio-《Performance Vol.3 2018》公演(彩の国さいたま芸術劇場・大ホール)で、二見一幸振付『RITE -儀式-』を踊る

<小林美奈、山本雅也、スチュアート・キャシディ>
2018年5月24日、熊川哲也KバレエカンパニーSpring 2018公演(Bunkamuraオーチャードホール)で、熊川演出・再振付『コッペリア』を踊る

<出演者全員>
2018年5月26日、国立劇場5月舞踊公演《変化舞踊》(国立劇場・大劇場)で、『七重咲浪花土産』を踊る

<折原美樹>
2018年5月27日、佐藤典子舞踊生活70周年 第35回現代舞踊協会江口隆哉賞受賞記念舞踊公演《時を駆けて…次代へ》(磐田市民文化会館)で、雨宮百合子振付『The Cry』を踊る

<平田桃子>
2018年5月27日、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団2018年日本公演(東京文化会館・大ホール)で、フレデリック・アシュトン振付『リーズの結婚』をマチアス・エイマンと踊る

《THE DANCE TIMES》選出ダンサー月間ベストテンは、仲間の評論家をはじめとする多くの舞踊界の人たちとの劇場のロビーでの噂話などに含まれた本音のところを参考にして、ダンス・タイムズ編集部で協議し、最終的に決めます。ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーをダブって選ぶことはしないというルールでやっています。


ayaorita at 16:35

June 01, 2018

ダンス・タイムズ編集部が選んだ来月のお勧め公演をご紹介します。あくまでもメンバー個人の予想に基づいていますので、公演の内容を保証するものではありません。ぜひ、観客の皆さまが劇場へ行ってご確認ください。また、520日時点の情報を基にしていますので、日程、出演者、演目等が変更される場合もあります。完売の場合もありますので、事前にご確認ください。

 

【ダンス・タイムズがお勧めする 2018年6月公演】


◆大駱駝艦『みだらな蛙』

6月1〜10日(大駱駝艦・壺中天)

◇田村一行はカンパニーでの活動にとどまらず、地域創造の公共ホール現代ダンス活性化事業(通称ダン活)の登録アーティストとしても全国各地で創作・教育普及活動を行っている。ダン活ではその地域の風土から着想を得た作品や郷土芸能団体との共作など地域資源を活かしたユニークな作品を作っており、この経験が大駱駝艦での創作に還元されて良い循環を産んでいる。今回の新作は、以前ダン活で訪れた福岡県うきは市の古墳からインスピレーションを得たもの。うきは市で『遣召 烏胡跛臣』を見た人は、二作を見比べる楽しみも味わえる。(折田 彩)


◆Kバレエカンパニー『クレオパトラ』

6月8〜10日(東京文化会館大ホール)

6月16、17日(オーチャードホール)

◇昨年10月に初演した熊川哲也振付の『クレオパトラ』に主演した中村祥子に、今年度の橘秋子賞が贈られた。再演でどのようなクレオパトラぶりをみせてくれるのか楽しみだ。またダブル・キャストの浅川紫織のクレオパトラ像の解釈の違いにも注目したい(山野博大)


◆NAPPOS PRODUCE『斜面』

2018年6月9〜17日(東京芸術劇場・シアターウエスト)

◇首藤康之が『シレンシオ』以来5年ぶりに小野寺修二作品に出演する。小野寺と首藤のタッグは、『空白に落ちた男』(2008年初演、2010年再演)、『シレンシオ』(2013年)に続いて3作目だが、いずれも小野寺がバックグラウンドの違うダンサーや役者の持ち味を引き出しながら巧みに構成し、佳作に仕上げていた。今回は首藤以外に、小野寺作品の出演経験豊富な王下貴司、デラシネラのコアメンバーである藤田、そして聾者の舞踏家、雫境が出演する。小野寺は以前聴者と聾者による作品『鑑賞者』を創作しており、「視ること」「聞こえないものを聴くこと」に深い関心を抱いている。雫との出会いが作品にどのような化学反応を産み出すのか楽しみだ。(折田)


◆新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』

6月9〜17日(新国立劇場オペラパレス)

◇2014年の初演以来、今回が3度目の上演となるウエイン・イーグリング版は、第2幕のラストに目覚めのパ・ド・ドゥが挿入されていたり、女性ダンサーによるカラボスがトウ・シューズを履いて踊ったりと、随所に趣向が凝らされている。また、大作ゆえ、プリンシパルを始めとするトップダンサー陣がそれぞれの役で一同に会するのも見どころだ。充実ぶりが伺える4組の主演カップルにも大いに期待!(宮本珠希)


◆O.F.C.合唱舞踊劇:佐多達枝『カルミナ・ブラーナ』

6月16日(東京文化会館)

◇バレエ振付者として日本の舞踊界に大きな足跡を残す佐多達枝が『カルミナ・ブラーナ』の舞踊科に取り組んだのは、1995年12月のことだった。それ以来、長らくこの作品に取り組んできた。毎回新たな人材を集め、新しい振付を行なっているのだ。今回も酒井はな、関口淳子、浅田良和、三木雄馬らトップクラスのダンサーたちが佐多の振付を踊る。こんどはどんな『カルミナ・ブラーナ』が出現するのだろう(山野)


◆NBAバレエ団《ショート・ストーリーズ・9 バレエ・インクレディブル》

6月15〜17日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇芸術監督・久保紘一のもと、独自のレパートリーを築き上げている同団の魅力が凝縮されたガラ公演。日本のバレエ団として全編初演された『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番』『スターズ アンド ストライプス』『ガチョーク賛歌』や、『ロミオとジュリエット』、『海賊』などのクラシック作品のほか、佐藤圭と宝満直也による新作もお目見えする。特に宝満は、新国立劇場バレエ団時代にも『3匹の子ぶた』を創作し好評を博している。今回の『11匹わんちゃん』にもどんな愛らしいキャラクターが登場するのか、とっても楽しみだ。(宮本)


◆東京バレエ団『白鳥の湖』

6月29〜30日(東京文化会館大ホール)

◇2016年に東京バレエ団として初演した、ブルメイステル版『白鳥の湖』の待望の再演。登場人物一人一人が役割を持ち、踊りとストーリー展開が融合して、ドラマチックに展開する。1幕や3幕の舞踏会のセットは中世ドイツというよりもトルストイの描いた19世紀ロシアのようだ。ブルメイステルは本作の約15年後の1967年に、ソビエト映画の超大作『戦争と平和』でも振付を担当しているが、はたしてオデット、ジークフリート、オディール、ロットバルトを、ナターシャ、ピエール、エレン、アナトーリに読み替えることはアリかナシか?!(隅田有)


◆フィリップ・ドゥクフレ/DCA『新作短編集(2017)-Nouvelles Pieces Courtes』

6月29〜7月1日(彩の国さいたま芸術劇場)

◇ダンス、サーカス、パントマイム、映像等を織り交ぜた独自の世界を展開するフランスの振付家フィリップ・ドゥクフレのカンパニーによる公演。短編5作がオムニバス形式で上演される。見たことありそうで実はどこにもいない部族のダンス、空中で行われるパ・ド・ドゥなどなど、カラフルで不思議、可笑しくて、ときには詩的な舞台に現実を忘れて惹きこまれること間違いなし。日本文化を取り上げた小品も見ものだ。(吉田 香)


◆小林紀子バレエシアター《シアトリカル・ダブルビル》

6月30、7月1日(新国立劇場中劇場)

◇二作品とも小林紀子バレエ団が得意とする演目。『二羽の鳩』は1992年、『チェックメイト』は1991年に、バレエ団として初演している。パリのアトリエで暮らす若い恋人たちが主人公の『二羽の鳩』は2016年の上演が記憶に新しい。今回もアシュトンのスタイルを丁寧に見せる、見応えのあるステージになるだろう。ニネット・ド・ヴァロワ振付『チェックメイト』は1937年の作品。チェスの対局のスタイルを借りているが、ナチス・ドイツの台頭による当時の不穏な情勢が作品の基となっている。言葉を使わないバレエは通常、政治的なテーマを扱うことは得意としていないが、本作は初演から80年以上踊り継がれている稀有な作品だ。(隅田)


◆梅田宏明 somatic field project「1-resonance」

6月30、7月1日(あうるすぽっと)

インスタレーションやCGなどヴィジュアルアートを加えたダンス表現を切り開いてきた梅田宏明が、若いダンサーの育成と自身のメソッドを発展させるために、2014年からSomatic Field Projectという長期のリサーチを続けている。これまでの成果としての新作と、日本では初演という梅田のソロ作品「Intentional Particle」が上演される。プロジェクトに参加しながら身体と向き合ってきた若いダンサーたちの動きと梅田のヴィジュアルアートが、どのように共鳴、呼応、あるいは反発しながら新たなダンスが生まれるか楽しみだ。(稲田奈緒美)



outofnice at 08:26公演情報

May 31, 2018

<吉田都、渡辺恭子、池田武志>
2018年4月7日、《NHKバレエの饗宴2018》(NHKホール)で、デヴィッド・ビントレー振付『Flowers of the Forest』をマティアス・ディングマンらと踊る

<出演者全員>
2018年4月7日、井上バレエ団《アネックスシアター 次世代への架け橋vol.5》(世田谷パブリックシアター)で、キミホ・ハルバート振付『Garden of Visions −Version♀』を踊る


<加藤みや子>
2018年4月8日、加藤みや子ダンススペース50周年記念公演(調布市グリーンホール・大ホール)で、自作の『蓮の花』を踊る


<佐藤ペチカ、斉藤直子、三浦宏予、入江淳子、武智博美、玉内集子>
2018年4月10日、現代劇作家シリーズ8 ハイナー・ミュラー《ハムレットマシーンフェスティバル》(d-倉庫)で、深谷正子作・演出『ハムレットマシーン』を踊る


<出演者全員>
2018年4月24日、《太宰治作品をモチーフにした演劇公演 第14回》(三鷹市芸術文化センター・星のホール)で、スズキ拓朗振付・構成・演出『ERROR~踊る小説4~』を踊る


<上野水香、川島麻実子、中川美雪>
2018年4月28日、チャイコフスキー記念東京バレエ団公演(東京文化会館・大ホール)で、ジョージ・バランシン振付『セレナーデ』を踊る


<出演者全員>
2018年4月28日、《上野の森バレエホリデイ2018》Noism1特別公演(東京文化会館・小ホール)で、金森穣演出振付『Mirroring Memories−それは尊き光のごとく』を踊る


<井上安寿子>
2018年4月29日、葉々の会公演(銕仙会能楽研修所舞台)で、義太夫『万歳』を舞う


<藤田善宏、丸山和彰、小笠原大輔、宮本悠加、高間淳平、関口奈々、渡邉未有>
2018年4月29日、Hibiya Festival《The Stage》参加作品 累累-ルイルイ-公演(東京ミッドタウン日比谷6F Q HALL)で、藤田・丸山作・演出・振付『イースト・サイド物語』を踊る


<猿若清方、猿若清三郎>
2018年4月30日、二代目猿若清方喜寿記念 第72回猿若会(国立劇場・大劇場)で、長唄『花の酒』を踊る


《THE DANCE TIMES》選出ダンサー月間ベストテンは、仲間の評論家をはじめとする多くの舞踊界の人たちとの劇場のロビーでの噂話などに含まれた本音のところを参考にして、ダンス・タイムズ編集部で協議し、最終的に決めます。ひとつの公演からはベストの1件だけ、月間でひとりのダンサーをダブって選ぶことはしないというルールでやっています。



ayaorita at 12:31
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